なにげに始まる市井の人々の暮らしの情景(まるで、ジオラマ!)、スピード感溢れるオープニング映像、ケネス・ブラナーによる格調ある朗読(シェークスピアの「テンペスト」)、ピンク・フロイドの「Animals」を彷彿させる巨大な煙突と、高炉によって作り出された「環」が五輪マークとなって、火花が放出されるなど、映像とライブをつなげた演出は、小気味よく、
エリザベス女王が上空からパラシュート降下したり、映画「炎のランナー」の演奏中のローワン・アトキンソンのコミカルな演技も、場をなごませます。
また、マイク・オールドフィールドの「Tubular Bells」から、ペット・ショップ・ボーイズの「West End Girls」、英国選手団入場時のデビッド・ボウイの「Heroes」(ロバート・フィリップのディストーションギターはやっぱりすばらしい!)など、これでもかのブリテッシュ・ロック好きには堪らない名曲のてんこ盛り。
そして、聖火が点灯された(秀逸!)後の花火と過去のオリンピック選手の映像のバックには、ピンク・フロイドの「The Dark Side Moon:狂気日食」が流れ、五輪マークが宇宙に浮かぶ。
と、間髪を入れず、ポール・マッカートニーによる「The End」のLive演奏が始まり、「Hey Jude」の大合唱で大団円を迎える(演奏がトチッたのはご愛嬌ですが)。
非常に緻密で、細部(小道具、衣装など)まで徹底的にこだわった構成と演出は、とても楽しめたし、
個人的には、英国の大選手団が入場して会場が最高潮に盛り上がったときに、エリザベス女王が「時間が長くて、もう飽きちゃったわ」と、つまらなそうに爪を弄る姿がインサートされていたのが、いかにもイギリスらしい(まるでモンティ・パイソン?!)ウィットが感じられて、よかったですね。
それにしても、
各国選手団が華やかな民族衣装や、「サルヴァトーレ フェラガモ」(サンマリノ共和国)、「ラルフローレン」(米国:縫製が中国製だと、だいぶイチャモンがつきましたが)など、趣向を凝らしたユニフォームを着る中、日本選手団の相も変わらずのそのセンスの無さ。
どうしてこうなってしまうのだろう。