歌舞伎の「平成中村座」の特別興行、江戸指物、提灯、手拭いなどの見世や茶屋を再現した「奥山風景」、浅草芸者衆の「浅草おどり」・・・
浅草らしい猥雑な楽しさで、老若男女外国人で、ごった返していました。
五重塔に隣接した会場で開催された「大絵馬」の展示もまた、ごった煮の面白さで、
二代将軍秀忠が寄進した神馬の蒔絵や五代将軍綱吉自筆の観音菩薩像から、歌川国芳、鈴木其一ら一流絵師による合戦物、霊験、鵺退治にいたる巨大な絵馬の数々は、よくぞ震災や風雪をくぐりぬけて残ったものだと思う作品ばかりでした。
そして、今回特別公開された伝法院の庭園。
小堀遠州の作といわれる回遊式の庭は、コンパクトながらも起伏に富んだ造りで、特に池と五重塔のコントラストの妙は、浅草にこんな落ち着いた場所があったのかと、新鮮な驚きでした。
それもそのはず、伝法院は浅草寺を訪れた将軍などの休み処となっており、江戸から明治まで「秘園」とされ、一般に公開されることはありませんでした。
ワンダーランドは案外身近にあるもの。
秘仏、秘薬、秘儀というのは知っていましたが、秘園というのもあるのですね。
余談ですが、松下幸之助により寄進された雷門。そこにぶらさがっている大提灯に大きく書かれた社名は「パナソニック」ではなく、「松下電器」のままでした。
夏祭り バチ当り (2007.7.28)