2008年05月15日

空あり

ある日、街中で「空あり」という文字を見て、「くうあり」と読んでシマッタ! みうらじゅん氏は、看板の文字の写真、「写真経」だけで般若心経を完成させることを思い立ちます。

しかし、般若心経は難しい文字も多く、たった1文字を撮るために全国を歩きまわることになります。

「空なのに有るとは何か」、それを悟るがための修行僧のような日々。

ひとつひとつの文字を無心に探すうちに、やがて「一切の存在は空であるが、その空であることが体得されると、存在がそのまま実在であるとわかる」すなわち、「色即是空 空即是色」を体感するに至ります。

みうら氏はこれまでも「見仏記」や、マイブーム、ザ・スライドショーなどで仏像や仏教への深い愛情と造詣を披露していますが、この「アウトドア般若心経」は、みうら氏なりの仏の本質に迫る試みになっています。

いやげ物、ゆるキャラ、とんまつり、親孝行プレイなどなど、独特な表現で時代を切り取ってきたみうら氏にとって、この「アウトドア般若心経」は、夢や希望をなくして家にひきこもり、自殺さえ考えがちな日本の若者たち、大人たちへの前向きな応援歌なのかもしれません。

参考 : アウトドア般若心経 (幻冬舎)
posted by カーサ at 11:39| Comment(0) | TrackBack(0) | エトセトラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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