候補選手たちが一堂に会した会場の雰囲気は、TV中継の画面からも相当重い空気であることが伝わってきました。
代表選手名が発表されても、選手は誰ひとりニコリともせず、厳しい表情のままでした。
それはひとえに、直前に行われた全日本体重別選手権での結果ではなく、これまでの成績なども考慮されて代表が決定される複雑な選考方法にあります。
オリンピックの代表選考があるたび、柔道やマラソン、フィギュアスケートなどで、オリンピックのメダルを取れる確率が高いとか、外国人に相性が良く、国際試合に強いとか、様々な非難があるにも関わらず、「総合的に比較、勘案して」決まるケースが多いは、何故なのでしょう。
競技団体からすれば、オリンピックでの成績や人気度が、その後の国からの強化費や補助金、企業からのスポンサー費に大きく影響するため、なるたけ「安全牌」な選手や国民に人気のある選手でいきたいわけですが、勝ち負け以外の不純な思惑や大人の事情が見え隠れするのは、見ていて気持の良いものではありません。
日々厳しい練習に励み、世界の強豪相手に誰よりも勝ち負けにこだわるトップアスリートにとって、勝負に勝った者だけがオリンピックに出場できる「一発勝負」こそ、誰もが納得できる唯一の決定方法のはず。
(有力選手をシードした上でグループリーグを行い、その上位者でトーナメント戦を実施して、代表者を決めるサッカー方式もありと思います)
それにしても、ロンドン五輪柔道日本代表選手を発表した強化委員長、TVで見ていて怒りを覚えるほど、非常に不快でした。
○○kg級の「キログラム」をちゃんと言えない、選手の名前が読めないなど(記者から失笑がもれていた)、代表に選ばれるかどうか、心臓が飛び出るほど緊張しているだろう選手や関係者に大変失礼だし、こんな人たちによって代表が選ばれたと思うと選手もやりきれない気持ちになったのでは。
競技団体の資質が問われます。
イケイケ塚田とすばらしき面構え (2010.4.19)