台風の強風域が予想以上に大きくなり、強風が長く引いたこともありますが、2005年の羽越線事故以降、JR東日本が風に対する社内規定を強化したことが混乱の一番の原因だったようです。
首都圏の通勤状況に関する調査によると、運行状況確認に約半数が「駅のアナウンスや掲示を見」、約3割が「携帯のインターネットで調べ」、約2割が「特になにも調べなかった」とのこと。
同じ頃、開催された「SEATEC JAPAN 2009」。
その中で、「セカイカメラ」が拡張現実感=AR※1の具現化として注目されていましたが、今回の台風18号による混乱時に、セカイカメラ内でどのような情報が飛び交い、それは実際どのくらい「役に立った」のか。
というのも、SEATECで開催されたARに関するシンポジウム※2で、「ARは人々の暮らしにどのように役立つのか」というコーディネーターからの質問に、ARに関係するパネリスト誰もが明確なイメージを持っていなかったからです。
現実空間とインターネットをつなぐ、新しいインタフェースとしてのセカイカメラは、インターネットの初期段階と同様それを使うユーザがどれだけ面白がっていろいろなアイディアや使い方を提案するかで、「実際の暮らしに役立つ」ものになるのかとうか明らかになっていくのでしょう。
非常におもしろい仕掛けだけに今後の成り行きに注目したいと思います。
それと、シンポジウムで紹介されていたARを見事に表現した動画。
これは、秀逸です。
※1 仮想現実感(VR = Virtual Reality)が、コンピュータで人工的な環境を作り出し、あたかもそこにいるかのように感じさせることなのに対して、拡張現実感(AR = Augmented Reality)はコンピュータの世界に実空間を重ね合わせる技術のこと。
※2 AR技術が牽引する− コンテンツ技術が示す日本の未来
埋込み型タイムマシーン (2008.4.6)