2014年12月03日

新しいプレーヤー

10月から月1回開催している「日本ロボットビジネス体系講座」。

おかげさまで、これまでの2回は満席となった。

「できるだけ新しいプレーヤーに参加してほしい」という当初の希望通り、サービス業を中心に製造業以外からの業種、しかもこれから企業の中枢を担う30代、40代の参加が多い。

また、大手都市銀行、外資証券、IT企業、地方自治体、マスコミ(TV、新聞、雑誌)からの問い合わせや取材が増えてきた。

ロボットビジネスへの高い関心と事業化への流れを感じる。

この体系講座は、毎回国内外の最新の情報や動向を取り上げ、回ごとにバージョンアップした内容となっている。少しでもロボットビジネスに関心があるなら、是非受講してもらい、意見交換できればうれしい。

次回の「日本ロボットビジネス体系講座」は、12月13日(土)に行われます。

申し込み先:日本ロボットビジネス体系講座PDF


取材記事:「今日から始めるロボット事業」月刊事業構想(2015年1月号)

ビジネス交流会:「ロボット技術が切り開く新しい生活体験」千葉市産業振興財団
(平成27年1月8日(木) /千葉市ビジネス支援センター)


2014年09月27日

ロボットの潮目

(続き)
何事も時代の風向きや潮目というものがある。ロボットもその例外ではない。

SHAFTの「DARPA Robotics Challenge」予選会一位通過とその後のグーグルによる買収(2013年12月)。CYBERDYNEの東証マザーズへの株式上場(2014年3月)。ソフトバンクの人型 ロボット「Pepper」の発表(6月)。政府によるロボット革命実現会議の開催(9月)。東芝やダイソンのロボット掃除機市場への参入。
また、ビックデータやオープンデータの活用や人口知能、音声認識技術の進歩。少子高齢化による労働環境の変化。女性の社会進出に伴う家事時間の短縮・・・

ロボットを取り巻く状況や一般の人々のロボットへの関心がこの1年で明らかに変化してきている。

ロボットはいよいよビジネス化の時代に入った。

好むと好まざるにかかわらず、ロボットのビジネス化はヒトと機械と社会との関係性の変化を伴う。

ロボットが本格的に導入されるこれから時代、私たちの生活や職場、雇用はどうなっていくのか。

10月から月1回、「日本ロボットビジネス体系講座2014-2015」を開催します。

日本ロボットビジネス体系講座2014-2015.pdf



2012年10月21日

御礼

ロボティック・ドラマ 第1幕 「Sex Bargain Robot」とスペシャルゲストをお招きしてのロボティック・ライフスタイルR・ティーチイン。無事終了することができました。
3日間を通して、さまざまな立場の方々にご覧いただき、ありがとうございました。

2年半前に横浜で演劇として上演した時は、実機のロボットが人と同じ舞台でどこまで通用するか、といった観点もあり、「ロボット実証実験シアター」と銘打って上演したので、実際のロボットの動きに観客の視点が引きづられ気味でしたが、今回映像化したことで、本来目指していた「ヒトと機械との関係性」や、夫婦間の葛藤がより鮮明になったのではと思っています。

英字幕を付けたので、今後は外国の人の意見なりも聞いてみたいと思いました。


2012年10月16日

男と女deロボット

(つづき)
今週17日(水)から開催される「ロボットイノベーション2012」で上映する、
ロボティック・ドラマ 第1幕 「Sex Bargain Robot」。

上映後に、ロボティック・ライフスタイルレジスタードマーク ・コミュニケーションについて話をするのですが、展示会の出展者、講演者、来場者共に「男」が圧倒的に多いだろうから、せっかくの機会だし、女性との対談というかたちでやってみようと、
最終日19日に、「男と女 de ロボット」と題し、ティーチインすることにしました。

ゲストの3名は、それぞれ第一線で活躍している※作家、ファッションディレクター、コピーライターの皆さんで、以前からの知り合いでもあります。

とはいえ、普段はロボットと縁もゆかりもない生活をしているので、どんな話の展開になるか、まったくわかりませんが、上映と併せて、こちらも是非、ご覧いただければと思っています。

(※)
赤坂真理氏(作家):夏に発売された小説「東京プリズン」は話題作であり、今年を代表する小説。映画「ヴァイブレータ」の原作者。
軍地彩弓氏(クリエイティブディレクター):現在、雑誌「VOGUE girl」に携わり、先日、NHKの番組でユーミンと沖縄に行く。
相川 藍氏(コトバカ):ファッション、化粧品など一流ブランドのコピーライター。月刊公募ガイド、Book Japanで書評などを担当。ヨーロッパ映画に詳しい。

2012年10月14日

ロボティック・ドラマの上映(1)

今週17日(水)から開催される「ロボットイノベーション2012」で、
ロボティック・ドラマ 第1幕 「Sex Bargain Robot」を上映します。

2010年4月に、横浜で上演した際に記録用に撮影しておいたビデオ映像を、今回上映するにあたって再編集し、音楽も入れ替えて、英語の字幕をつけました。

上演時に実機のロボットの動作や移動に時間がかかった部分を短縮した以外は、そのままの内容ですが、だいぶ印象が違うと思うかもしれません。

英語の字幕をつける作業は、アメリカ在住の友達に協力してもらったのですが、思った以上に時間と労力がかかってしまいました。

その理由として、
もともと映画用として書いたシナリオを、演劇用の台本に書き直したため、セリフがだいぶ長くなったこと。
夫婦の言い争いの場面では、役者のやりとりがどんどんテンポアップしてしまい、字幕が追い付かない部分があったこと。
コメディの雰囲気を出す微妙な言葉のニュアンス、言い回しが難しかったこと。

それらを、1秒12文字以内(スペースは数えず、大文字は2文字と数える)、1行40文字以内でひと画面2行まで、という字幕の基本ルールに乗っ取っておこなったので、なかなか苦労したのですが、上演時に撮ったビデオカメラの音声をそのまま使っているのと、当日は風が強く、時折風切り音が録音されていたため、一部聞きづらいセリフがあるのですが、字幕があることでその分、内容を理解するのには役だったかなと思っています。
(つづく)

「ロボティック・ドラマ」を横浜で上演します(2010.4.2)





2012年01月15日

ビッグデータとロボットテクノロジー

ある映画配給会社が、観客を呼べる映画のデータベースを作り、マーケティングに利用したことがありました。
過去に当たった映画の俳優、監督、プロデューサー、脚本家、ストーリー等と、観客の嗜好や属性を掛け合わせ、動員予測などに活用する試みでした。

同じようなことは、自動車やビール、食料品、CMなど、様々な業種で、今も行われてはいます。

また、婚活や就活、果ては終活まで、自分や相手の情報がデータベース化され、マッチングされています。

インターネットやソーシャルメディアの普及・利用に伴い爆発的に増え続けるビッグデータの解析がマーケティングのトレンドになるなど、個人の嗜好や思考、生活パターン、各種情報と、企業の商品や社会生活データベース(健康・介護・防災など)をクロスさせて、購買推奨、各種サービス紹介などを行うケースが、今後も増えていくことでしょう。

クルマから生成される走行データ(フローティングカーデータ)を、データ通信によって共有することで東日本大震災での移動支援を行った「通行実績情報マップ」(ホンダ)のように、ビッグデータの解析と予測が社会活動に貢献した例もあります。

こうしたトレンドを受け、ロボットテクノロジーと社会生活サービス、高齢者支援データベースをマッチングさせて、高齢者向けの様々なサービスを提供する動きもあるようです。

しかし、それがそのまま個人の幸せに通じることになのか、どうか。

映画配給会社の試みにより、映画で大儲けしたという話は、とんと聞きませんし、最良の伴侶を見出す前に婚活疲れで鬱になったり、大志を抱く前に現実的な就活に奔走しては、なんのためのデータ利用なのかという気がします。

客観的なデータ解析は、思い込みやカンに頼りがちな現場の意識改革に役立つ一方、生身の人間の感情や感性をなおざりにするきらいがあります。

誰だって、「十把一絡げ」(※)にされて、いい気持ちになる人など、いません。


※十把一絡げ(じっぱひとからげ)
いろいろな種類のものを、区別なしにひとまとめにして扱うこと。また、一つ一つ取り上げるほどの価値がないものとしてひとまとめに扱うこと。[大辞泉]

ロボットとCRM (2006.1.15)
プレミアム・ロボット (2006.1.18)



2011年06月30日

NPO法人ロボティック普及促進センターが目指すことA 

(つづき)
今年の1月、仲間たちと共に、ロボット関連技術やロボットビジネスの普及促進活動を行う、「NPO法人ロボティック普及促進センター」(RIC : Robotic Increase Center)を設立しました。

新しいロボットを開発することは、よし。でも、
すでに世の中にあるヒト、モノを活かして、それを公共で実現し、皆が幸せを共有できることのほうがもっと大切。

RICの活動コンセプトとして、
ロボット・MOTTAINAI・プロジェクト」なるものを考えています。

まだ使えるのにMOTTAINAI (例えば、ロボットテクノロジーを使ったインフラ点検)
せっかく作ったのにMOTTAINAI(例えば、既に開発されたロボットの普及)
勉強したのにMOTTAINAI(例えば、ロボット関連企業への就業のお手伝い) など

ロボットテクノロジーを用いることで、
モノを大切にし、
ヒトを活かすことで、
幸せを実感できる。

また、
行政と協働することで、
ノウハウが蓄積され、
共有することで、
誰もが納得できる。

そんな自主事業もやっていきたいと考えています。


NPO法人ロボティック普及促進センターが目指すこと@ (2011.6.28)

2011年06月28日

NPO法人ロボティック普及促進センターが目指すこと@ 

今年の1月、仲間たちと共に、ロボット関連技術やロボットビジネスの普及促進活動を行う、
NPO法人ロボティック普及促進センター」(RIC : Robotic Increase Center)を設立しました。

震災を挟んで4月に、神奈川県から正式に認可を受け、
この6月から「かわさき・神奈川ロボットビジネス協議会」の事務局を請け負うことになりました。

今後は、ロボットビジネスに関する相談、研究開発、安全性などの事業を、時には行政と協働で、時には補助を受けながら、そして自主事業もいくつか行っていきたいと考えています。

そこで、キーとなるのが、

・個のチカラ
・パブリック
・コミュニティ

社団でも、財団でもなく、一人ひとりの顔の見える地域NPOであるということ。

気宇壮大な、天下国家を語るつもりは、ありません。

個人を中心に、その夢や想いを、パブリック(公共)で実現し、コミュニティ(地域)に拡げる。

これから、新たな物語を紡いでいきたいと思っています。
(つづく)

人々がより豊かで幸せになれる社会生活のために (2011.1.7)
ASIMOから10年、未夢からの10年 (2010.10.18)
3月11日以前と以後も、ロボット関係者の心のありかたは同じなのか (2011.4.14)

2011年01月24日

今は「心配ご無用」でも、やがては「大変な危惧」でもあること

ロボットの面白いところは垂直・水平の様々な分野に活躍の場があること。

宇宙(ロケット、人工衛星、探査ローバーなど)、飛行機(UAVなど)、モビリティ(ロボティック・カーなど)、水中探査(AUVなど)から、生活、介護、身守り、エンターテインメント、公共など多種多様な拡がりがあります。
しかも、それらは通信ネットワークやシステム技術でつながっていきます。

また、ヒューマノイドに代表される「ヒト」に近い存在として、「ヒト」を研究する上で利用したり、「ヒト」の代替として活用したりできる点もおもしろいところで、ひとくちにロボットと言っても、その利用分野、活用先によってさまざまなロボットがあるわけです。

今更ながら何故そんなことを考えたのか。

先日「ロボット戦争」をテーマにしたセミナーが行われました。
そこで感じたのは参加者のロボットに対する漠然とした不安。ロボットがヒトに代わって、戦争の主役になっていくのではないかという生理的な恐怖です。

ビジネスとしてロボットの普及に日夜頭を悩ましている立場からすれば、
「心配ご無用。皆さんが心配するようなロボットはそんな簡単に作れません。まして自らの意思で動くロボット戦士など当分ありえません。まったくそんな心配ができるくらいになりたいものです」と言いたいところではあったのですが、
このセミナーで取り上げていた「ロボット戦争のロボット」というのは、主に米軍がアフガニスタンやイラクで展開している無人航空機(UAV)、特に爆撃を行える無人戦闘機(UCAV)のことで、遠隔操作によって操縦されるため、「戦闘の非人格化=プレイステーション感覚」に陥り易く、誤爆や制御不能などに伴う付随的被害(多数の民間人を殺害)が問題になっています。

ヒトに善人と悪人がいるのではなく、ヒトの心のなかに善と悪があるように、ロボットも使うヒトの用途によって、平和利用にも殺人兵器にもなるわけで、そんなヒトの心を映し出す鏡のような存在としてもロボットは興味深いものでもあります。

