先日、科学に携わる専門家と一般市民との交流を促すイベント「サイエンスアゴラ」が開催されました。
「アゴラ」とは、ギリシャ語で人々が自由に集い議論する「広場」の意。
3日間の開催期間中、お台場の日本科学未来館を中心に多彩なプログラムが組まれ、子供の理科離れや大人の科学への無関心、世界的な知の競争激化など、科学を取り巻く状況が劇的に変化している今、時流にかなったよいイベントだったと思います。
僕は最終日のシンポジウムに参加しましたが、主催者から今回の反省点として一般の方の参加が少なかったこと、サイエンスについて活発な議論が交わされるまでにはならなかったこと、などが挙げられていました。
科学技術は一般的に難しい印象があるだけに、一発で大きなリターンを望むのではなく、さまざまな場所でさまざまな取り組みを地道に続けていくことが肝心です。
それにしてもなんでお台場なのでしょう。
きれいで整然とした空間だけど、人の息吹きや猥雑なエネルギーの感じられない埋立地で、「自由に集い議論する」という雰囲気になるとは思えません。
いろいろ事情はあると思いますが、芸術の秋、多くの人でにぎわう上野の国立科学博物館を中心になぜ行わなかったのでしょう。
「サイエンス アゴラ」に参加した人たちが、紅葉した公園で、あるいは甘味処で、あるいは老舗のとんかつ屋で、サイエンスを大いに議論する姿を見たかった気がします。
参考コラム : 賛否カップリング (4/6)