2007年11月09日

アーバンとガンダムに見る両用技術戦略の大きすぎる溝

日本とアメリカで、軍事に係わるイベントがそれぞれ行われました。

アメリカではDARPA(米国国防総省高等研究計画局)主催による無人ロボットカーのレース「DARPAアーバン・チャレンジ」。

過去2回の砂漠地帯でのレースとは違い、今回は空軍基地跡に交差点や駐車場などを設定し、交通法規の遵守、有人運転車との混走など、実際の市街地を想定したルートで走行するというもの。

日本では、防衛庁技術研究本部主催の軍事技術に関する講演と展示会「防衛技術シンポジウム2007」が開催されました。

特に展示セッションでは、「ガンダムの実現に向けて」と名づけられた「先進個人装備システム」が、インターネットなどで話題となり、多くの見学者が訪れていました。

一方は優勝賞金200万ドル(約2億3000万円)を賭けた真剣勝負。
イラクヤアフガニスタンでの実戦配備を目的としたロボットテクノロジーの純粋な軍事利用ですが、当然その先には自動車の自動運転への活用という大きな拡がりが想定されています。

片や「ガンダム」。展示品には「先進個人装備システム」をはじめ、おもしろい技術がたくさん見られましたが、自衛隊だけをユーザに想定しているため、非常に内向きでこじんまりとした印象です。
このまま死蔵していく技術、アイディアもたくさんあるのではと感じました。

同志社大学大学院の村山裕三教授が指摘しているように、
「優れた技術を持つ民間企業が入り込めるシステムの構築」、民生技術をシステムとして軍に転用する両用技術戦略という視点がやはり必要な気がします。

参考 : 科学技術連携施策群「テロ対策のための研究開発−現場探知システムの実現」シンポジウム

グランド・チャレンジU インテルの戦略 (06.1.25)
グランド・チャレンジ (06.1.10)

※フォルクスワーゲン社は今回のアーバン・チャレンジへの協力をホームページで掲載しています。
posted by カーサ at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ロボット・アンダーワールド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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