2008年02月11日

物心ランドマーク喪失

ソウルに残る最古の木造建築物で、韓国の国宝第1号に指定されている崇礼門(南大門)が、5時間燃え続けた後、焼失しました。

その燃え方はまるで黒澤明監督の「乱」の天守閣炎上のように激しく、また焼け落ちた姿は「羅生門」のように凄絶です。

火災の原因は放火の可能性が高いようですが、1398年に建てられ、600年以上にわたり韓国国民の誇りだった崇礼門の焼失は、韓国の人々に深い精神的な痛手を与える気がします。

日本でも金閣寺が炎上したことがありましたが、崇礼門が韓国人の日常的なランドマークだったことを考えると、ニューヨークの世界貿易センタービル崩壊と似た喪失感覚ではないかと思います。

長い年月、確固と存在した建物がなくなってしまったことによる計り知れない喪失と後悔。

今回の崇礼門焼失を機に、日本でも国宝やさまざまな建築遺産を守るための一層のハイテク機器の活用 (画像認識やセンサーを用いた不審者監視強化など)が、検討されるかもしれませんね。

※日本の国宝に指定されている建築物は、法隆寺五重塔や清水寺本堂、姫路城や松本城天守など213件(257棟) ウィキペディア参照

参考 : 遺産過多に踊る (2008.1.19)
posted by カーサ at 15:56| Comment(0) | TrackBack(0) | エトセトラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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