HTVは、ロシアのプログレス、欧州のATVに続いて、日本が製造した国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ無人補給機。サイズは大型バス並みの全長約10m、直径約4.4m、補給能力約6t。
一方、H-UBも全長56.6m、質量531tと日本のロケットでは一番大きく、固体ロケットブースターを4本装備しています。
H-UBは打ち上げ後、約15分でHTVを分離。その後1週間かけて、HTVはISSに近づき、ISSのロボットアームにより、ISSにドッキングします。
HTVはひと月ほどISSに留まった後、不要になった物資を詰め込んで大気圏に再突入し、燃焼廃棄されることになっています。
「宇宙船」そのものといっていいHTVは将来の月探査を視野に、今後、年に1回程度H-UBで打上げられる予定です。
それにしても、今回の打ち上げの主目的は、
「H-UBロケット試験機によるHTV技術実証機の打ち上げ」
もう少し細かく言うと
「H-UBの打ち上げからロケット第2段 / HTV技術実証機の分離確認までを行う打ち上げ計画」と「HTV技術実証機の運用管制計画」から成ります。
H-UBロケットもHTVも、まだ試験機であり、技術実証機であり、今回が初めてのデビュー戦。
にもかかわらず、新政権移行前の駆け込み打ち上げというわけではないでしょうが、ロケット打ち上げの実験から、補給機の分離・ドッキング・運用まですべて同時にいっぺんにやってしまおうという、かなりアグレッシブな試みです。
失敗でもしたら、無責任なマスコミからなにをいわれるかわからない状況下、
H-UBロケットとHTVの製造を担当した三菱重工の関係者はもちろん、すべての関係者が胃が痛くなるような日々を過ごしていることでしょう。
打ち上げの模様は、11日午前1時半からインターネットライブ中継されます。
H-UBの打ち上げ、HTVの分離・ドッキング共に是非成功してほしいと思います。
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