しかし、ロボット開発の専門家である研究者に、ユーザーが望むロボット像をいくら説明してもピンとこないか、頭ではわかっていても技術を前にいかんともしがたいということになりがちです。
そこで今回、ロボット研究者とユーザーとを少しでも近づける手段として、ロボットコンテンツによる「演工連携」を目指しました。
具体的には、地域のサークル(船橋の市民劇団)とロボットメーカー(サイバーステップ)により作り上げられたロボットコンテンツ(ロボティック・ドラマ)を、行政(かわさき・神奈川ロボットビジネス協議会)がサポートするカタチ。
日本では年間数千の演劇の公演があり、400を超える劇映画が公開されていますが、ロボットを含む科学技術をしっくりと物語に落とし込んだ作品はほとんどありません。
新しいテクノロジーに積極的にチャレンジする劇作家やシナリオライターが少ないことも、その要因として挙げられるでしょうが、科学技術立国を標榜し、毎年多額の税金を使って産官学挙げてモノづくりに励む国にしては、さみしい限りです。
従来のモノづくり力を活かしてロボットや宇宙、生命科学などを新しい地場産業に育てようとしている地域は神奈川、大阪、福岡をはじめ、全国にたくさんあります。
今回の「ロボティック・ドラマ」の上演を機に、地域の文化活動と地域の大学、モノづくり企業が手を組み、それを地域の行政が支援する「演工連携」(コンテンツの発信)の仕組みができないか、などと考えたりもしています。
ロボット実証実験シアター 「ロボティック・ドラマ」を4月29日(祝)に横浜で上演します。
→ 詳細
地域で演劇や映画に携わっている方、芸術系の大学の学生さんや関係者の方に是非ご覧いただき、ロボットテクノロジーを演劇や映像で活用するきっかけになればと思っています。
ロボティック・ドラマ 3原則 (2010.4.10)
ロボティック・ドラマが描くこと (2010.4.8)
「ロボティック・ドラマ」を横浜で上演します (2010.4.2)