ただし、技術的に今は「心配ご無用」でも、技術が進化すればロボットはやがて「大変な危惧」になる存在になります。

ロボット(機械)とヒトはどのように付き合って(関係性)いくことになるのか。
見守っていきたいと思います。


ASIMOから10年、未夢からの10年 (2010.10.18)
ロボット兵器の行方 (2006.7.14)
ヒズボラ・ロボット・アタック (2006.7.19)
指数関数的に加速した先 (2007.1.2)
ロボット市街戦 (2007.8.17)
アーバンとガンダムに見る両用技術戦略の大きすぎる溝 (2007.11.9)
世界平和アピール七人委員会が、ロボットの軍事利用に抗議する日 (2008.8.30)

2011年01月07日

人々がより豊かで幸せになれる社会生活のために

2005年に会社を立ち上げる際、ロボット(※)との暮らしを通して、これからどんな新しい生活が始まるのか。今後ヒトと機械と社会との関係性はどうなっていくのか。
上質で創造性に富み、人々がより豊かで幸せになれる生活、それを“ロボティック・ライフスタイルR”と名付けました。

警視庁は、横断歩道上の歩行者の動きをカメラでとらえ、渡り切れない恐れがある場合に自動で青信号を5〜15秒延長する「歩行者感応式信号機」を都内に設置しました。

これまでも、車の動きをカメラで感知して赤と青の時間を調節する信号はありましたが、画像処理の精度を上げることで夜間でも人の動きを感知することができるようになり、導入に踏み切ったようです。

警視庁は、3月までに高齢者の往来が多く、横断歩道が長い交差点(10ヶ所)にこの「歩行者感応式信号機」を設置するとのこと。

研究のための研究、飯の種のための開発ではなく、人々がより豊かで幸せになれる社会生活実現のためにこそ、ロボットはあるべきです。


(※)一般的なロボットのカタチ(ロボット単体)にとらわれることなく、人間の要求や環境に応じて動いたり、人間の行動を自動的に支援してくれる商品、及びロボットテクノロジーを使ったサービスやシステムのことを指します。そして、“ロボティック・ライフスタイルR”における理想のロボットとは、

カタチがどのようなものであれ、想像的かつ上質であること。
機能だけが目立つことなく、生活に溶け込み、さりげなくヒトを支援すること。
愛情がわき、長期間大事にされ、生活者と共にストーリー(時間)を共有できる存在であること。
そして、なにより、
ヒトが幸せを実感できる存在であること。


参考:東京新聞(2011年1月1日)

2010年10月18日

ASIMOから10年、未夢からの10年

人型ロボット『ASIMO』(ホンダ)が2000年10月31日に二足歩行に成功してから、今年で10年になります。
歩くだけだったASIMOも、走り、握手し、共同作業を行うまでになりました。

この間、自動掃除機『ルンバ』(米iRobot社)は世界で約500万台(日本では約10万台)、手術支援ロボット『ダ・ヴィンチ』(米Intuitive Surgical社)は約1200台(日本では約15台)、アザラシ型ロボット『パロ』(産総研/知能システム)は約1000体が販売され、約50台の無人清掃システム『RFS』(富士重工)が高層ビル等で稼働しています。
また、ロボットスーツ『HAL』(サイバーダイン)も商品化され、福祉現場に徐々に導入され始めています。

そして、サイバネティックヒューマン『HRP-4C未夢』(産総研)は、ロボットの専門知識がなくても人型ロボットの多様な振る舞いを簡単に作成できるソフト「Choreonoid(コレオノイド)」により、歌を唄い、ダンスのパフォーマンスまでできるようになりました。

子供の頃、遠い未来であった21世紀は現実に生きてみると思ったほどには未来的ではないけれど、100年単位でみれば、21世紀は間違いなく宇宙とロボットの世紀。

これからの10年、
ロボット普及のための安全性の基準作りや規格の標準化などが大きなトピックになっていくことと思いますが、
人に役に立つロボット(機械)は日常生活の中でどの程度受け入れられ、活用されていくようになるのか、
巨大市場となりつつあるロボット兵器開発に日本政府、メーカーはどのように対応をしていくことになるのか。

人とロボット(機械)との関係性を見つめていきたいと思います。


ロボサピエンス (2005.12.16)
歴史の事実 未来の数字 (2005.12.20)
脳マシーンインターフェース (2006.1.22)
ライブドアの影で (2006.1.24)
未来は、今 (2006.3.18)
シンドラーのリスク U (2006.6.8)
ロボット兵器の行方 (2006.7.14)
ヒズボラ・ロボット・アタック (2006.7.19)
50年後のエネルギー (2006.9.3)
400年後のロボット (2006.9.5)
MI・RAIの未来 (2006.11.22)
指数関数的に加速した先 (2007.1.2)
ロボットに関するいくつかの報告書 B (2007.5.9)
ロボット市街戦 (2007.8.17)
2010年のロボット (2007.10.17)
アーバンとガンダムに見る両用技術戦略の大きすぎる溝 (2007.11.9)
働く、ASIMO (2008.1.5)
ホームロボット普及の目安 (2008.4.1)
世界平和アピール七人委員会が、ロボットの軍事利用に抗議する日 (2008.8.30)
ロボットの点と面 (2008.9.29)
リスクの実績主義と絶対主義 (2009.1.20)
階層で防御する (2009.1.29)
瞬間速度70km、平均時速50 km以上で走れるヒューマノイド (2010.2.4)

