僕はずっと鹿島アントラーズのファンですが、貪欲なまでの攻撃的サッカーをするJEFユナイテッドも好きなチームのひとつ。そしてJEFの魅力はなんといってもイビツァ・オシム監督の言動にあります。
有名な「走りすぎて死ぬことはない」にはじまり、
「作り上げることは難しい。でも、作り上げるほうがいい人生だと思いませんか」
とか
「サッカーの試合は絶対にひとりでは成立しない。君たちの人生も同じじゃないか」
など、人の心を動かす言葉の数々。
コミュニケーション力とは、メディア力。
「何を言うかではなく、誰が言うか」が肝心で、
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争に翻弄されながらも、世界のいくつもの下位クラブを強豪に育て上げてきたオシム監督だからこそ、その言葉に説得力があるのです。
ロボットのコミュニケーション能力も、ニュースを読み上げたり、笑いの対話ができるということではなく、
「人生を感じさせる言葉」や「感情表現が伝わるしぐさ」ができるようになることが大切で、
そのためには、ロボット自らが学習し、その体験に基いて「自分の言葉」で語り、
そして、こいつなかなかいいこと言うじゃんと、ロボットが人間にとって「信頼される存在」になる必要があります。
<つづく>
参考書籍 : 「オシムの言葉」 木村 元彦著 (集英社)
「あなたの話はなぜ<通じない>のか」 山田 ズーニー著 (筑摩書房)