2010年04月14日

文化をからめた宇宙滞在紹介の限界

(4/5のつづき)
国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の山崎直子さんは、日本人女性2人目の宇宙飛行士ということもあってか、献身的な夫や娘に支えられた良き妻、良き母としての姿がクローズアップされると共に、
ISSに持ち込める化粧品の種類とか、着心地の良い船内服とか、女性ならではのワイドショー的視点での紹介が多い気がします。

実際は分単位のハードな仕事をこなしているはずですが、それらは当然専門的なことなので、情報を提供するJAXAも国民、特に若者や女性が興味を持てる、わかりやすく親しみやすいイベントの紹介に注力しているのかもしれません。

琴と横笛で「さくらさくら」を演奏したり、首相官邸で俳句を詠んでみたり ・・・・

先日開催された「月探査ナショナルミーティング」でも、「文化をからめた宇宙滞在の紹介は日本らしい」という意見も出たくらいなので、それはそれで意義のあることなのでしょう。

しかし「文化」はとかく「日本的情緒」に代表される、非常にあいまいで感覚的なもの。

いくら「文化」が大切だとわかっていても、それでは年間400億円もの税金を使ってISSを維持、使用していることを国民が納得できるだけの「説得力」を感じません。

「月探査ナショナルミーティング」にゲストとして出演した若田光一宇宙飛行士は、
『日本がISS計画に参加したことで、宇宙開発での日本の存在感が増し、特に実験棟「きぼう」や運搬船「HTV」の成功は、諸外国から大変尊敬されている。自前の技術を持つことは大変重要』であるとし、
宇宙開発では、基本的に宇宙船を持っている国の言語を使うことから、『スペースシャトルでは英語、ソューズではロシア語、中国の宇宙船では中国語を喋る必要があるが、それでは宇宙に行くための訓練がすべて語学訓練になってしまう』と流暢なロシア語を披露して、日本独自の宇宙船開発の重要性を暗に示唆していました。
(つづく)

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posted by カーサ at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | サイエンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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