2009年08月16日

真夏の夜の開通で垣間見えたこと

メキシコ地震(1985年9月)があった翌年、メキシコを旅したことがありました。
震災後、半年ばかりたっていましたが、地域によってはまだ電気の復旧工事をしており、お国柄とはいえ、ずいぶんのんびりしたものだと思ったものでした。

片や、静岡地震で不通になっていた東名高速が5日ぶりに全面開通した日本。

東西交通の大動脈であり、一年でもっとも混雑するお盆休みに時期が重なったこともあり、昼夜ぶっ通しの復旧工事が続られました。

この間、NHKをはじめTV各局は連日トップニュースで復旧状況を逐一伝え、TVレポーターは早く開通してほしいという帰省客の当たり前の声をことさら強調し、選挙がらみで設けたお盆の高速道路上限1000円効果を台無しにしたくない国土交通大臣からは「○○日までには開通させたい」というプレッシャーをかけられ、工事関係者はさぞかし大変だったことと思います。

地震によるあれだけの崩落現場を5日で元通りにせよというのは、素人目にみても相当無理があるにもかかわらず、なにがなんでも復旧を急がせた道路管理上層部にはなんともいえない怒りを感じます。

半年たっても生活インフラが復旧しない国民性も困りものですが、上からやれといわれれば、がんばってやってしまい、それを良しとする国民性も、どうかと思います。

日本の自殺者は年間3万人以上。
その原因の一端を今回の復旧工事に垣間見た気がしました。


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posted by カーサ at 20:32| Comment(0) | TrackBack(0) | エトセトラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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