しかし、般若心経は難しい文字も多く、たった1文字を撮るために全国を歩きまわることになります。
「空なのに有るとは何か」、それを悟るがための修行僧のような日々。
ひとつひとつの文字を無心に探すうちに、やがて「一切の存在は空であるが、その空であることが体得されると、存在がそのまま実在であるとわかる」すなわち、「色即是空 空即是色」を体感するに至ります。
みうら氏はこれまでも「見仏記」や、マイブーム、ザ・スライドショーなどで仏像や仏教への深い愛情と造詣を披露していますが、この「アウトドア般若心経」は、みうら氏なりの仏の本質に迫る試みになっています。
いやげ物、ゆるキャラ、とんまつり、親孝行プレイなどなど、独特な表現で時代を切り取ってきたみうら氏にとって、この「アウトドア般若心経」は、夢や希望をなくして家にひきこもり、自殺さえ考えがちな日本の若者たち、大人たちへの前向きな応援歌なのかもしれません。
参考 : アウトドア般若心経 (幻冬舎)