・ロボットに意思や心がある
・一人の天才(または狂気の)科学者(工学者ではなく)によって作られる
・ロボット技術は進んでいるのに、ほかの科学技術は現在とたいして変わらない
ロボットの実用化やビジネス化に専門で携わっている身からすれば、映画が描くロボットがあまりにも現実とかい離している現状をなんとかしたいと思っていました。
そこで、数年前から映画関係者などに企画を持ち込み、シナリオ作家や映画監督にロボットの実情を出来る限り説明して、シナリオを書いてもらったのですが、彼らが描くロボットはどうしても上記の範疇のようなロボットであったり、CGやSFXに頼った作りになってしまうわけです。
そうじゃないんだよなぁ、違うんだよなぁ、なんでもっと普通に描けないのかなぁ。
で、ちゃんと伝わらないのなら自分で描こうと書いたのが、今回の「ロボティック・ドラマ」です。
実際、自分でシナリオを書いてみて思ったのは、「一人の天才科学者が造形する意思を持ったロボット」を描くことは、非常に簡単だということ。擬人化されたロボットは感情移入させやすい。
そこで、「ロボティック・ドラマ」には次の3原則を当てはめました。
1.ロボットは意思や心を持たない。
ロボットが自らの意思に基づいて行動することはないし、感情で動くこともない。
2.ロボットが一人の天才科学者から誕生するようなことはしない。
3.ロボットだけが突出しない。
ロボットはその時代の科学技術と共にあり、ロボットだけが進化するのではない。
その内容の出来については実際に観てもらって、判断していただくしかありませんが、今言えることはこれまでのどのロボットの描かれ方とも違うものになったかなということ。
その「ロボティック・ドラマ」、4月29日(祝)に横浜で上演します。
→ 詳細
ロボティック・ドラマが描くこと (2010.4.8)
「ロボティック・ドラマ」を横浜で上演します (2010.4.2)