2010年09月13日

ロボットの「暗黒感情」

宇宙を形作る物質の30%を占めるとされる謎の物質「ダークマター(暗黒物質)」。
正体のわからないものには「ダーク(暗黒)」と名付けるセンスが宇宙物理学の面白いところ。

アメリカの大学教授が米国人45万人以上を対象にしたデータを基に、収入が上がるにつれ生活の満足度は上がるものの、必ずしも幸福感が増すとは限らないとする調査結果を発表しました。
年収と幸福の関係を統計的に分析すると、暮らしに対する満足度「生活評価」の数値は、年収が増えるにつれ上昇したのに対し、「昨日笑ったか」などの「感情的幸福」の度合いは、年収7万5000ドル(約630万円)前後で頭打ちになったとのこと。

「幸福は金で買えない」という通説を裏づける報告とメディアは伝えていますが、幸せを感じる尺度は当然人それぞれなので、参考程度の話と留めておくべきでしょう。

「妬み」や「憎悪」などの感情は、確かに存在している筈なのに、その姿カタチが見えず、自分でもコントロールできない言わば「ダークエモーション(暗黒感情)」。
「暗黒感情」があるから、葛藤や争いが起こり、数多くのドラマも生まれるわけで、人を人たらしめる「源」ともいえます。

遠い将来、例えロボットが知能を獲得したとしても、そのロボットが「暗黒感情」をもつのではなく、ロボットが人の「暗黒感情」に働きかけ、少しでも人を幸せにする存在であってほしいと思います。

参考 : 読売新聞(2010.9.7)

幸せの尺度 (2008.10.9)
ホッとする存在としてのロボット (2010.2.7)
「族」ではなく (2009.11.14)
幸せを実感できる存在 (2006.2.12)

2010年08月23日

ロボティック・ライフスタイルへのヒント

先日、テレビ東京の番組(※)で建築家・清家清(せいけ きよし)氏の『私の家』が取り上げられていました。

清家氏の自宅である『私の家』は、わずか50u(横幅10m、奥行5m)のワンルーム。そこに居間、寝室、書斎、洗面所などが収められています。
『私の家』には、玄関はありません。
そればかりか、家のどこにも仕切りやドアもありません。
また、内と外との段差もほとんどないため、住まいと庭が地続きになったような、自然との一体感があります。

居間には、移動式の畳があり、ちゃぶ台を置けばそこがお茶の間に、布団を敷けば子供の寝室に、庭に出せばガーデンパ−ティになるといった斬新さ。

『私の家』には、鴨長明の「方丈記」を念頭に日本の住宅のあるべき姿を追求した清家氏のはっきりとした意思を感じます。

しかし、なによりすごいと思ったのは、そこに6人の家族が実際に住んでいたということ。

6人もの人間が、仕切りもドアもないひとつ屋根の下で暮らせば、当然、様々なきしみが生じたはずですが、
清家氏は、「家族の間にドアはいらない。個室はいらない」とし、家族を信頼することで、『私の家』が、『私たちの家』になる、としました。

今注目されているエネルギー自給住宅やスマートグリッドの先には、ロボットと暮らす上質で創造性豊かな生活=「ロボティック・ライフスタイル」が実現すると思いますが、清家氏の『私の家』には、そのためのヒントがたくさん詰まっていると感じました。

移動式の畳なんか、そのまんまロボットだし。

それにしても、『私の家』といい、『続私の家』、『倅の家』、『森博士の家』、『斉藤助教授の家』などなど、清家氏のネーミングはなんてモダンなんでしょう。

美の巨人たち 

引き算の部屋 (2008.10.19)

2009年12月22日

ロボティック・ライフスタイル2009

「カタチ」にとらわれないロボット技術は、今年も自動車、家電、ケータイ、デジタルカメラ、自転車などさまざまな分野で商品化され、またシステムの一部として実用化されました。

