番組の中で作家の堺屋太一氏は、聖徳太子の一連の改革について
「太子は、一人の人間が同時に複数の宗教を信じていいという、世界に類のない哲学を創り出しました。それによって日本は、世界中から進んだ文化や技術を取り入れる"いいとこどり"の国になったのです」
と述べ、それが日本人の行く末を決めてきたと語りました。
昨日発表された京都大グループによる世界初の「ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)」作製の成功。
受精卵を壊して作る、これまでの「胚(はい)性幹細胞(ES細胞)」ではなく、皮膚細胞から、あらゆる臓器・組織の細胞に変化する「万能細胞」を作ることに成功したという画期的なもの。
ノーベル賞級の超高度な研究にも関わらず、その成果が国民誰にもわかりやすいのが特徴です。
ところが、時を同じくしてアメリカの大学が同様の研究成果を発表し、同時にブッシュ大統領がその研究支援を世界に向かって強烈にアピール。
これには日本政府もぼやぼやしているわけにいかず、ヒトiPS細胞を利用した再生医療実用化研究に5年・70億円、
そしてこの再生医療研究が臨床応用にすぐ結びつくよう安全基準の策定と、日本が主導権を握れるための環境作りの着手など、
「オールジャパン」体制構築を発表しました。
後出しジャンケンで、アメリカにいいとこどりされては、たまりません。
参考 : 読売新聞 (11月23日)
日本の一番のアキレス腱 (2006.3.11)