2007年03月22日

お彼岸に。ある天文学者の別れの言葉

今年1月20日の朝日、毎日、読売新聞の社会面に載り、マスコミも取り上げていたのでご存知の方も多いかと思いますが、昨年12月31日に亡くなった天文学者・磯部e三氏の死亡広告(全文)を、ご紹介します。

「私共の夫であり、父である磯部e三が2006年12月31日に亡くなりましたので、お知らせいたします。本人の遺言状による強い希望で葬式等は執り行わず、本状にて失礼いたします。
磯部良子 琴葉

私は1942年7月16日に大阪で誕生以来60有余年の人生を終えることになりました。その間、各年代毎に多くの方々にご支援いただきありがとうございました。私を支持して下さった方はもちろん、敵対された方々の行動も私の人生を飾り付け変化に富んだ楽しいものとして下さいました。
 
私は元々神の存在を信じておりません。そのような者が死んだ時だけ宗教に色どられた形式的なふるまいをするのは、理にかなっておりません。ひょっとしたら、私が亡くなればこの宇宙全体も無くなるのではと思ったりしています。万一、皆様の存在が残る場合には、有意義な人生をすごされるよう願っております。
私自身の葬式等一切の形式的な事はしないよう、また、遺骨等を残さないように家族の者に遺言してありますので、ご理解下さい。

そのような訳でお香典などは固くお断り申し上げます。もし、私に好意を持っていて下さった方々にお願いできるものでしたら、妻良子、娘琴葉に私との付き合いがどのようであったかなどを書いた手紙を送ってやっていただければ、この上もない幸いです。娘も、父がどのような人間であったか、理解してくれるでしょう。
短くもあり長くもあった私の人生でしたが、ありがとうございました。   磯部e三」

参考 : 朝日新聞 1/20朝刊
参考コラム :
ロボット 愛の死 (06.2.14)
イタコイズ・ヒーリング (06.8.2)
posted by カーサ at 11:37| Comment(0) | TrackBack(0) | エトセトラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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