尾形光琳をはじめ、本阿弥光悦、俵屋宗達、尾形乾山、酒井抱一、鈴木其一の絵画、書跡、工芸などが、ほぼ年代順に展示されると共に、
宗達、光琳、抱一、其一の「風神雷神図」をはじめ、花、鹿、伊勢物語など同一テーマの比較展示がなされ、江戸時代を通した琳派の系譜=「継承と変奏」をたどることができます。
抱一の「夏秋草図屏風」など琳派の代表的な作品はもちろんすばらしいのですが、特におもしろいと思ったのは、光琳の「ブランド化」現象。
光琳のデザインはすでに生前から人気があり、没後も「光琳ブランド」として、小袖や振袖、硯箱、盆、印籠など、さまざまな工芸品の意匠として、広まっていきます。
日本人の美意識の通底には、あきらかにこの「光琳ブランド」の影響があるようです。
先月、カロッツェリア「KEN OKUYAMA DESIGN」がスポーツカー『K.O 7』の販売を発表しました。
そのホームページの冒頭には、安土桃山時代の画家、長谷川等伯の「松林図屏風」をバックに超然とたたずむ「K.O 7」が登場します。
「K.O 7」は、2000万円を越える高級車ですが、この姿だけで、ヤラレてしまいます。
同じ奥山氏がデザインしたロボット「nuvo」には、蒔絵バージョンがありますが、いつの日にか、琳派の流れを汲む、美しいロボットも登場することでしょう。
(つづき)
意思をもったモノ。ヒト700万年の記憶 (2008.5.7)
ロボットのマイバッハ (2008.5.12)
もうひとつのオールジャパン (2008.8.11)
日本のロボットが自ずと目指す先 (2008.8.19)