先日、知人がハワイに行ってきました。
あらためて驚いたのは、その飛行時間(往7時間、復8時間)。
25年前と変わらないのですね。
インターネットや携帯電話がこれほど普及し、科学技術も日夜進歩しているのに、飛行機の飛行速度は25年前とほとんど変わらない。
空の旅の安全性、快適性(食事、TVモニターやシートの座り心地など)の向上はうれしいことですが、それでも目的地に早く着くに越したことはないわけです。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、旅客機の国産化を目指し、今後次のようなシナリオを描いています。
@2015年頃までに環境に配慮したエンジンの開発と高性能小型航空機の運行
A2020年頃までにマッハ2クラスの超音速旅客機(SST)を国際協同開発して、太平洋を5時間で横断
B2025年頃までに極超音速無人実証機を開発して、マッハ5クラスの技術を実証
Cその極超音速技術を宇宙輸送に展開
SSTやリニア新幹線の話は、僕が子供の頃から一向に実用化されない代表的な科学技術。
科学技術創造立国を目指す日本は、科学技術関連予算を毎年大幅に増加させます。
その見返りとして、これまでの「研究のための研究、技術開発偏重」から利用者ニーズにあった「技術成果の社会還元、社会貢献」に大きくシフトします。
宇宙・航空分野も「宇宙・航空の利用、産業化」と国民に「成果が見える」ことが求められています。
JAXAもそれで目覚めたのでしょうか。
一時期のどん底の不振がウソのように次々と人工衛星打ち上げに成功しており、小惑星探査機「はやぶさ」や地球観測衛星の「だいち」など目に見えるすばらしい成果を挙げています。
そして尻に火がついたように今後、
月周回衛星の打ち上げ、宇宙ステーションの建造、そして2025年頃の月探査実現など怒涛の長期計画をぶちあげています。
アメリカの15分の1の宇宙開発予算を少しでも維持拡大するためには、国民の合意と支持がどうしても必要です。
そのためにも、ハワイまで3時間で行かれる日が早くきてほしいものです。
参考項目 : 残された10年(6/12)