2011年11月08日

テイスティング・コメント

以前放送されたバラエティ番組で、ある比較実験が行われていました。

パリと東京で有名画家(ゴッホやムンクなど)の作品を見せ、まずその作品名を尋ねます。するとパリより東京のほうが作品名をはるかに正確に答えます。
次に、その作品の印象を自分の言葉で表現するようと頼むと、東京ではすぐに(老若男女を問わず)言葉が続かなくなるのに対して、パリでは高学歴のビジネスマンから、美術になどまったく関心がありそうもない露天商のおじさんまで、自分の言葉で永延(5分以上)と喋っていました。

ここ数年、山梨・勝沼のワイナリー巡りに出かけ、新酒をテイスティングさせてもらっていますが、今年は甲州ワインの地道な宣伝の成果なのか、はたまた効果的なプロモーション戦略が功を奏したのか、例年より1週早く開催されたワインツーリズムの参加者が激増し、特に若い人が大勢ワイナリーに押し寄せていました。

ワイナリー巡りをするとよーくわかりますが、ワインは作る土地、作る人、作り方よって、色、香り、味にそれぞれ個性がでます。

その個性を自分なりにどう表現(テイスティング・コメント)するか。

「色調は澄んだ琥珀色。香りは洋梨、グレープフルーツとレモングラスのような上品さがあり、口当たりはしなやかの中にも力強さがある」

この程度であれば、まぁなんとか表現できると思いますが、ソムリエのテイスティング・コメントの中には、
「草刈り後の草のような」とか、「濡れた犬」とか、「鼠臭」など、お互いが同じ言葉の意味を知っていなければ伝わらない独特の言い回し表現があり、なかなか一筋縄ではいきません。

とはいえ、ワインを飲んで、単に「おいしい」とか、「いい香り」と言うだけでは、そのワインの本当の良さが一向に伝わらないもどかしさがあります。

なので、無理をしてでもなんとか言葉をひねり出し、香りや味を自分なりに表現することが大切で、そのためには、五感をフル稼働させて、適切な言葉が出るよう訓練する必要があります。

スポーツ選手が試合後のインタビューで、なにを聞かれても、ただ「良かったです」とコメントする姿を見るにつけ、自分の言葉を紡ぎ出すための訓練の大切さをあらためて思います。


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posted by カーサ at 20:12| Comment(0) | TrackBack(0) | エトセトラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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