2007年02月06日

外科領域のF1と先端医療格差

(つづき)
脳組織そのものにできる悪性の「グリオーマ」(神経膠腫=しんけいこうしゅ)は悪性度により、グレードT〜Wにわかれ、腫瘍部分を多く切り取るほうが生存率も高いことがわかっています。

しかし、周囲の組織に広がるグリオーマは、正常組織との境界線があいまいで、周りの組織も一緒に切り取ると、言語障害や身体マヒになる可能性があります。
そのため、これまでは思い切った切除ができないことが多かったようです。

東京女子医科大学の「術中MRI手術システム」は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けて、「脳腫瘍完全摘出システム」として開発されました。

「術中MRI手術システム」は多額の経費がかかることから、「外科領域のF1」とも呼ばれ、世界各国で技術開発競争が行われています。

現在、悪性グリオーマに対しては術中MRIをはじめ、ガンマナイフ治療や遺伝子治療などさまざまな先端治療法が試みられていますが、それらの設備が整った病院はまだほんの一部。

最先端治療を受けられるか、手術経験豊富な執刀医に出会えるかで生死が分かれる「先端医療格差」が、ますます懸念されます。

一部引用 : 日経新聞 1/28及び2/4 医療欄
参考 : 取材「術中MRI手術システム

posted by カーサ at 00:16| Comment(0) | TrackBack(0) | ロボティック・ミッション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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