2007年12月22日

ロボティックライフスタイル・コミュニケーション

(つづき)
ロボカーサ・ドットコムでは、ロボットを以下の3つのカテゴリーに分けて情報発信しています。
(実証実験段階で商品化、実用化されていないロボットは除く)

ロボティックライフスタイル・コミュニケーション
 上質で創造性豊かな暮らしを楽しむ一般ユーザ向け商品 (BtoC)

ロボティックシステム・イノベーション
 ビジネスや社会に変革を起こす業務用システム (BtoB)

ロボティックミッション・フロンティア
 大学、公的機関などにより実用化されたロボット独自の領域(BtoG)

それぞれのカテゴリーで今年取り上げた商品、製品をあらためて振り返ると、
人々のライフスタイルの多様化や希薄なコミュニケーションへの対応、またヒューマンエラーや高齢化に伴うちょっとした動作の支援など、生活や社会でのロボット化が少しずつ、しかし、確実に進んでいることが実感できます。

◎ロボティックライフスタイル・コミュニケーション部門

@ロボティック・カーサ

・ねむり博士 (ロフテー)
・大容量冷蔵庫R-W5700 (日立アプライアンス)
・miuro (ZMP)
・ロアンジュ オートスウィング RU-700 (コンビ)
・CV-PX40 (象印)
・サティス (INAX)
・リビングライコン (松下電工)
・ムービングドラム (三菱電機)
・いびき軽減枕 V-1 (フランスベッド)
・サイバーショット DSC-T200 (ソニー)
・Rolly (ソニー)
・ユパティオ Riz (NORITZ)
・ロボットサイクロン CV-RS1 (日立アプライアンス)
・ジョーバ EU7800 (松下電器産業)
・i-SOBOT (タカラトミー)
・PLEO (ビジネスデザイン研究所)
・sogno (ファミリー)

Aロボティック・カー

・nav-u (ソニー)
・G-BOOK mx (トヨタ自動車)
・ツアートレーサー (NTTデータ)

(つづく)

参考 :
ちょっとだけ気になる商品(3) (2007.2.28)
ちょっとだけ気になる商品(4) (2007.6.25)
ちょっとだけ気になる商品(5) (2007.12.11)
ちょっとだけ気になる商品(6) (2007.12.13)

2007年11月14日

KYRなロボット

(つづき)
ロボットが社会の一員として日常的に受け入れられていくにはロボットはどうあるべきか。

石黒氏はコミュニケーションロボット「Robovie」を使って、小学校、科学館、駅、研究所内などの実社会で実証実験を行いました。

小学校では、ICタグをつけた子供とロボビーが関わることで、誰がクラスの中心人物になっていて、誰がクラスで孤立しているかを把握すること※で、人間の社会関係を基にロボットが複数の人間と関わることのできる可能性を、
科学館では、複数の半自律のロボットをひとりの人間が遠隔で操作するプログラミングセンター実現の可能性を、
また、駅内では、2台のロボットが対話することで、1台のロボットより正確に情報を伝えるパッシブ(受動的)ソーシャルな関係の可能性を、取り上げています。

これらの実験結果のひとつの答えとして、役割をもったロボットの重要性を挙げています。

「ロボットが役割を持って、いったん社会の一員であると認められると、そこからロボットの可能性は飛躍的に広がっていく。
人間のさまざまな社会的役割を担うことができるようになるのである」

その一例として、なにか仕事をしながらも、ときおりうわさ話や雑談をするロボットを提案しています。

たわいのない雑談が人間関係を円滑にし、社会に安心感をもたらすことで、自然とセキュリティが保たれるのではないか。

そして、ロボットが人と協調し、他人の仕事を阻害しないためにも、周りの状況を見ながら人間の行動を優先させる「遠慮できるロボット」の必要性を述べています。

KYR = Kuuki YomeRu

※ソシオグラム=人間関係がどのようになりたっているかをグラフ化したもの

参考 : アンドロイドサイエンス (石黒浩著 / 毎日コミュニケーションズ)
上方の男 江戸の女 (2006.1.4)

2007年11月12日

アンドロイドサイエンス

ロボット研究者は日本に約3000人。全世界では1万人位はいるのでしょうか。
それぞれの研究者が、それぞれの考え、立場でロボットの研究をしています。
当然、ロボットについてはいろいろな意見、考えがあります。

