2007年02月23日

日本時間1987年2月23日午後16時35分35秒

20年前の今日、岐阜県神岡鉱山の地下1,000メートルの深さにある観測装置「カミオカンデ」が、大マゼラン星雲でおきた超新星爆発によるニュートリノを観測。
その観測20年を記念しての講演会が、東京大学で行われました。

1987Aと命名された超新星の爆発により放出された10兆個のニュートリノは、16万光年を経て南半球に飛来。地球を貫通してカミオカンデへ進入して、そのまま光速で飛び去っていきました。
その時、観測されたニュートリノは、わずか11個。
しかし、これがニュートリノによって宇宙を観測する「ニュートリノ天文学」の幕開けとなりました。

いつ地球に降ってくるか知れないニュートリノの観測など、われわれの日常生活になんら役立つものでもありません。いわゆる基礎科学というやつです。

しかし、この20年間、ニュートリノを観測することで、われわれの宇宙や地球に関する知識は大きく拡がりました。

すぐ生活に役に立つわけでもなく、難し過ぎて一体何を研究しているのかさえわからない基礎科学に、国民が巨額の予算を認めるのも、われわれが本当の真理を「知りたい」と思うからでしょう。

実際、この講演会でも披露された宇宙を支配するダークエネルギーの話など、難しい理論に関わらず、とんでもなくおもしろいものでした。

その点、ロボット工学は科学とは違います。人々が求めているのは、実際に役立つ技術。

「知りたい」と「役立つ」、どちらも大事なことだけど、真理をとことこん探究することで大きな拡がりを持つ科学と、真理をとことん探究しても一向に拡がらない技術があることを、このニュートリノの観測は物語っている気がします。
posted by カーサ at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | サイエンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック