2006年12月02日

鋼と歯車

2007年を間近に控え、若い世代への技術の継承が懸念されていますが、古代技術の継承についての話題を2つ。

シリアで紀元900年頃から製造が始まり1750年頃になって製造技術が失われた鋼材「ダマスカス鋼」。
なんと製造にはナノチューブテクノロジーが使われていた可能性が高いということです。

このダマスカス鋼で作られた刀剣は「舞い上げた絹の衣を両断することができる」とか「鉄や岩石をさえも切ることができる」などといった伝承が古くから伝わっており、
インドのデリーには紀元3〜4世紀頃にダマスカス鋼で作られた鉄柱「デリーの柱」が現存しています。
この鉄の柱は1600年以上に渡って雨ざらしの状態で放置されているにもかかわらず、決して錆びない鉄として知られていました。

もうひとつは、
紀元前の古代ギリシャの沈没船から発見された「アンティキテラの歯車」と呼ばれる機械式の天球儀。
最新の3次元X線カメラで分析した結果、その天球儀で使われた技術はその後、1000年間に渡って見出すことのできない、非常に高度な技術力で作られていることが判明したそうです。
1000年以上経過してから再び作られるようになった機械式歯車は、古代ギリシャ文明が発明した技術を受け継いだものではなく、まったく新たに発明し直されたものに違いないとのこと。

敗戦によって禁止された日本刀や航空機開発の例を持ち出すまでもなく、一度失った技術を0から作り上げることは、やはりシンドイことですね。

参考 : Technobahn (11/20、12/1)
posted by カーサ at 18:16| Comment(0) | TrackBack(0) | エトセトラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック