2009年5月から始まった家電エコポイント制度の効果で家電量販店の売り上げが伸びる一方、家電メーカーのテレビ事業は過当競争による価格下落が響き、いくら売れても赤字の状態が続いています。
そんな中、今月発売された家庭のお米で手軽にパンを作ることができる「GOPAN(ゴパン)」。
小麦グルテンの代わりに上新粉を使えば「小麦ゼロのパン」も作れることもあり、小麦アレルギーを持つ人(家族)の関心を呼び、デモ機さえ店頭から姿を消した店も多い人気商品になっています。
2003年に開発をスタートした「GOPAN」が実用・販売されるまでに7年。
米からパンが作れる世界で唯一の製品として、今のところどの家電量販店でも同一価格で販売されており、それ以上値引きした店には商品を置かないというメーカー優位の強気の営業を行っています。
作る側より、売る側が力を持ち、その結果、メーカーの収益が悪化し、家電量販店の売り上げだけが増える構図が続く中、「GOPAN」はその悪循環から抜け出し、家電量販店への逆襲さえも感じさせます。
日頃、家電量販店の横暴ぶりに不満を抱いているメーカー関係者の中には、溜飲を下げている人もいるのではないか。
たとえそれが、他のメーカーが似たような商品を発売し、過当競争によって価格の下落がはじまるまでのわずかな期間だとしても。
追記:三洋電機は「GOPAN」の注文受付を12月1日から一時的に停止すると発表。量販店などでの予約件数が想定を大幅に上回るペースで推移しており、生産が追いつかないため。2011年4月頃の受付再開を予定している。(2010年11月25日)