2015年06月26日

責任ある地位にいる(いた)男性にこそ

千葉市美術館で開催されている「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」を観る。

ドラッカーが日本画と恋に落ちるきっかけとなった清原雪信の「芙蓉図」から始まり、若冲、白隠、崋山、玉堂、蕪村などの有名どころを始め、111点の作品の殆どは水墨画。

コレクションの白眉は「室町水墨画」の作品群だが、フランス印象派よりずっと早く、墨だけで光を表現した谷文晁の「月夜白梅図」は本当にすばらしく、長い時間見入ってしまった。

驚くのは、一連の展示作品どれもがピンと張りつめた独特の空気感を漂わせていて、見ているうちに深い精神性に浸る感覚に陥ったこと。

ドラッカーが水墨画に何故これほど惚れ込んだのか。

来場者は年配の女性が多かったが、40代以上の責任ある地位にいる(いた)男性にこそ、ドラッカーのコレクションを深く理解し、共感できるのではないだろうか。

仕事や人間関係に疲れたとき、水墨画がこれほど心に染み入る画だったとは、若いころには気づかなかった。
posted by カーサ at 22:05| Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月09日

未来への応援歌

先日開催された、DARPA Robotics Challenge Finals。

Googleのロボットが参加しなかったとはいえ、世界の自律型ロボットが一堂に介することで、現在の技術水準が公正にわかったことは、良かったと思う反面、東日本大震災と福島第一原発の事故を教訓に開催されたコンペティションだっただけに、日本勢の結果に残念な気持ちがした方も多いと思う。

また、自動運転車の時(Grand Challenge,Urban Challenge)のような、技術的な飛躍も感じられなかった。
それだけ自律型ロボットは難しいということでもあるわけだけど・・・

そんな中、出場したロボットが次々と転倒する姿を収めた動画(A Celebration of Risk)が公式ホームページにUPされている。

とかくロボットの場合、こんなこともできますといった実力以上の成功譚ばかりで、失敗する映像を流すことは、まれである。
その点、この動画は今のロボットの実力はこの程度のもの、と自嘲を込めた痛快なまでの割り切り方であり、また、歴史的な記録映像としてしっかり残しておこうという意図も感じられる。
そしてなにより、リスクを負って挑戦する者への賞賛であり、アメリカの懐の深さを感じる、未来への応援歌でもあると思う。

今回の結果を糧に、今後の技術的な飛躍を期待したい。
posted by カーサ at 04:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ロボティック・ミッション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする