2016年08月27日

続・登録第4974814号

2006年8月に「ロボティック・ライフスタイル」が商標として認められてから10年がたち、今夏更新手続きを行った。

今ではそれほど違和感がないかもしれないが、10年前は一般的に「ロボット」を非常に狭い領域で考える(いかにもロボットロボットしたもの)ことが主流で、生活様式や関係性でロボットをとらえることはほとんどなかった。

2005年に情報媒体の「ロボカーサ・ドットコム」(2005年11月〜)を立ち上げるに際して、ロボットが今後広く普及・活用されるためには何が必要かをいろいろ考えたが、
下記の4つがそれぞれ影響しあうことでそれがなされるのではないかと思った。
すなわち、
@ロボティック・ライフスタイル・コミュニケ―ション
Aロボティック・ワークスタイル・オペレーション
Bロボティック・システム・イノベーション
Cロボティック・ミッション・フロンティア

これらは「日本ロボットビジネス体系講座」(2014年10月〜)の中心テーマ=グラン☆ロボティックのベースとなっていて、それがやがて、誰もがよりクリエイティブでココロ躍る時間を生きる「ワレラの時代」へと通じていくことになる。

初心忘るべからず。
10年前にこのJournalで書いた言葉をこれからの10年も続けて行こうと思う。

《これからの「ロボットと暮らす上質で新しい生活」を、この商標と共に見つめていきたい》


登録第4974814号(2006年8月26日)


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2016年06月06日

はじめの一歩


スイスで行われたベーシックインカ(BI)導入の可否を問う国民投票。
結果は予想通りの否決(賛成は23%)。

それでもベーシックインカムが国レベルで議論された意味は大きい。

スイスの人口は約834万人。これは愛知県(約748万人)より多く、大阪府(約883万人)よりは少ない人数で、
今回、スイス国民約200万人がBI導入に賛成したことになる。

スイスの国民総生産額(GDP)は、約6650億ドル。東京都(約8190億ドル)より少なく、大阪府(約3240億ドル)よりは大きい。

ちなみに来年、BIの社会実験を予定しているフィンランドは、
人口(約548万人)、GDP(約2996億ドル)。
これはそれぞれ、北海道(約538万人)、埼玉県(約2500億円)に近い。

AGIを含むロボットテクノロジーの劇的進展により、社会保障のあり方が今後問われていくことになると思うが、国単位でのBI導入に時間がかかるのであれば、市町村、特に人口減少、少子高齢化に直面している町村レベルで、テクノロジーによる地域振興とBI導入による社会保障を両輪で社会実験する自治体が出てきてほしいと思う。





2016年06月01日

ワレラの時代

今世紀に入ってしばらくの間、20世紀に思い描いていたような世界になかなかなっていかないことを残念に思っていた。

プロトタイプや一部の製品化にとどまっていた技術が一気に動き始めたのは2013年頃。
ロボットをはじめ、ドローン、IoT、AI、自動運転車、(箱に収まらない大きな)3Dプリンティングなどが次々と実用化、商品化されることで、国も行政も企業も流行に遅れてはなるまいとどっと参入して、今はその大きな流れの途上にある。

そんな今の時代を自分なりに表現したのが「ワレラの時代」。

2014年の春から使っているが、その意味するところは、
・わたしとあなた
・わたしと機械(ヒトキカイ協調)
・1920年代が「狂騒の20年代」なら、その100年後の2020年代が「(機械との)競争の20年代」

そして、今後の汎用人工知能(AGI)を含むロボットテクノロジーの劇的進展を考えたとき、誰もがやりたいことを楽しんでやれる「よりクリエイティブでココロ躍る時間」を生きることができる時代になることを願って。


第3回ロボテック・シンポジウム
ロボットテクノロジーの劇的進展とベーシックインカム 究極の社会保障





2016年05月30日

ロボットテクノロジーとベーシックインカム

AGI(汎用人工知能)を含むロボットテクノロジーが急速に進展した場合、企業の生産性や生活の質の劇的向上が見込まれますが、それは同時に労働・雇用環境や人生の過ごし方・生き方を大きく変えていく可能性があります。

果たして、単純でツライ仕事はロボットなどによる自動化が進み、ヒトはより付加価値の高い業務に従事していくことになるのか。

そのとき、我々はよりクリエイティブでココロ躍る時間を過ごすことができるのか。
そして、テクノロジーが革命的に進展する時代には、究極的な社会保障・セーフティーネットであるBI(ベーシックインカム)を併存する必要があるのではないか。

