2009年06月06日

画家と美術館の幸せな関係

マーク・ロスコの〈シーグラム壁画〉全30点の内の15点が川村記念美術館で展示されています。

〈シーグラム壁画〉に接すると、まるで教会内部や宇宙空間にいるような、深遠で、哲学的な感覚に陥ります。
また、「黒い絵」の部屋は、まるでキューブリックの「2001年」のようです。

〈シーグラム壁画〉は、ニューヨークのシーグラムビルにあるレストラン「フォー・シーズンズ」の一室ために制作された連作で、大きな横長の画面に窓枠を思わせるかたちが、深い赤茶色と黒を基調に描かれています。

しかし、〈シーグラム壁画〉は、作者の意向でレストランには飾られず、長い間、そのままになっていました。

やがて、自分の思いどおりの照明や展示ができる部屋を作ることを条件に、ロスコは〈シーグラム壁画〉をロンドンのテート・モダンに寄贈します。(今回、ロスコとテート・モダンの館長との4年に渡る16通の手紙も公開)

今回の展覧会であらためて思ったのは、ロスコの「意思」を完全な形で実現しようとする美術館側の「意思」。
それが、一体感のある見事なまでの展示表現となっています。

公的美術館の収集作品、特に現代美術の展示が、だいたいつまらないのは、事前に予算があり、すでに評価された作品を合議制によって纂集し、建物ありきの展示構成ということがあるからだと思いますが、
川村記念美術館は、収集した作品にあわせて建物を作り、美術鑑賞するための環境(自然散策路、白鳥のいる池など)を整備し、なにより、その収集した作品どれもがコレクターの強い「意思」を感じることです。

そして、
人懐っこいシナガチョウが来館者をなごませます。


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若冲と環境インタラクション (2006.8.20)



posted by カーサ at 11:20| Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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