2007年10月07日

エンテン・アラビアンナイト

電子マネー「円天」で巨額の資金を集めた「エル・アンド・ジー」。
いかにも胡散臭い話にも係わらず、
今回もまた高齢者や主婦が被害にあっているようです。

9世紀頃、バグダッドで編纂されたとされる「アラビアンナイト」(千夜一夜物語)。

「アラジンと魔法のランプ」や「アリババと40人の盗賊」で有名ですが、改めて全篇を読んでみると、その奇想天外な話に潜む人間のダークサイドの描写に驚きます。

アラビアンナイトは、妻の不貞により「女のいる世の中は、ひとつの悪に過ぎない」と悟った王が、姦通した妃やその相手を殺し、大臣に毎日処女を連れてくるように命じて、一晩楽しんだ後、翌日殺戮します。その行いは3年(1095人)にもおよび、もう連れてくる処女が居なくなった大臣は遂に娘シェヘラザードを差し出します。
そしてシェヘラザードは明日の命をかけて千と一の物語を話しはじめます。

女たらし、姦淫、密通、裏切り、詐欺、謀略、泥棒、いかさま、ペテン、邪悪、狂恋、殺人、情夫、恨み、浮気、策略、悪戯、道化 ・・・

男女のあらゆる「暗部」、心の闇がこれでもかこれでもかと語られます。

ディズニー映画でお馴染みの「シンドバッドの冒険」も、バグダッドで大富豪となり遊楽と放蕩の限りを尽くしていたシンドバッドが、実は金と欲の邪悪な心に突き動かされて7回も危険な航海に出るという話で、航海中も生きのびるためなら平気で人を殺したりしています。

いかさま師があらゆる手を使って善良な人をだまし、悪者が生きのびる邪悪な世界。

「あいつらうめぇことやりやがったな、だまされるほうがバカなんだ」とほくそ笑むアラビアンナイトの世界に、私たちは今生きているのだということを肝に銘じるべきなのでしょう。
posted by カーサ at 21:25| Comment(0) | TrackBack(0) | エトセトラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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