2010年08月13日

モノクロをカラーにしただけで

モノクロ映画の着色化(カラー化)については、作品の文化的価値を無視する行為として、マーチン・スコセッシ監督をはじめ、多くの映画人が反対しており、僕もその通りだと思いますが、記録映像に関してはどうでしょう。

NHK総合で放送された「色つきの悪夢」。

第二次世界大戦を記録した膨大な白黒映像を最新のデジタル技術でカラー化していましたが、番組ではその意図を、
「白黒フィルムでは、あの時代の出来事をどこか遠い昔の、自分たちとは無関係の世界と感じてしまう人も多い。カラー化することで戦争の映像が、今とつながるリアルな出来事として強烈なメッセージとなる」としています。

内容自体は昨年NHK-BSでも放送されたナショナルジオグラフィック社の「カラーで見る第二次世界大戦」に準じたようですが、
戦後65年となる今年、戦争の記憶を若い世代につなげようとする企画モノが目立つ中、この番組でも数名の若手俳優を登場させて、戦争について意見を述べさせていました。

デジタル技術による記録映像のカラー化は、死蔵されていたコンテンツを資産価値あるコンテンツに甦えらせる新たな手法として、今後いろいろな番組(アーカイブも含め)に応用されていくことでしょう。


逆転の発想の遺伝子 (2007.4.10)

posted by カーサ at 21:57| Comment(0) | TrackBack(0) | エトセトラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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