しかも、時代ごとに自己変革を行い、それでいて社会的問題への一貫した関与と強いメッセージ。
「U2 3D」を観ました。
2006年の「ヴァーティゴ・ツアー」での南米4か国のLive。
iPodのCMで使われた「Vertigo」でスタートした映画は、北アイルランドの血の日曜日事件を取り上げた「Sunday Bloody Sunday」、アメリカの対ニカラグア対策を批判する「Bullet The Blue Sky」などの政治色の強い曲では、赤と黒を基調とした暗めの色彩で戦闘機の映像、世界人権宣言やマーチン・ルーサー・キングなどのメッセージがあふれ、「Pride」から「Where The Streets Have No Name」では、カラフルな南米4ヶ国の国旗をはじめ、電飾上を派手な色彩が縦横に流れます。
南米のオーディエンスのノリは半端ではなく、その熱狂振りはサッカーのワールドカップで優勝したのかと思うほど。
U2は、これまでも巨大モニターや最先端の照明装置をスタジアム会場に持ち込み、ステージ空間をデジタル信号の洪水にしたり、紛争下のサラエボからの衛星TV中継やインターネット経由の音楽配信、iPodとのコラボレーションなど、常に新しいテクノロジーを積極的に取り入れてきました。
このLive映像の3Dも、映画館でしか体験できないまったく新しい音楽映像表現であり、間違いなく今後のトレンドになることでしょう。
(郊外のシネコンでは、貸切り(一桁の観客)状態なのが気になりますが)
そう考えると、ロボットの本格普及のカギも、U2がLiveでロボットを使うようになったときといえるかもしれません。
U2は今年6月、観客がさえぎるものなく視界を確保できる「360°ツアー」をスタートさせます。
英米で初登場1位を記録したニュー・アルバム『ノー・ライン・オン・ザ・ホライゾン』をひっさげて、ヨーロッパ、北米のほか世界100都市を予定しているようなので、日本公演もきっとあるでしょう。
ちなみに、社会の現状に強い関心を示すU2らしく、入場料は最高でも100ドル以下、最低料金は30ドルくらいにするようです。
U2と同時代に生きる我々は幸せです。
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