この「安まちメール」、あらかじめ登録しておくと、府警の全64署管内で起きた事件の概要や犯人の特徴などを発生から1時間をめどにメールで知らせてくれるというサービス。
府内全域か、警察署がある64署管内を選択できるほか、配信を希望する時間や犯罪の種類も指定でき、23日までに約9万6900人が登録し、そのうち約2万9700人が府内全域を選択しました。
ところが、府内全域を選んだ人に5日間で145件のひったくり情報などが送られてきたために、登録変更手続きの問い合わせが府警に殺到。27日までに約2万人がエリアを限定するなど登録をやり直したようです。
「府内全域を選択したが、あまりの犯罪の多さに怖くなった」という人が相当数に上ったようです。
「知らない」ことのほうが、かえって幸せな場合があります。
ITや情報機器を使ったサービスも便利だからという理由だけで行うと、過剰反応をひき起こしたり、逆に心の負担となって嫌気を誘い、そのため危機意識が薄くなり、やがて使われなくなる恐れがあります。
ユビキタスやネットワーク社会は、「いつでも、どこでも、誰とでも」つながる便利な社会になる反面、いつでもどこからでも監視され、押し付けがましい情報の洪水にさらされる危険があることも心得ておく必要があります。
参考: 毎日新聞 2006年1月31日
「上方の男、江戸の女」の項