ジェミノイドの開発で有名な大阪大学大学院の石黒浩教授。
その石黒氏の著書「アンドロイドサイエンス」(毎日コミュニケーションズ刊)には、絵画への興味から画像認識の研究世界に入り、やがて人と関わるロボットの開発を経て、人間らしさの研究、人間の存在としてのロボット(ジェミノイド)に至る経緯が、率直な言葉で語られています。

ロボット研究者としての石黒氏の興味は、ロボットを通して人間を知ること。

人間とはなにか、人間らしさとはなにか。
それは、自己とは何か、心と体は分離できるかなど、哲学の世界に通じていきます。

著書の中で、太文字で簡潔に語られる言葉があります。
研究、実証を経験した上での言葉だけに、それは箴言のようでもあります。

・ロボットは人間を映し出す鏡である。
・人間は人間が何かであるかを知るために生きている。
・人の興味は物事の起源か人そのもののどちらかである。
・人間は対話相手を常に擬人化する。
・人間型ロボットは機械として認識されるがゆえに、他人より話やすい対話相手になる。
・・・

そして、SFの世界で描かれた出来事についても、明快です。

・人間は創造したものをいつかは必ず具現化する。

(つづく)

参考 : ジェミノイドを一番必要としている人に (07.9.24)

2007年09月10日

世話する喜び 生涯費用ではロボットがお得です

この夏、妹の家族が知人から子犬をもらって飼い始めました。

生後1ヶ月の西洋小型犬でまだトイレのしつけもままならず、手を焼いていますが、久しぶりに「世話する喜び」を楽しんでいるようです。

以前17年付き合った愛犬がいて、人間と同じような老後を過ごしました。歯がほとんどなくなり、白内障を患い、腸を何度も手術し、最後には徘徊、便の垂れ流しと認知症となりました。

東京都の調査(2000年)によると、えさ、治療、予防注射代など飼い犬にかかる年間費用は12万5500円で、生涯費用(15年)は188万2500円とのこと。
飼い主により違いがあると思いますが、ペットがますます家族の大事な一員になっている現在、生涯費用は上記金額の数倍はかかるでしょう。
お金も世話も、かかります。

しかし、仮に将来、自立型コミュニケーションロボットが登場し、ペットとの競合が起こり、「生涯費用ではロボットがお得です」とTVCMで声高に連呼されたとしても、
やっぱり「世話する喜び」のあるペットには敵わない気がします。

とはいえ、メンタルコミットロボット「PARO」の愛らしくやわらかい体に触れたり、「たまごっち」の根強い人気を考えると、「ゼッタイ」ないとはいいきれないけれど・・・

2007年03月07日

Ladies そしてまたLadies

<つづき>
先週、NHKBSでも中継された「第4回東京ガールズコレクション」。
派手にやっていましたね。

通称“TGC”と呼ばれるこのイベントには、押切もえ、土屋アンナ、蛯原友里、山田優などの人気カリスマモデルが一堂に会するとあって、1万人を越えるオシャレ好きな女性たちが集まりました。
会場には協賛企業による無料プリクラ、総額10億円相当の鏡、ハンドリフレクソロジーの無料体験などのブースも多数出展。

「イノベーション25 中間取りまとめ」の中で、「イノベーションで拓く2025年の日本」を実現するために必要な技術60例が載っています。

そのうちロボティックライフスタイル関連の技術と思われるのは、「生活支援型ロボット」をはじめ、
在宅医療、介護、防犯、画像・音声認識、歩行・移動支援など、16。

その大半が子供、老人、障害者を対象にした技術となっています。
人を支援し、人に役立つロボットが求められている以上、当然な結果なのですが、
でもロボットによるイノベーションの普及を本気で目指すなら、TGCに集まるような若い女性たちや今日創刊された雑誌(「マリソル」、「グレース」)のターゲット層である購買力ある新40代女性を納得させるだけのロボットが登場することが、やはり必要でしょう。

時代のムードは、女性の手の内にあるのですから。

参考コラム
グラマラス × ロボット (2.7)
チェスと皇帝と箱根駅伝 (1.3)
指数関数的に加速した先 (1.2)
女ごころと未来のロボット (06.9.25)
ギャル・ロボ (06.8.19)
残された10年 (06.6.12)
未来は、今 (06.3.18)
女性が輝くロボット (06.3.15)


2007年02月07日

グラマラス × ロボット

今日発売のファッション誌「GLAMOROUS(グラマラス)」3月号の巻頭で、ロボットが登場します。

モデルの岩堀せりが未来の日常生活を演じていて、タイトルは「せり in Future Wife」。
登場するロボットは、スマートパル、wakamaru、MI・RAI-RT。
撮影は1月中旬、渋谷の高級マンションと青山のキッチンショールームで行われました。

「VOGUE」などでも活躍しているカメラマンが撮影しているだけに、とてもキレイな仕上がりです。

できればもっと生活環境全体のロボット化、「ロボティック・ライフスタイル」が表現できればよかったと思いますが、
「GLAMOROUS」の読者層がどんな反応をするか、楽しみです。

2007年01月11日

ロボティック・ライフスタイル2006 大賞

ロボットと暮らす上質で新しい生活 = ロボティック・ライフスタイルを実現するためのWebサイト「ロボカーサ・ドットコム」で2006年に紹介された6カテゴリー17アイテムの中から、「ロボティック・ライフスタイル2006 大賞及び入賞」商品を発表します。

<選考概要>

ロボティック・ライフスタイルにおける「ロボット」とは、既成のイメージにとらわれることなく、人間の要求に応じて作動、又は人間の行動を自動的に支援する商品のことをさします。

住宅や車をはじめ、今後あらゆる生活空間がロボット化に向かい、またネットワークでつながっていくことを踏まえて、
ロボット個々の特性に留まるのではなく、ロボットとの暮らしを通して、どんな新しい生活が始まるのか、
ユーザーがより豊かで幸せになれる商品(基本的にB to C)を選びました。

<選考基準>

・ユーザー満足度
・上質なつくり、質感
・創造性
・新しいライフスタイルへの貢献度
・生活役立ち度
・すぐれたデザイン
・使いやすさ
・市場インパクト
・サポート体制の充実
・適正価格

上記10項目をポイント化し、総合得点の高い上位7アイテムを選出。

<大賞> 

LS460 (レクサス) (ロボティック・カー内に解説)

上質なつくりであることはもちろん、先進技術の塊でありながら、それが決して目立つことなく日本人らしい「おもてなしの心」という感性を通してクルマとの豊かな「時間」の共有を目指した2006年のロボティック・ライフスタイルを代表するにふさわしい商品。
高価なだけに誰もが買えるというクルマではないが、LS460で使用された先進技術は今後多くのクルマに搭載されていくだろう。

<入賞>

エアコンサイクルドラム (東芝) (ロボティック・カーサ内に解説)

「洗濯・乾燥作業をしない時には、除湿・冷房」という新しい付加価値(クール・プラス)をつけたドラム式洗濯乾燥機。
アメニティルーム(洗面所、脱衣所)で化粧や髪の手入れをする女性の関心をひき、ヒットした。

MI・RAI-RT (スピーシーズ) (ロボット・ソフトウェア内に解説)

ロボット機器の性能の良し悪しではなく、コンテンツとその動きの面白さを楽しむという新しいコンセプトのロボット。
なにより、「楽しい」ことを目指す姿勢が、潔いと思う。

カーウイングス (日産自動車) (ロボティック・カー内に解説)

クルマを介して得られるあらゆる情報を全部取り組むという強い意気込みを感じる商品。車内だけでなく、PCのある自宅や携帯電話を持つ街中をも繋ぐ、「完全シームレスレスな情報の共有」を目指している。ユビキタス社会のわかりやすいカタチだと思う。  

iSeePet360 (AOSテクノロジーズ) (ロボティック・カーサ内に解説)

NTTドコモの「AVユニット」を組み込んだこのiSeePet360は、携帯電話を通じてペットの様子を見たり、話しかけたりすることに加え、遠隔から「餌」を与えることができるなど「留守のとき実際に役立つ」商品。
オーナーとペットとの一層のコミュニケーションが計られるだろう。

快眠プログラムマット (松下電器産業) (ロボティック・カーサ内に解説)

プログラムに合わせてエアーバックが膨張と収縮を繰り返し、寝付きから目覚めまで、快適な眠りをサポートするというもの。
どんなベッドにも搭載可能で、照明や音響を合わせることで睡眠環境の質をより良くするトータルな「快眠システム」も用意されている。

FINE PIX25fd (富士フイルム) (ロボティック・カー内に解説)