ロボカーサ・ドットコムでは、ロボットを一般的なロボットのイメージにとらわれることなく、「人間の要求や環境に応じて動いたり、人間の行動を自動的に支援してくれる商品及びロボットテクノロジーを使ったサービスやシステム」としています。

今年、ロボカーサ・ドットコムで取り上げた「ロボットと暮らす上質で新しい生活 = ロボティックライフスタイル」を実現する商品及びシステムをあらためてご紹介します。

◎ロボティックライフスタイル・コミュニケーション 

@ロボティック・カーサ

NEW
・インテリアホン(シャープ)
・ブラビア V5シリーズ  (ソニー)
・EX-FC100  (カシオ計算機)
・Nabaztag (ナバズタグ) (ヴィオレ社)
・BODiBEAT  (ヤマハ)

追加記載
・ホームネットワークビューワ (ALBO)  (三洋電機コンシューマエレクトロニクス)
・らくらくホンV  (富士通)
・電動ハイブリッド自転車 エナクルSPAシリーズ  (三洋電機) ← エネループ バイクに
・サイバーショット (ソニー)
・リビングライコン (パナソニック電工)
・霧ヶ峰ムーブアイZW (三菱電機)
・FinePix (富士フイルム)  
・リフターツインPa (パナソニック)
・モミモミリアルプロX (パナソニック) ← マッサージソファに
・ルームエアコンXシリーズ (パナソニック)
・ナビッシュ (INAX)
・ルンバ (iRobot社)
・パロ (知能システム)


Aロボティック・カー

NEW
・インサイト エコアシスト (ホンダ)

追加記載
・G-BOOK mX (トヨタ自動車)
・nav-u (ソニー)
・カーウイングス テレマティクス・エージェント (日産自動車)
・レクサス LS460  (レクサス)
・インターナビ・プレミアムクラブ (本田技研工業)


ロボティックシステム・イノベーション

NEW
・エフロボ・クリーン  (フィグラ)
・眠りSCAN  (パラマウントベッド)
・宇宙関連ビジネスの波及効果と有望分野(PDF版) (シードプランニング)
・近距離移動用パーソナルモビリティの将来性(PDF版) (シードプランニング)
・RoboCar(ZMP)
・Palette(フラワー・ロボティクス)
・転倒転落予防ソリューション  (パラマウントベッド、ケアコム)

追加記載
・ロボットスーツ「HAL福祉用」  (大和ハウス工業)
・みまもりくんオンラインサービス (いすゞ自動車)
・RFS-1 (富士重工業)
・セグウェイPT i2 (セグウェイジャパン)


ロボティックミッション・フロンティア

NEW
・宇宙ステーション補給機「HTV」 (三菱重工業)

追加記載
・小惑星探査機「はやぶさ」 (宇宙航空研究開発機構)


ロボティックライフスタイル2008 (2008.12.27)
ロボティックライフスタイル・コミュニケーション (2007.12.22)
ロボティックシステム・イノベーション (2007.12.25)

2009年11月14日

「族」ではなく

物をあまり買わない。手仕事、手作りを好む。基本的な暮らしを愛し、便利な物に依存せず、大事に物の手入れをする。
そのような人を「シンプル族」というのだそうです。(三浦展著「シンプル族の反乱」)

「シンプル族」のキーワードは、エコ、ナチュラル、レトロ、コミュニティ、そして和風。
「無印良品」や「ユニクロ」が提案する生活に近い感覚で、実際、「シンプル族」の増加に伴い、両社共に売上を伸ばしています。

三浦氏は無印良品が「シンプル族」に好まれる理由として、

・ストーリーがある (素材を吟味し、工程の無駄を省き、包装を簡素化するなど、わけあって安い)
・日本的 (無駄をそぎ落とすことが、わびさびに通じる)
・生活の素材 (生産者側の意図やメッセージを押しつけるのではなく、物を素材として提供し、使い勝手は消費者に任せる)
・目立たない。主張しない (ベーシック、シンプル)
・ノーブランドというブランド  

などを挙げ、すでにある自分なりの生活を邪魔しないモノが支持されていると述べています。

では、新しい消費者である「シンプル族」向けの商品企画とは一体どんなものなのでしょうか。

それは、
「無印良品のさまざまな製品になんらかの価値をプラス」し、「シンプル族でもなっとくできる物を開発する」こと。
そのためには、無印良品に足りないものとは何かを考える必要があり、それは、

