先日行われた日本初の「宇宙エレベーター」の公開実験。
実験は、高さ200mのヘリウムバルーンから垂れ下がった「テザー※」(ポリエステルベルト)を「クライマー※」(昇降機)が上昇するというもので、上昇目標地点は地上150m。
しかし、強風で「テザー」が激しく揺れた影響もあり、地上40m程の短記録に留まりました。
アメリカでは、電磁波(可視光/赤外線レーザー/マイクロ波)を用いた外部エネルギーの供給に重点が置かれているようですが、これは半径100mくらいの大規模レーザー照射になるため、日本では「クライマー」の技術開発を進めることにしたようです。
地上150mであれば無線が届く範囲ですが、それ以上の高度では自律して上昇できる昇降機が必要になります。
それはまさに「ロボット」。
宇宙エレベーターを実現するには、昇降機の製作、システム制御技術、気象観測など、幅広い分野の統合が必要です。
ロボットを作り、ただただ戦わせるのではなく、地上と宇宙をエレベーターでつなぐという、非常にわかりやすいミッションを通して、ひとりでも多くの若者が宇宙へと飛び立ってほしいと思います。
2009年8月には、国内発の「宇宙エレベーター技術競技大会」も予定されています。
※テザー 遠心力と重力の釣り合いにより静止軌道と地球を結ぶベルト状のワイヤー。
※クライマー テザーを自力で上下する昇降機で、モーターと摩擦車を使った機構などが提案されている。