ヨルダンのハッサン王子がEUに提案した太陽光発電施設は、
北アフリカの地中海沿岸の砂漠地帯で発電した電力をEU加盟国に送電し、EUの炭素排出量を大幅に削減すると共に、発電の過程で生成された淡水をアフリカ諸国へ供給するという、一石二鳥を狙った力技です。
しかも、この太陽光発電は、ソーラーパネルを使うのではなく、反射板で集光した太陽熱により海水を加熱し、高温となった温水で発電するというもの。
火力発電の2倍の費用がかかるこの発電施設ですが、原油先物相場が1バレル100ドルを越え、石油価格が1年で4割も高騰する現状では、ハッサン王子の提案も今後現実味を帯びてくるかもしれません。
ドバイの想像を絶する巨大プロジェクトの進展をはじめ、中東の王子の夢はどれも迷いのないスコーンと抜けた未来志向が特徴です。
資源を持つ国と持たらざる国との違いはあるとはいえ、昭和懐古と結果責任に明け暮れる今の日本に、子供のとき夢見た21世紀の未来はなく、今や中東にこそある気さえします。
参考 :
未来は、今 (2006.3.18)
千葉県に住む不思議ないきもの (2007.1.18)