・本物感、大人っぽさ
・楽しさ、明るさ、色気
・耐久性、性能への安心感、長く使えそうな感じ
・アフターサービスへの安心感

であるとしています。


ロボティック・ライフスタイルにおける理想のロボットとは、

カタチがどのようなものであれ、想像的かつ上質であること。
機能だけが目立つことなく、生活に溶け込み、さりげなくヒトを支援すること。
愛情がわき、長期間大事にされ、生活者と共にストーリー(時間)を共有できる存在であること。
そして、なにより、
ヒトが幸せを実感できる存在であること。


参考 三浦展著「シンプル族の反乱」(KKベストセラーズ)

ロボティック・ライフスタイル宣言 (2005.12. 8)
ロマンティック、エロティック、ロボティック (2005.12.14)
クリスマスの後で (2005.12.27)
上方の男 江戸の女 (2006.1.4)
幸せを実感できる存在 (2006.2.12)
ロボット 愛の死 (2006.2.14)
「ロボティック・ライフスタイル」序曲 (2006.8.15)
永く愛されるロボット (2006.10.11)
引き算の部屋 (2008.10.19)
人工物の飽和とロボットテクノロジー (2009.4.18)

2009年05月05日

それぞれのグラン・トリノ

映画「グラン・トリノ」の主人公、ウォルトが大切にしているのは72年製のフォード・グラン・トリノ・クーペ。
頑固者のウォルトは35年以上、その愛車一途に暮らしてきました。

オペル・ティグラ・クーペに乗って、13年になります。

日本人デザインによるスタイリングは今も古さを感じさせませんが、
ペダル位置は極端に内側で、乗り心地は硬く、シートベルトの引き出しにはコツが必要で、2+2の後席は160cm以下の子供しか乗れず、エアコンはパワー不足で、夏場は地獄 ・・・・
と、欠点だらけのティグラ。
まぁ、欠点もよくいえば個性。長年乗れば、そんな個性に愛着も湧きます。

とはいえ、保険代、駐車場代、ガソリン代、車検代を含めると、ティグラの年間維持費は30万円以上。
しかも、日本の自動車税は何故か13年を越えると1割増し。
また、今年は環境対応車への買い換え・購入への補助制度が施行されることもあり、
何軒かの中古車仲介業者に下取り査定をしてもらいました。

その結果は、全社、査定額0円。 

長年、苦楽を共にした車が、0円。
どんなに愛情を持って乗っていようがいまいが、0円。
市場ではまったく価値なしと判断されたわけで、それは自分に価値がないと烙印を押されたような感じがして、暗雲とした気持ちになりました。

エンジンの調子もよく、特にこれといった故障もない愛車が、クズ鉄同然に廃車・解体されるかと思うとなんだかとても不憫になり、ずいぶん高くついたけど、結局車検に出しました。

機械である車に対し、まさか自分がこんな感情をもつとは思わなかっただけに、これが長年生活を共にしてきたロボットだとしたら、一体どんな心持ちになるのか。そんなことを思ったりしました。
(つづく)


幸せを実感できる存在 (2006.2.12)
ロボット 愛の死 (2006.2.14)

2008年12月27日

ロボティックライフスタイル2008

「カタチ」にとらわれないロボット技術は、今年も自動車、家電、ケータイ、デジタルカメラ、自転車などさまざまな分野で商品化され、またシステムの一部として実用化されました。

ロボカーサ・ドットコムでは、ロボットを一般的なロボットのイメージ(ロボット単体)にとらわれることなく、「人間の要求や環境に応じて動いたり、人間の行動を自動的に支援してくれる商品及び、ロボットテクノロジーを使ったサービスやシステム」としていますが、今年ロボカーサで取り上げた「ロボットと暮らす上質で新しい生活 = ロボティックライフスタイル」を実現する商品をあらためてご紹介します。

◎ロボティックライフスタイル・コミュニケーション 

@ロボティック・カーサ

・MEDIA PORT UP 300x  (ニコン)
・ホームネットワークビューワHNV-70 (三洋電機コンシューマエレクトロニクス)
・家中どこでもドアホンSWN350KL  (パナソニック)
・次世代ホームネットワーク SAN GENiS  (三洋ホームズ)
・らくらくホンV  (富士通)
・NSD (YKKAP)
・電動ハイブリッド自転車 エナクルSPAシリーズ (三洋電機)

Aロボティック・カー

・NR-HZ001シリーズ (三菱電機)
・Strada Fクラス  (松下電器産業)
・クラウンハイブリッド (トヨタ自動車)

