2016年のオリンピック大会招致に、東京と福岡が国内立候補をしました。
東京都が目指すのは「世界一コンパクトな大会」。
サッカーとセーリングを除く、競技施設、選手村、メディアセンターなどが10km圏内にあるというもので、交通、病院、宿泊などの既存インフラを活用することで経費の抑制と環境への負荷を謳っています。
一方の福岡。 開催概要を確認しようと福岡県のホームページを見たのですが、載っていません。
おかしいなと思い、いくつか検索した後、理由がわかりました。
北九州市を含めた「福岡・九州オリンピック」なんですね。
これは、3つのクラスターを中心に「博多湾全域を主会場」にする構想のようです。
大会理念は、東京都が「礼儀」。 福岡・九州が「おもてなし」。
どちらも日本的な精神を挙げています。
日本の招致候補地にどちらが決まるのかはわかりませんが、すでに東京都が提唱しているように科学技術立国日本の象徴として、ロボットや科学技術を前面に押し出しての差異化キャンペーンを行っていくことでしょう。
ただし、東京都、福岡・九州の開催概要を見る限り、主催者側が言っているほどには、21世紀型の新しいオリンピックという感じはしません。
今風の言葉の羅列という印象です。
2016年大会には、大都市ニューヨークやこれまで未開催地のアフリカ、中南米諸国も立候補することと思われます。
2008年に北京大会が開催されること、TVの放送権がらみで十数年に一度は夏季冬季いずれかのオリンピックを米国で開催することを考えると、日本は苦戦が予想されます。
招致活動に膨大なカネを突っ込んだにもかかわらず惨敗し、結局オリンピック委員会にむしりとられただけの大阪府。
無理な開催で県民に財政負担を強いている長野県。
「カネ」がらみの嫌な話が少ない「オリンピック」こそ、21世紀型オリンピックの理想だと思いますが、どうでしょう。