ロボットで使われる画像認識技術を誰にでもわかりやすいカタチで示した商品。
特に、蛯ちゃんのようにキレイに写りたいと思う若い女性たちが即反応する「顔キレイ ナビ」というネーミングは、秀逸だと思う。

<総評>

●ロボティック・カー
LS460やトヨタ・エスティマに代表される、クルマの新しい先進技術=インテリジェンスがさまざまなクルマに搭載された。
先進技術は安全面を中心にカーナビにも及び、日産・カーウイングスのように情報をシームレスに繋ぐ商品も登場。
クルマのインテリジェンス化は環境技術と共に今後ますます加速していくだろう。

●ロボティック・カーサ
情報家電は東芝・エアコンサイクルドラムに代表される高付加価値商品へのユーザーニーズが一層強まると共に、三菱電機の霧ヶ峰やAOSテクノロジーズ・iSeePet360のような携帯電話を使って遠隔から操作できる機種が数多く登場した。
そして富士フイルム・FINEPIXや日立ビルシステム・ヘリオスウォッチャーのように画像認識や音声認識など本来ロボットの技術として発展したものを取り入れた大小さまざまな商品が登場した。

●ロボット・ハードウェア/ソフトウェア
いわゆるロボットは自動走行による清掃、警備などの業務用ロボットが脚光をあびた反面、一般向けロボットはエンターテイメント商品が中心であり、スピーシーズのMI・RAI-RTなど一部を除き、残念ながらロボカーサ・ドットコムで取り上げた商品は少なかった。

ロボットは今後もBtoBを中心に新製品が登場する傾向にある。
ちなみに、BtoBが中心なためロボカーサ・ドットコムでは取り上げていないが、日本SGIの「RoomRender(ルームレンダー)」は、人間の音声や感情に合わせて快適空間を実現するという空間ロボット。今後注目したい商品だ。

参考コラム : ロボティック・ライフスタイル2005 大賞

2006年08月15日

「ロボティック・ライフスタイル」序曲

<つづき>
RT(Robot Technology)とは「ロボット技術を活用した、実世界に働きかける機能をもつ知能化システム」のこと、つまりロボットを「形ではなく、機能」として捉えています。

成果報告書では、RTの応用分野として自動車と情報家電を取り上げています。

自動車は通信、システム統合、自動制御などRTとの関連性が強く、将来の自動運転に向けて、今後もロボット化を進めていくと思いますが、
RTをそのまま応用できることは実際少ないようで、成果報告書でも
「自動車に使われる電装品の一定割合がRT応用の対象になる」といった概念的な説明で終わっています。

きっと自動車の専門家からいろいろ意見があったのでしょう。

「RTを他分野に適用する場合、既存の置き換えでなく、新規の応用、新規なニーズを実現するためのブレークスルーとしてRTを利用されるような課題を探す努力が必要」と述べています。

情報家電(TV、DVD、パソコンなど)については、
白物家電(冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)、住宅設備(システムキッチン、トイレ、照明など)、防犯システム(監視カメラ、バイオメトリック認証など)と連携したRTの活用を謳っています。

それは情報だけでなく、物理的な生活の支援

例えば、
RTによる介助、介護、見守り。
RFIDを利用した「収納ロボットシステム」(日用品を棚からとってきてくれる。しまってくれる)。

RT技術を用いて、便利でより快適な人にやさしい住まいの実現をめざしています。

ちなみに平均的な住宅における電機・機器設備の住宅費に占める割合は8%、セキュリティシステム、最新家電を導入した場合の割合は20%前後になるそうで、
報告書では、約120万戸の新築住宅の2割がRT化された電機・機器設備を導入した場合の「」を描いています。

安全規格やサービスの標準化などRTを他分野に応用していく上で今後クリアしなければならない課題は、多いです。

でもロボットは、単体としての活用ではなく、やはり車や家を含めた社会システム全体の中で考えていくべきでしよう。

ロボットとの暮らしを通して上質で創造性豊かな生活を楽しむ、「ロボティック・ライフスタイル」。
その序曲は、まだ始まったばかりです。
<つづく>

2006年05月11日

エコとユニバーサルデザインの先へ

先日、「イーユーハウス」(ECO&UD)を見てきました。
今年の1月にオープンしているのですでにご覧になった方も多いかと思います。

玄関、リビング、寝室、バス・サニタリーなどそれぞれ良く出来ていますが、「環境とユニバーサルデザイン」をテーマにしているだけに、家全体が住む人と環境にとって快適で、使いやすいように設計されています。
(もちろんモデルハウスなので、生活感はなし)

特に、「キッチンナビ」を搭載したキッチンスペースは、セキュリティ、ネットワーク、エネルギーマネジメントなど情報の管理センターとして位置づけられており、とても印象的でした。

環境とユニバーサルデザインの先には、間違いなくロボットと暮らす生活があります。
それは、中央大学の木下氏が述べているように、「健常者、体の不自由な人、ロボット」が共存する空間です。

とはいえ、モデルハウス並の大きな家やはじめからロボットとの共生を意識した作りでないかぎり、WAKAMARUのようなホームロボットといきなり暮らすのはかなりハードルが高いことに思われます。

既存の住宅を考えた場合、個々の部屋のロボット化と家全体をコントロールするスペース(キッチン又はリビング)のロボット化が、次のステップになるのではないでしょうか。

きっとその頃には、部屋を動き回って掃除するロボットや洗濯物をきちんとたたんでくれる洗濯ロボット、食事後の食器の片付けをしてくれるテーブルウェアロボットなど、家電を進化させた役立つロボットたちが活躍していることでしょう。

2006年04月17日

忘れてしまってよいロボット

ここひと月ほど、メーカーや官公庁など多くのロボット担当者に取材する機会がありました。
皆さんまだまだ苦労はあるものの、少しずつ手ごたえを感じている様子でした。

MITの人口知能研究所所長で、iRobot社の創立者であるロドニー・ブルックスは自著「ブルックスの知能ロボット論」で、
今後数年で家庭に入ってくるロボットとして、
スイッチを押せば、あとは忘れてしまってよいロボット
を挙げています。

具体的には、
自動掃除ロボットの変種のような小指ほどの自動埃取りロボットや小型アームで食器を出し入れするキッチン掃除ロボット、また絶えず顔を完全な角度から映してくれる鏡ロボット、などです。

もうひとつは、遠隔存在ロボット

それは現在市販されているロボリア(テムザック社)のように、遠隔操作による見守りや防犯ができることにプラスして、
取っ手付きドア(玄関や冷蔵庫など)の開け閉めができるような、
物理的な作業ができるロボット」のこと。

外からロボットを操作し、自分に代わってロボットに作業させることは、現在の研究室レベルの技術で十分可能ということです。

取材先でも、
留守の時に役立ち、居るときには癒される、又は話し相手になる
ことを、今後の有力なロボットとする研究者が多くいました。

ロボットと暮らす新しい生活は、もうそこまで来ています。


2006年03月10日

男が似合う職業

仕事柄、最近お会いする方はロボット関係者がほとんどです。

そして思うのは、ロボットが機械として、また情報処理システムとして出来ているため、やはり元来のメカ好き、パソコン好きの方が多いということ。
なので、広報担当など一部を除いて、関係者はほとんど男性。
あらゆる職場に女性が進出していることを考えると、ロボット業は「男の最後の聖域」かもしれません。

昨年後半あたりからロボットの実証実験が全国で数多く行われるようになりました。
実証結果を踏まえて、実用化を目指すわけですが、実際商品化されるまでには、早くて2年、通常3〜5年位の期間が必要です。

それでも本当に役立つロボットが実現するのは、2020年前後といわれています。

多くのロボット関係者が「今」ではなく、これから「先」のことを思い描いています。
なぜなら「今」は実現できないけど、ロボットテクノロジーやロボットを取り巻く環境の向上により「将来」は実現できるだろうと想うからです。

ロボットとの暮らしを考える上で大切なことは、今の生活に不足していることを補うことではなく、将来のロボットと暮らす豊かな未来イメージを想い描くこと。

それは「未来の生活」から想像することなしには不可能です。
女性の方には怒られてしまうかもしれませんが、この「想像力」こそが、男に残された「最後の聖域」であると思います。

それが、ロボット関係者に男が多い本当の理由、かもしれません。
<つづく>

参考 : 「よくわかる、未来生活」での石黒周氏の講演より(下線箇所)

2006年02月14日

ロボット 愛の死

将来、パートナーロボットは、オーナーと共に成長し、オーナーの人生を記録できるようになるかもしれません。そしてオーナーが死んだ時、ロボットは故人の記憶再生装置となります。

