2009年01月04日

ロボット・リサーチの罠とスーパールーキー

今年の箱根駅伝は、一人のスーパールーキーの快走とその活躍に刺激された部員たちの発奮により、東洋大学が初の総合優勝をしました。

企業が商品を開発・生産・販売する場合、大きく分けて「作ってから売り方を考える = プロダクトアウト」と、「購買者の視点、ニーズを重視する = マーケットイン」という手法があります。

ロボットは、良く言われているように、これまで極度な「プロダクトアウト」型の開発シーズ先行商品が多く、その結果、市場が立ち上がらない状態が続いてきました。

その反省から、ニーズ重視の「マーケットイン」型商品開発へと舵を切りつつありますが、数々の調査結果が示すように、一般ユーザーのロボットに対する要求は多種多様で、かつ汎用性が高く、しかも廉価であることなど、越えるべきハードルが極めて高い。

Ken Okuyama Designの奥山清行氏はその著書※の中で、方向性や目指すビジョンが見えてこないうちにニーズ調査をすることの危険性について、
「一旦リサーチして、「知ってしまった」ら、調査する前の「知らない」自分たちに戻ることはできない。情報には思わぬ力があるから、出てくるアイデアも影響を受けてしまう。
(中略)
今の時代、メーカーの技術力に大きな違いはない。違いが出るのは特色の部分で、そこで選ばれなければ、生き残ることは不可能だ。
特色をどう出すかも考えずにリサーチするのは、自殺行為に近い。まず自分たちの作りたいもの、作れるものを確認し、プロダクトの方向性を決める。それから、その方向性を軸にリサーチをかけ、結果に基づいて修正を加える。そうしなければ、ものづくりの世界で生き残る手段は、価格競争以外になくなる

また、
ものづくりとは、未来の顧客のために創造し、物語を売ることであり、常識ではなく、良識を持つこと。実用的で必要だから買うものではなく、「買いたくて仕方のないもの」を作る「覚悟」が大切
とも述べています。

一般ユーザーは必ずしも自分が欲しいものを明確に知っているわけではありません。
ロボットのような新しい製品やサービスは、やはり提供側が「メニューを提案」し、「ユーザーメリットを示す」必要があるでしょう。

一人のスーパールーキーの登場により、チーム全体が発奮し、総合優勝した東洋大学のように、まずは「買いたくて、仕方のない」スーパールーキーなロボットの登場こそ、ロボット市場全体を牽引していく、やはりそれが理想の姿のような気がします。

※「人生を決めた15分 創造の1/10000」(ランダムハウス講談社)

継承と変奏 (2008.11.3)
別次元のロボット(2008.8.23)
posted by カーサ at 12:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ロボティック・ミッション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。