この5年の間に、運転中の携帯電話の使用禁止や高速道での自動二輪車の二人乗り走行許可など、道路交通法の改正が行われました。
将来、ロボットが公道で使われるようになると、インフラの整備と共に社会的なルール作りが必要になります。
その際のお手本は、やはり自動車。
車の発展と共に、道路や信号などの交通インフラ、車を乗るための運転者教育、事故の際の保険など、長い時間をかけてそれらは整備され、今日に至っています。
昨年、福岡市で公道でのロボット実証実験がスタートしました。
現在の道路交通法ではロボットが自由に公道を動き回ることはできません。
なにか事故があるといけない、人が怪我をしたら誰が責任をとるのか、など難しい問題があるようですが、実証実験で動くロボットの回りを人間が警備する、というなんともおかしなことになっています。
とはいえ、あれほど鳴り物入りで登場したセグウェイでさえ、いまだ公道を走ることができません。
ブッシュ大統領から贈られたセグウェイを小泉首相が首相官邸で乗りこなすパフォーマンスがメディアでも大きく取り上げられ、また2005年の東京モーターショーでトヨタが「i-swing」を発表したこともあり、そろそろ法改正の話も出てくるかもしれませんが。
ロボットに関してはなにかと安全問題が論議されます。
産業用ロボットの強力なイメージや実際ロボットが暴走した場合のリスクなどから、それは当然のことではあるのですが、長い年月、安全を追求してきた自動車が、日本だけでも年に8,000人もの交通死者を出していることを考えれば、行政の対応は少し慎重過ぎるという気がします。
車が事故を起こしても「交通事故」ですが、ロボットが事故を起こせば「殺人者」になる可能性があるからでしょうか。
とはいえ、やがてロボットに関する交通ルールの説明を運転免許証更新時に聴く日もやってくるでしょう。
そして将来、「免許証更新」という言葉は、「ロボット免許」のことを指すようになるかもしれませんね。
参考 : セグウェイと日本