生物とは、極論すれば「死に向かって生きる物」。
つまり、死があるから「生きている」とも言えます。

死ぬことのないロボットはどんなに人間に近づこうと、やはり機械や道具にすぎません。

しかし、オーナーの人生を記録し続けてきたロボットは、残された遺族にとってかけがえのない存在です。
何故なら、ロボットの記録を通して故人の生涯を顧みることができるからです。
悲しみにくれる遺族にとって、故人の思い出に浸れることはなにより大切です。

でも人間はいつまでも嘆き悲しみ続けることは、できません。
「忘却」という心の浄化があります。

遺族の心が癒された頃、ロボットとの思い出はかえって心の重荷になる可能性があります。
「いつまでもくよくよしていても仕方ない」という前向きな気持ちを阻害することにもなりかねません。
故人のデータを他に移した後は、ロボットもその生涯が終わるようプログラミングしたらどうかと思っています。

ロボティック・ライフスタイルとは、「ロボットを通して、人間の死を見つめ、毎日をより良く生きるための生活スタイル」とも言えます。

2006年02月12日

幸せを実感できる存在

いまやインターネットもすっかり日常生活に入り込み、仕事もプライベートも「便利」で「効率良く」過ごせるようになってきました。
でもITを使うことによって生活が本当に豊かになっているという「実感」はなく、「幸福感」も希薄です。

何故なのでしょう。

その原因の一端にITやシステムを生業としている人たちの根本的な思想が影響しているのではと思っています。
ITやシステム関係者と仕事をしていてすごく違和感を感じるのは、彼らの時に高慢とも思える考え方です。
ITやネットのことを相手が知っていて当たり前、知らないほうが悪いと言わんばかりの態度。
それは、例えばテレビが故障をした時に、テレビが壊れたのは使い方のわからないあなたが悪いと言っているような「相手への思いやりの欠如」です。

今後「動くインターネット」と呼ばれるような「ロボット」も登場するでしょうし、ITやネットなしのロボットなど考えられないかもしれません。

でもロボットは、やはり使う人に優しい、使う人の立場にたった道具であってほしい。
使うことで「幸せを実感できる存在」であってほしいと思います。

そんな幸せを実感できる生活を「ロボティック・ライフスタイル」と呼びたいと思います。

幸い、僕の知る限り、ロボット関係者に高慢な人はいません。
今は皆、肩身の狭い、辛い立場でがんばっているからでしょうか。
だからこそ、人の痛みがわかるのかもしれませんね。


参考 : 確定申告ユーザーインターフェースの項

2006年01月28日

ロボティック・ライフスタイル2005 大賞

ロボットと暮らす上質で新しい暮らし = ロボティック・ライフスタイルを実現するためのWebサイト「ロボカーサ・ドットコム」で2005年に紹介された6カテゴリー25アイテムの中から、「ロボティック・ライフスタイル2005 大賞 及び 入賞商品」を発表します。

<選考概要>

ロボティック・ライフスタイルにおける「ロボット」とは、既成のイメージにとらわれることなく、人間の要求に応じて作動、又は人間の行動を自動的に支援する商品のことをさします。

住宅や車をはじめ、今後あらゆる生活空間がロボット化に向かい、またネットワークでつながっていくことを踏まえて、
ロボット個々の紹介に留まるのではなく、ロボットとの暮らしを通して、どんな新しい生活が始まるのか、
ユーザーがより豊かで幸せになれる商品を選びました。

<選考基準>

・ユーザー満足度
・上質なつくり、質感
・創造性
・新しいライフスタイルへの貢献度
・生活役立ち度
・すぐれたデザイン
・使いやすさ
・市場インパクト
・サポート体制の充実
・適正価格

上記10項目をポイント化し、総合得点の高い上位7アイテムを選出。

<大賞> 

モミモミ リアルプロX (松下電器産業)

これまでのマッサージ機の印象をまったく変えた商品。
生活に役に立つ機能、上質な質感、納得のいく市場価格など、ユーザー満足度が高い。


<入賞>

レジェンド・インテリジェント・ナイトビジョンシステム (本田技研工業)

夜間の走行時に見えにくい歩行者を映像表示と声により注意喚起してくれる、安全運転支援次世代技術。

ロケーションフリーテレビ LF-X1 (ソニー)

