クルマが故障した場合、ディーラーの修理場にもっていくわけですが、現在クルマに搭載されているマイコンの数は100個くらいあるそうで、プロの整備士もテスターをかけて、問題箇所を特定し、部品交換するだけということが多くなっています。
それは下手に調整したりすると電子制御全体に影響が出る可能性があるためです。
自動車メーカーも不具合のクルマを出さないよう大変な努力していると思いますが、ソフトウエアがこれだけ複雑になり、開発期間も短くなるとどうしても不具合は避けられないようです。
国土交通省のリコール対策室の発表によると、2005年のリコール届出台数は、556万3千台。
クルマのエレクトロニクス化にあわせるように、リコール届出件数が急激に増加しています。
つまり、将来どんな不具合がでるのかメーカー側も予測ができないため、出荷時の保証だけでなく、出荷後の補償に考え方を切り替えた結果ともいえます。
ホンダの「インターナビ・プレミアムクラブ」、トヨタの「G-BOOK」、日産の「カーウィングス」など、クルマの状態を継続的に維持・管理するテレマティクス・サービス※が始まっています。
<つづく>
※テレマティクスとは、通信(テレコミュニケーション)と情報処理(インフォマティクス)を組み合わせた造語。
カーナビや電子メールの送受信はもちろん、車の状況を外部からモニターし、事故や故障などのトラブルに伴うロードサービスの手配から、運転者の自宅や保険会社へ自動的にメール連絡などを行うことができる。
<参考文献> 「カーエレクトロニクス最前線」
(新 誠一著 工業調査会)