東京スカイツリーを当たり前のようにゆるキャラにし、小惑星探査機「はやぶさ」さえ擬人化してしまう国民性に通じるものを感じます。
サイエンスライターのアルベルト・アンジェラ氏(※)によると、古代ローマの平均的な邸宅では5〜12人の奴隷を使っていたそうです。
彼らの役割は、
調理、洗濯、清掃、水汲み、灯り持ち、運搬、代筆、代読、余興、理容・美容など多岐にわたり、奴隷が「肉と骨でできたエネルギー源」でした。
現代社会では、家庭内の電気コンセントが「奴隷30人分の労働力」と同じエネルギーを供給しているそうで、アンジェラ氏は古代ローマでの奴隷について、
『電気店(「奴隷市場」)で選んで購入し、大切に使わないだけでなく、思い通りに動かない場合には手荒く扱うこともあり、そのこともあまり気にとめない。そして、故障したり古くなったりするとお払い箱にし、新しいものに買い替える。しかも、値段が高いと文句を言いながら』と、述べています。
掃除機や洗濯機などの電化製品は、いわば「人工的に造られた奴隷」なのだそうです。
欧米と日本では、ロボット(特にヒューマノイド)についての認識が違うと良く言われますが、
電化製品を奴隷何人分と換算する国民性と、機械や建物さえ擬人化する国民性の違いは思いの他大きいのかもしれません。
※「古代ローマ人の24時間」(アルベルト・アンジェラ著 河出書房新書)