家の中でしか見ることのできなかったコンテンツを時間や場所にとらわれることなく、いつでもどこでもライフスタイルに合わせて見ることを可能に。

ルンバ・ディスカバリー (アイロボット社)

生活に役立つロボットとして自動掃除機への注目は高い。02年の発売以来全世界で120万台以上の販売実積があり、市場に受け入れられたはじめてのロボット。

サイバーナビ (パイオニア)

カーナビに付いているリビングキットを取り出し、自宅のブロードバンドに接続すれば、ネット上の様々な情報を基に自宅でゆっくりドライブ計画をたてることができる。
家と車のネットワーク化を先取りした商品。

AIBO ERS-7M3 (ソニー)

期間限定販売の「ハニーブラウン」は色合いも美しく、質感もよい。インターネットを介したインターフェースとしての役割を強めているのが特徴。
ソニーは今後AIBOの新製品発売の中止を発表したが、現在もエンターテインメント・ロボットの代表作であることに変わりはない。

ルームエアコンCS-X286 (松下電器産業)

フィルター掃除の自動化はやはり大きな魅力。ナショナルはここ数年家電の高付加価値化に取り組み、次々とヒット製品を生み出している。
また、「イーユーハウス」のオープンなども評価したい。

2005年12月27日

クリスマスの後で

今年のクリスマスは週末でしたので、22日の夜から25日までクリスマスモードに浸った方も多かったことと思います。
幼い頃は24日の夜にチキンとケーキを食べて、25日の朝、枕元に置かれたプレゼントを楽しみにしていたものですが、平成になり23日が休日になったことから、クリスマスが年々前倒し気味になってきて、今年などは25日の夜にラジオからクリスマスソングが流れてくると、ちょっとうんざりしました。

今年も世界中で多くのプレゼントが贈られたことと思います。
僕も娘にi-dogをプレゼントしました。

アシモフの「バイセンテニアル・マン」(映画「アンドリューNDR114」の原作)のように、近い将来、ロボットを子供たちにプレゼントする親の姿があちこちで見られることでしょう。

名前を与えられたそのロボットは家族一人一人の好みや性格を学習し、子供たちの遊び相手になったり、家事を手伝ったりして、家族に溶け込み、やがて家族の一員としてなくてはならない存在になるでしょう。
そんなロボットに家族みんなが愛情を注ぐようになります。

そのロボットが故障したり、壊れたりしたら、家族は自分のことのように悲しみ、きっと元のように元気に動いてくれるよう、修理するでしょう。
愛着が深い分、もう使い物にならないからとか古くなったからという理由だけで、すぐに捨てたり、新品を買うというふうにはならないと思います。

子供たちの成長に合わせてロボットの知能をバージョンアップしたり、好みに応じてカスタマイズしたりして、世界にひとつのその家族だけの特別なロボットとして共に暮らしていくことでしょう。何世代にも渡って家族を見届けるロボットも現れるかもしません。

「ロボティック・ライフスタイル」とは、「モノ」を大切にし、愛情を注ぐ「文化」を育む生活スタイルともいえます。



2005年12月14日

ロマンティック、エロティック、ロボティック

このブログのタイトル、「ロボティック・ライフスタイル」のロボティックっていったい何?と思われた方も多いと思います。

ご存知のようにrobotという言葉はチェコの作家カレル・チャぺックによって1920年に作られた造語で世界のどの言語でもだいたいロボットなので、直訳すれば「ロボット的な」、強いて日本語に翻訳すると「自動知能機械的な」ということになるのでしょうが、それではあまりにも味気ないので、ここでは「ロボットのいる上質な」という意味で使っています。

ロマンティックやエロティックという言葉が、淡い想いや色気をイメージさせるように、ロボティックという言葉の響きから、ロボットと暮らす新しい生活への夢やあこがれを想い描いて頂ければ幸いです。

ロマンティックな夜空、エロティックな眼差し、ロボティックな生活・・・

2005年12月08日

ロボティック・ライフスタイル宣言

ロボティック・ライフスタイル。
それは、ロボットとの暮らしを通して上質で創造性豊かな生活を楽しむこと。

ここでいう「ロボット」とは、一般的なロボットのイメージにとらわれることなく、センサーやネットワークによって、人間の要求に応じて動いたり、人間の行動を自動的に支援する商品のこと。

これから、ロボットと暮らす上質で新しい生活を紹介していきます。

詳しいことは、http://www.robocasa.com をご覧ください。