2010年05月31日

男と女 X

社民党の福島党首が普天間問題で罷免され、社民党が連立離脱を決めた日、NHK日曜美術館で、画家のフランソワーズ・ジローを取り上げていました。

ピカソが花の女と呼び、10年余りを共に暮らしたジローは、ピカソとの間に2人の子供もでき、幸せな生活をおくりましたが、やがて、互いに反目するようになり、子供を連れて家を出ていきます。
数多くの恋人の中でピカソから唯一去って行ったことから、「ピカソを捨てた女」と言われています。

ジローと過ごした10年余りのピカソの絵は、幸福に満ち溢れ、幸せな雰囲気の作品が多いのですが、芸術的な視点でいえば、ピカソの停滞期ともいわれています。

ジローに去られたピカソは、再び旺盛に意欲的な作品を描きだします。
その根底にジローへの愛憎があったのかもしれませんし、女性にインスパイアされることで数々の傑作を作りだしてきたピカソの真骨頂ともいえます。

家を出ていくジローにピカソは言います。
「どんな女だって、わしのような男から去ってゆきはしない。ここを出ることは、砂漠に行くようなものだ」
ジローは答えます。「砂漠で生きる運命にあるなら、そこで生き抜いてみせます」

番組では、88歳で現役の画家であるジローへのインタビューが紹介されていましたが、その凛とした気品あふれる美しさに感動しました。

ここぞというときに放たれる女の強い意志に、たじろぐのはいつも男。


男と女 W (2010.1.14)

posted by カーサ at 09:31| Comment(0) | TrackBack(0) | エトセトラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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