ロボティックシステム・イノベーション

・ロボットスーツ「HAL(福祉用)」 (大和ハウス工業)


ロボティックライフスタイル・コミュニケーション (2007.12.22)
ロボティックシステム・イノベーション (2007.12.25)

2008年10月19日

引き算の部屋

トロイア遺跡の発掘で知られるハインリッヒ・シュリーマンは、その発掘に先立つ6年前に世界周遊の旅に出て、清国と幕末の日本を訪れています。※

旺盛な好奇心と客観的かつ偏見のないまなざしで見つめたその旅行記からは、幕末日本の生き生きとした雰囲気が伝わってきます。

その中で日本の家屋についての記述があります。
「日本に来て私は、ヨーロッパで必要不可欠だとみなされていたものの大部分は、もともとあったものではなく、文明が作り出したものであることに気がついた。
寝室を満たしている豪華な家具調度など、ちっとも必要ではないし、それらを便利だと思うのはただ慣れ親しんでいるからにすぎないこと、それぬきでもじゅうぶんやっていけるのだとわかったのである」

イス、テーブル、ソファ、家具、電化製品 ・・・
現代の家屋は暮らしの必需品と思われるモノで埋まっています。

この現代の暮らしを幕末の暮らしのように戻すことはほぼ不可能ですが、住宅をロボット化することで、幕末の暮らしのような「シンプルな生活スタイルへの転換」は可能な気がします。

イメージとしては、
必要と思ったときに必要なモノが出、また収納される部屋。

足し算ではなく、引き算の部屋。

住宅のロボット化により、「省エネかつシンプルで快適な暮らし」への転換が可能となるなら、
DINKSや子育てを終えた夫婦など都市型の生活スタイルを希望する人たちに受け入れられる余地は充分あるように思いますが、どんなものでしょう。

※「シュリーマン旅行記 清国・日本」(講談社学術文庫)

2008年01月05日

働く、ASIMO

先日の箱根駅伝のCMにASIMOのダイナー編が放映されていました。

カジュアルなレストランでASIMOがコーヒーを運んだり、片付けたりして、その様子をお客さんが暖かく見守り、子供たちがASIMOの後を嬉々として付いていきます。
そしてバックステージで自ら充電するASIMOの姿が描かれます。

わかず15秒の画面からは、ほのぼのとした暖かなぬくもりが漂い、まもなくこんなシーンが訪れるんだという期待感で、
懸命にひた走る箱根駅伝の選手たちの姿と、まだぎこちないけど真剣なASIMOの仕事ぶりがオーバーラップして、応援したくなった方も多かったのではないでしょうか。

これまでのASIMOは、ケーブルカーに乗り遅れてしまったり、子供たちと無邪気に走り回ったりしていましたが、今回はちゃんと「仕事」をしています。

実社会で人と共存し、役立つロボットの実現。
そのためにはロボットの知能化、複数台による協調、自律移動など連続してサービスができることが必要です。

今回のダイナー編では、実用化のための技術をレストランでの接客サービスという非常にわかりやすいカタチで表現しており、
これからのヒトと機械との関係も暖かなまなざしで描かれています。

軽快なGREEN GREENの曲に乗って、成長していくASIMOとこれからのライフスタイルのあり方を描く大変秀逸な作品だと思います。

参考
ロボットイベントに想う (2006.12.4)
ホンダもソニーもなく (2006.12.15)
情熱と近未来へのストーリー (2007.10.31)

2007年12月25日

ロボティックシステム・イノベーション

(つづき)

実用化され、販売された業務でロボットについて取り上げています。

◎ロボティックシステム・イノベーション部門

・セグウェイPT i2 (日本SGI)
・RFS-1 (富士重工業)
・エレベータ地震時管制運転システム (三菱電機)
・みまもりくんオンラインサービス (いすゞ自動車)
・FieldAnalyst (NECソフト)
・OKAO Vision (オムロン)
・ギガ先進テクノロジー (いすゞ自動車)
・ロボキャッチャー (メカトラックス)
・カードDEチャレンジ simROBOT (イクシスリサーチ)

エコとユニバーサルの先にあるロボティックライフスタイルが日常生活の大きな流れになっていくには、まだしばらく時間がかかると思いますが、
工場内からはじまり、社会環境や交通インフラとも関わりの深い業務用ロボティックシステムは、これからさまざまな分野に取り入れ、発展していくものと思われます。

参考 :
エコとユニバーサルデザインの先へ (2006.5.11)
ワールドカップ5大会分のストーリー (2006.5.15)
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