2007年12月03日

戦士の顔

2007国際ロボット展で行われたJETRO主催の「ROBO LINK FORUM」。

iRobot社の共同設立者であり、会長のヘレン・グレイナー氏が講演しました。
実用ロボットの分野でもっとも成功している経営トップの話とあって、会場には多くの人が詰め掛けました。

しかし、その内容は、
1990年の設立以来、あらゆる種類のロボットを開発、実験したがことごとく失敗したこと、
10年以上に渡る試行錯誤の末に掃除機ロボット「ルンバ」にたどり着いたこと、
その「ルンバ」シリーズは全世界で250万台以上を売り上げていること、
爆弾処理ロボット「パックボット」も世界で1000台以上配備されていること、
ロボットベンチャーで唯一NASDAQに上場していること、
そして、今後もルンバや床掃除ロボット「スクーバ」などのホームロボットと、パックボットなどの軍事用ロボットの2本柱で事業を進めていくこと、
などなど、皆良く知られたことばかりでした。

その後の質疑応答でも、どうすれば次世代ロボットが普及していくと思うかという進行役の問いに、他のスピーカーが、安全性、機能、価格などと真面目に答える中、
グレイナー氏は、
「多くの人が、ロボットは本当に使えるの?と疑いを抱いている。その猜疑心を消していかなければならない。それを証明するためにも皆さんがルンバを7〜8台購入してくれればロボットも普及していく」
と軽くいなしていました。

グレイナー氏は、映画「コンタクト」でジョディ・フォスターが演じた天文学者のように、利発で、笑顔がとてもチャーミングな魅力的な女性ですが、
ベンチャーキャピタリストから「空想科学小説の世界」と言われながらもiRobot社を15年で年商2億万ドルの企業に育て上げ、またアメリカ軍や世界の軍事関係者とも深く関わっているだけに、現場叩き上げの凄みを感じます。

世界を相手にしたiRobot社のダイナミックな展開の前では、日本のロボット業界はいかにもチマチマした印象を受けます。

グレイナー氏の目に日本のサービスロボットがどのように映ったのか、本音を聞いてみたいと思いました。
(つづく)

参考 : 2007国際ロボット展レポート
ルンバ格差 (2006.6.14)
殺しの烙印 (2006.6.15)

posted by カーサ at 13:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ロボット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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