先日、新燃岳の噴火活動について鹿児島大学の井村隆介准教授は、「地下のマグマだまりへのマグマの供給が続いており、あと2か月ほどで今年1月と同規模の噴火が起きた状態になる可能性がある」と発表しました。
小説「死都日本」(石黒耀著)では、加久藤火山という霧島火山の地下に隠された巨大火山が破局噴火を起こし、噴火に伴う大規模火砕流、火砕サージ、ラハール、降灰、土石流が発生。たった一日で宮崎、鹿児島など南九州が壊滅します。
そして、本州全域の半分以上も火山灰と雨による土石流で経済活動が不能となり、首都機能も完全に麻痺。世界規模の気象異常が引き起こされます。
東日本大震災による地殻変動の影響からか、南九州全域の火山をはじめ、富士山、草津白根山、大島三原山などの多くの火山が活動期に入ったと報告されています。
井村准教授によると、1月26、27日の新燃岳の噴火による火山灰などの噴出量は、桜島の昨年1年間の爆発的噴火(計896回)の10倍だったとのこと。
巨大火山の破局噴火、学術用語では「ウルトラプリニー式噴火」は、日本では7000年〜1万年に1回程度の頻度で起きており、直近では7300年前に鹿児島県南方沖の海底火山(鬼界カルデラ)で起きた破局噴火で噴出した火砕流が50km以上も海面を流走して、南九州で栄えていた縄文文化を壊滅させたといいます。
巨大火山の破局噴火は、まったく想像を絶します。
参考: 読売新聞(2011.10.7)