フォトジャーナリスト、ピーター・メンゼルと元テレビの報道番組プロデューサー、フェイス・ダルシオという夫妻の共著。
アーサー・C・クラークが「これほど想像力をかき立てられ、同時に心をおののかされた本はない」と賛辞を贈るすばらしい写真集です。
ウィットに富んだ研究者へのインタビュー解説も、秀逸です。
新宿の夜景をバックに撮ったレプリカントさながらの表紙写真から始まり、ホンダのP3(ASIMOの前世代)やソニーのAIBOなどのなじみあるロボットから、砂漠の大地を規則的な足跡を残して進む昆虫型ロボットや貯水池の水面下を動くカニ型ロボットなど、カンブリア紀の生物大爆発を彷彿させる多種多様なロボットが登場します。
21世紀へと胎動し始めた新たな種族「ロボサピエンス」のまさに全貌の記録です。
この写真集が出版されてからまもなく5年。その後、世界や日本でロボット研究がどれほど進み、今後何を目指していくのか、是非続編が見たいと思います。
ちなみに「ロボサピエンス」とは、「21世紀に出現したヒトをはるかに超えた知能を有する人間とロボットのハイブリッド。地球に生存する最優性種のこと(マイクロソフト・ユニバーサル辞典 2099)」、だそうです。
ヒトをはるかに超えた知能を有する人間とロボットのハイブリッドというのも、ちょっと怖い気がしますが、ASIMOの進化を見るにつけ、そんな日もそう遠くはないだろうと思えてきます。