そんなAGIとBIを両輪で考えるシンポジウム、
ロボットテクノロジーの劇的進展とベーシックインカム 究極の社会保障
を6月3日に天王洲アイルで開催します。





2015年06月26日

責任ある地位にいる(いた)男性にこそ

千葉市美術館で開催されている「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」を観る。

ドラッカーが日本画と恋に落ちるきっかけとなった清原雪信の「芙蓉図」から始まり、若冲、白隠、崋山、玉堂、蕪村などの有名どころを始め、111点の作品の殆どは水墨画。

コレクションの白眉は「室町水墨画」の作品群だが、フランス印象派よりずっと早く、墨だけで光を表現した谷文晁の「月夜白梅図」は本当にすばらしく、長い時間見入ってしまった。

驚くのは、一連の展示作品どれもがピンと張りつめた独特の空気感を漂わせていて、見ているうちに深い精神性に浸る感覚に陥ったこと。

ドラッカーが水墨画に何故これほど惚れ込んだのか。

来場者は年配の女性が多かったが、40代以上の責任ある地位にいる(いた)男性にこそ、ドラッカーのコレクションを深く理解し、共感できるのではないだろうか。

仕事や人間関係に疲れたとき、水墨画がこれほど心に染み入る画だったとは、若いころには気づかなかった。
posted by カーサ at 22:05| Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月09日

未来への応援歌

先日開催された、DARPA Robotics Challenge Finals。

Googleのロボットが参加しなかったとはいえ、世界の自律型ロボットが一堂に介することで、現在の技術水準が公正にわかったことは、良かったと思う反面、東日本大震災と福島第一原発の事故を教訓に開催されたコンペティションだっただけに、日本勢の結果に残念な気持ちがした方も多いと思う。

また、自動運転車の時(Grand Challenge,Urban Challenge)のような、技術的な飛躍も感じられなかった。
それだけ自律型ロボットは難しいということでもあるわけだけど・・・

そんな中、出場したロボットが次々と転倒する姿を収めた動画(A Celebration of Risk)が公式ホームページにUPされている。

とかくロボットの場合、こんなこともできますといった実力以上の成功譚ばかりで、失敗する映像を流すことは、まれである。
その点、この動画は今のロボットの実力はこの程度のもの、と自嘲を込めた痛快なまでの割り切り方であり、また、歴史的な記録映像としてしっかり残しておこうという意図も感じられる。
そしてなにより、リスクを負って挑戦する者への賞賛であり、アメリカの懐の深さを感じる、未来への応援歌でもあると思う。

今回の結果を糧に、今後の技術的な飛躍を期待したい。
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2015年02月27日

10年前に引き戻される感覚。先達はあらまほしきことなれ。


最近、研究者や企業人も含め、10年以上ロボットに関わってきた人たちと話をすると、ロボットについて(特にビジネスにおいて)ほとんど同じような考えを持っていると感じる。

この10年、ロボットに関わってきた人たちは、大なり小なり、多くの失敗をしながらも、様々な方法や知恵でなんとか生き抜いてきた。

昨年あたりから、ロボットへの関心や期待が再び高まり、国も2020年までに1000億円の予算を投入してロボットの開発普及を推し進めようとしている。

AIやIoTなども含め、ロボット分野に参入する新しいプレイヤーは今後ますます増え、地方創生の掛け声の下、ロボットや自動運転車、無人機などの実証実験も多くの地域で実施されていく。

しかし、新しいプレイヤーの多くは、とりあえずネットでロボットの情報を片っ端から集め、関係のありそうなセミナーで名刺交換に励み、なんとなくわかったつもりで見切り発車する。

その姿を見ると、10年前に引き戻される感覚になる。
そのままでは再び失敗することが目に見える。

痛い目に合わないとわからない、という意見もあるが、ロボット分野に興味とやる気をもって挑戦する新人プレイヤーには、やみくもに突っ走る前に、まずは先輩プレイヤーの貴重な経験に素直な気持ちで耳を傾けてもらいたいと思う。

今年度、最後となる「日本ロボットビジネス体系講座2014-2015」を、3月7日(土)に開催します。

受講者の中には、既にロボットを事業化、または事業化準備中と、ロボットを具体的なビジネスとして進めている人も出始めている。

ロボットの国内外の現状や将来の動向をしっかりと学び、知識と情報を共有することは、
本気でロボットビジネスを目指す人にとって、きっと次のステップに繋がる礎になることだろう。

posted by カーサ at 20:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ロボット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月03日

新しいプレーヤー

10月から月1回開催している「日本ロボットビジネス体系講座」。

おかげさまで、これまでの2回は満席となった。

「できるだけ新しいプレーヤーに参加してほしい」という当初の希望通り、サービス業を中心に製造業以外からの業種、しかもこれから企業の中枢を担う30代、40代の参加が多い。

また、大手都市銀行、外資証券、IT企業、地方自治体、マスコミ(TV、新聞、雑誌)からの問い合わせや取材が増えてきた。

ロボットビジネスへの高い関心と事業化への流れを感じる。

この体系講座は、毎回国内外の最新の情報や動向を取り上げ、回ごとにバージョンアップした内容となっている。少しでもロボットビジネスに関心があるなら、是非受講してもらい、意見交換できればうれしい。

次回の「日本ロボットビジネス体系講座」は、12月13日(土)に行われます。

申し込み先:日本ロボットビジネス体系講座PDF


取材記事:「今日から始めるロボット事業」月刊事業構想(2015年1月号)

ビジネス交流会:「ロボット技術が切り開く新しい生活体験」千葉市産業振興財団
(平成27年1月8日(木) /千葉市ビジネス支援センター)


2014年09月27日

ロボットの潮目

(続き)
何事も時代の風向きや潮目というものがある。ロボットもその例外ではない。

SHAFTの「DARPA Robotics Challenge」予選会一位通過とその後のグーグルによる買収(2013年12月)。CYBERDYNEの東証マザーズへの株式上場(2014年3月)。ソフトバンクの人型 ロボット「Pepper」の発表(6月)。政府によるロボット革命実現会議の開催(9月)。東芝やダイソンのロボット掃除機市場への参入。
また、ビックデータやオープンデータの活用や人口知能、音声認識技術の進歩。少子高齢化による労働環境の変化。女性の社会進出に伴う家事時間の短縮・・・

ロボットを取り巻く状況や一般の人々のロボットへの関心がこの1年で明らかに変化してきている。

ロボットはいよいよビジネス化の時代に入った。

好むと好まざるにかかわらず、ロボットのビジネス化はヒトと機械と社会との関係性の変化を伴う。

ロボットが本格的に導入されるこれから時代、私たちの生活や職場、雇用はどうなっていくのか。

10月から月1回、「日本ロボットビジネス体系講座2014-2015」を開催します。

日本ロボットビジネス体系講座2014-2015.pdf



2014年09月14日

NEDOロボット白書2014を読んでみて

7月に発刊された「NEDOロボット白書2014」。

700ページを超える大著で、読破するにはそれなりの時間を要するため、全編をどのくらいの人たちが読んだかはわからないが、まずは読んでみての感想を述べたいと思う。

様々な立場の専門家が執筆したこともあり、ロボットの定義や歴史から、技術要素、事例、取り巻く環境、社会実装するためのプロセス、今後の課題など、それらをまとめるだけで精一杯だったというのが全体を通じての印象である。
(僕も4章17「神奈川県のロボット実証実験」を書いている)

(1)研究開発とビジネス

ロボット(ロボット関連技術含む)の活用分野は非常に幅広い。
宇宙から海洋、介護から農業、災害支援から武器まで、ロボットの現状を語る(軍事を除く)必要から、それらをいっしょくたにするのは(わからなくはないが)、やはり無理がある。
また、編集者、執筆者の大半が大学や研究機関、行政などの方々なので、どうしても国主導のロボット政策や産業支援、教育論、来たる将来はこうあるべしといった総論中心の記述に陥りやすく、ロボットビジネスの現状認識も甘くなりがちである。

(2)産業用ロボット

ロボットが産業用ロボットからスタートし、歴史も実績もあることから、白書では産業用ロボットの記述も多い。それはそれで参考にはなるが、サービスロボットの記述が白書の基本だと思うので、産業用ロボットの項は今後導入普及が予想されるセル生産など、ヒトとの協調(協働)作業によりフォーカスすべきだろう。

(3)分野の偏り

これも編集者や執筆者の影響と思うが、相対的にフィールドロボット(原発、災害、建設など)やネットワークロボット、産業用ロボットなどへの言及が多く、特にフィールドロボット、産業用ロボットはかなり重複している部分が多い。

(4)海外事情

海外主要国の現状なども報告されているが、データや事例も参考になるものが少なく、もっと突っ込んだ記述が必要。特に米国のサービスロボットの状況についてはロボット関係者の関心・注目も高いと思うので、他の国以上に充実した内容にすべきだろう。

(5)バックキャスト

たぶん、この白書の編集者の一番のウリは、現在ある技術から将来を考える(フォアキャスト)のではなく、将来あるべき未来像からそれに必要な技術を描き(バックキャスト)、そのあるべき姿を現実にするために、ロボットをモノづくり主導ではなく、サービス主導で設計する、というところだと思う。
その考え方自体は良いと思うが、環境や社会の大きな変革や人々の心理や意識に影響を与える非常に幅広い事象をとり上げることにもなることから、どこまで深堀することができるか。
NEDOでは今後もこのロボット白書を改定していく意向のようなので、次回改定版に注目したいと思う。
(つづく)
posted by カーサ at 11:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ロボット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする