2015年02月27日

10年前に引き戻される感覚。先達はあらまほしきことなれ。


最近、研究者や企業人も含め、10年以上ロボットに関わってきた人たちと話をすると、ロボットについて(特にビジネスにおいて)ほとんど同じような考えを持っていると感じる。

この10年、ロボットに関わってきた人たちは、大なり小なり、多くの失敗をしながらも、様々な方法や知恵でなんとか生き抜いてきた。

昨年あたりから、ロボットへの関心や期待が再び高まり、国も2020年までに1000億円の予算を投入してロボットの開発普及を推し進めようとしている。

AIやIoTなども含め、ロボット分野に参入する新しいプレイヤーは今後ますます増え、地方創生の掛け声の下、ロボットや自動運転車、無人機などの実証実験も多くの地域で実施されていく。

しかし、新しいプレイヤーの多くは、とりあえずネットでロボットの情報を片っ端から集め、関係のありそうなセミナーで名刺交換に励み、なんとなくわかったつもりで見切り発車する。

その姿を見ると、10年前に引き戻される感覚になる。
そのままでは再び失敗することが目に見える。

痛い目に合わないとわからない、という意見もあるが、ロボット分野に興味とやる気をもって挑戦する新人プレイヤーには、やみくもに突っ走る前に、まずは先輩プレイヤーの貴重な経験に素直な気持ちで耳を傾けてもらいたいと思う。

今年度、最後となる「日本ロボットビジネス体系講座2014-2015」を、3月7日(土)に開催します。

受講者の中には、既にロボットを事業化、または事業化準備中と、ロボットを具体的なビジネスとして進めている人も出始めている。

ロボットの国内外の現状や将来の動向をしっかりと学び、知識と情報を共有することは、
本気でロボットビジネスを目指す人にとって、きっと次のステップに繋がる礎になることだろう。

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2014年09月14日

NEDOロボット白書2014を読んでみて

7月に発刊された「NEDOロボット白書2014」。

700ページを超える大著で、読破するにはそれなりの時間を要するため、全編をどのくらいの人たちが読んだかはわからないが、まずは読んでみての感想を述べたいと思う。

様々な立場の専門家が執筆したこともあり、ロボットの定義や歴史から、技術要素、事例、取り巻く環境、社会実装するためのプロセス、今後の課題など、それらをまとめるだけで精一杯だったというのが全体を通じての印象である。
(僕も4章17「神奈川県のロボット実証実験」を書いている)

(1)研究開発とビジネス

ロボット(ロボット関連技術含む)の活用分野は非常に幅広い。
宇宙から海洋、介護から農業、災害支援から武器まで、ロボットの現状を語る(軍事を除く)必要から、それらをいっしょくたにするのは(わからなくはないが)、やはり無理がある。
また、編集者、執筆者の大半が大学や研究機関、行政などの方々なので、どうしても国主導のロボット政策や産業支援、教育論、来たる将来はこうあるべしといった総論中心の記述に陥りやすく、ロボットビジネスの現状認識も甘くなりがちである。

(2)産業用ロボット

ロボットが産業用ロボットからスタートし、歴史も実績もあることから、白書では産業用ロボットの記述も多い。それはそれで参考にはなるが、サービスロボットの記述が白書の基本だと思うので、産業用ロボットの項は今後導入普及が予想されるセル生産など、ヒトとの協調(協働)作業によりフォーカスすべきだろう。

(3)分野の偏り

これも編集者や執筆者の影響と思うが、相対的にフィールドロボット(原発、災害、建設など)やネットワークロボット、産業用ロボットなどへの言及が多く、特にフィールドロボット、産業用ロボットはかなり重複している部分が多い。

(4)海外事情

海外主要国の現状なども報告されているが、データや事例も参考になるものが少なく、もっと突っ込んだ記述が必要。特に米国のサービスロボットの状況についてはロボット関係者の関心・注目も高いと思うので、他の国以上に充実した内容にすべきだろう。

(5)バックキャスト

たぶん、この白書の編集者の一番のウリは、現在ある技術から将来を考える(フォアキャスト)のではなく、将来あるべき未来像からそれに必要な技術を描き(バックキャスト)、そのあるべき姿を現実にするために、ロボットをモノづくり主導ではなく、サービス主導で設計する、というところだと思う。
その考え方自体は良いと思うが、環境や社会の大きな変革や人々の心理や意識に影響を与える非常に幅広い事象をとり上げることにもなることから、どこまで深堀することができるか。
NEDOでは今後もこのロボット白書を改定していく意向のようなので、次回改定版に注目したいと思う。
(つづく)
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2011年04月23日

神奈川県で、3つ

(3/1からのつづき)
昨年度、僕も関わった神奈川県のロボット事業について。

ひとつは、
介護・医療分野ロボット普及推進事業」。

これはHAL、パロ、眠りSCANなど4機種を県内の7施設に無料で貸与し、使ってもらい、その評価を行う「介護ロボット試験導入」と、
県内830余りの介護保険3施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、有料老人ホームなど)へのアンケートと訪問ヒヤリングによる「介護施設からのニーズ調査」などからなり、ロボットを普及推進するための課題と今後取り組むべき方向性を明らかにしようとしたもの。

ロボット導入・利用について、施設側のニーズと具体的な意見をここまで明らかにした報告書は、これまで初めてだろう。

もうひとつは、
ロボット等新製品開拓事業」。

こちらは、国の雇用対策基金制度を活用して、3つのロボット等の開発を行ったもの。

高所作業用延伸アーム、上半身マネキンロボット、子供の成長記録(ライフログ)を自動記録する姿見などが開発された。

3月下旬にこれらの開発成果報告が予定されていたが、地震の影響で中止となり、4月25日のセミナーで一部展示される。

それと、やはり地震のため中止になってしまった、
「移動ロボットによる実証実験」(川崎地下街「アゼリア」)

これはイベント広場内に小型の模擬店舗と通路をつくり、その中で、ロボットによる誘導案内やゲーム形式のデモンストレーションを実施しようとしたもの。

使用するロボットは、NEDOの「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト」で開発された「全方向移動自律搬送ロボット」(MKR-003)。

こちらのほうは、今年度あらためて実施する方向で検討中。


ロボット導入の呼び水となり、さきがけとなるか (2010.916)
今年のロボット大賞候補になるより、2013年問題 (2011.3.1)
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2011年02月09日

安全に関わる原因追及を錦の御旗とした官民共闘による最先端技術の強奪

トヨタ自動車(以下トヨタ)の急加速の原因を調査していた米運輸省は、電子制御システムに欠陥はないとの結論を発表しました。

トヨタ車の大規模リコール、集団訴訟にまで発展したこの事件は、人為的なミス(ヒューマンエラー)による事故という結論になりそうですが、真相は当初から言われていたようにアメリカの官・民(自動車メーカー、一部のマスコミ、訴訟代理人など)挙げてのトヨタ叩きであると言えそうです。

その存在が不確かであったにもかかわらず、大量破壊兵器があるはずだと言いがかりをつけて、イラクに戦争を仕掛けた構図と相通じるものを感じます。

また、安全に関わる原因追及を錦の御旗としたアメリカ当局による「徹底的な調査」で、トヨタのハイブリット技術がアメリカにタダで流出した疑いがあります。

当然、トヨタも「ブラックボックス」データの提供には抵抗したと思いますが、日本政府による後ろ盾も期待できず、「錦の御旗」とアメリカ市場の重要性の前には、いかんとも為しようがなかったのではないでしょうか。

これが、例えばボーイング社の旅客機が墜落し、事故原因が電子制御システムの欠陥にありそうだとして日本政府が「ブラックボックス」データの提供をボーイング社に求めても、ボーイング社が先端技術データを提供するとは思えません。
きっと、アメリカ政府もなんやかやとしゃしゃり出てくるでしょう。

今回の事件を通して、トヨタは多くの経験と教訓を学んだので、同じような失敗は犯さないと思いますが、安全に関わる原因追及を錦の御旗とした官民共闘による最先端技術の強奪は、他の国でも起こりうる話です。

ITとは違い、モノづくりには時間がかかります。
一から作るのは、それは大変なだけに、既に「在るモノ」を盗むのが一番効率的で、手っ取り早い。

最先端技術の固まりであるロボット。
例え事故原因がヒューマンエラーであったとしても、「ロボットの落ち度で事故が発生した。事故原因を調べるから、先端技術の中身を見せろ!」と言いがかりをつけられ、「見せないなら徹底的に叩いてやる! 市場から消してやる!!」と、恫喝にも似た警告を受けたとき、ロボットメーカーは一体どのように対応すればいいのでしょう。そして技術を開示することで、それが軍事技術に転用される恐れがある時、日本政府は日本企業を断固守る覚悟があるのでしょうか。

トヨタの事件は、ロボットを含む日本の最先端技術の海外での取り扱いに多くの教訓を残しました。

現在、経済産業省は生活支援ロボットの安全性確保の基準づくりを進めており、日本がイニシアチブをとってのロボットの国際標準化を目指しています。
トヨタが今回の事件の経験と教訓をロボットの安全性確保の基準づくりに活かしてくれることを願っています。


禍転じて福と為せ (2010.3.7)
ロボット実用化の大黒柱につき、2008.12.22)
階層で防御する (2009.1.29)

一日3機のジャンボジェットが墜落 (2006.5.31)
「時間」を共有できるロボット (2006.10.3)
永く愛されるロボット (2006.10.11)
両輪で考える癖 (2007.4.2)
自動車業界頼み市場規模予測 (2007.9.5)
いいとこどりの国改め(2007.11.26)
本当に海を越えるのか、ロボットベンチャー (2008.5.2)
不当な「効用」表現がロボット普及の障害になり得る事例 (2008.6.12)
「モノづくりとしてのロボット」の片思い (2009.4.8)
孤軍奮闘ではなく、他国を圧倒する物量作戦にこそ (2009.11.27)
できるのに、できないジレンマ (2010.5.20)
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2010年11月22日

ロボットとは、ウォンツを満たす機械システム

(つづき)
先日行われた「次世代ロボットビジネスフォーラム」。

最後は、「医療福祉」「生活快適」「作業・労働支援」の3分野で2015年度に1,000億円の売り上げ(内「医療福祉」で300億円)を目指すことを発表しているパナソニック。

『過去には様々なロボットを開発してきた。利用者のニーズ調査も行い、ニーズに基づいたサービスロボットも開発してみたが、利用者のニーズイコール実用的な商品ではないことが解った。
そこで人々のライフスタイルの変化を商品に活かせるよう納得できるビジョンをトップと現場が共有することにした。

ロボットとは、「ウォンツを満たす機械システム」。

現在、システムソリューションをワンストップで提供する「病院丸ごとロボット化」を進めている。
特に、薬剤業務支援に向けたソリューション展開に注力している』

そして、過去に石油ファンヒーターの事故を起こしてしまった苦い経験から、
『「事故を起こさない」という強い執念で安全性の確保に取り組んでいる』

パナソニックは日本のサービスロボット分野の市場拡大にトヨタ自動車と共に大きな影響を与える存在。
既に薬剤の払出しをする「注射薬払出ロボットシステム」や、
払い出された錠剤の計数確認を自動で行う「錠剤鑑査支援ロボット」を実用化し、
自律的に薬剤搬送を行う「HOSPI(ホスピー)」と組み合わせて、薬剤業務支援ソリューションとして提案しています。


血液検体搬送ロボットシステム(2007.12.5)
サービスロボットの実用化とオズの魔法の言葉(2007.12.9)
ロボットの水平展開(2010.11.15)
制御ソフトの開発は、複数人で長編の推理小説を書くようなもの(2010.11.19)
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2010年11月19日

制御ソフトの開発は、複数人で長編の推理小説を書くようなもの

(つづき)
先日行われた「次世代ロボットビジネスフォーラム」。

富士重工業の清掃ロボットの担当者のお話には、ロボットビジネスに関わる際のヒントがたくさんあります。
印象に残った言葉を中心にご紹介します。

『ソフトウェアを単に作っただけでは不十分で、「統合化」としっかりした「管理体制」が必要だ。
制御ソフトの開発は、複数人で長編の推理小説を書くようなもの思考の視覚化と統制が欠かせない

機械は設計と製造が別だが、ソフトウェアは設計と製造を同じ人間が行うことが多く、極めて属人的な作業になる。そのため、統制の下に目を光らせ、見張る必要がある。

当社では文書も図面の内の一つとして、すべて見える形にしており、2人の管理者が最低3回はチェックし、ソフトウェアのバグが出ないようにしている。
当然、若手からの反発はあるが、「管理職は恨まれてナンボ」と割り切り、当たり前のことを当たり前に行う高度な平凡性」を大切にしている』

そして、ロボットビジネスを成功させるポイントとして、
ユーザ担当者を味方にしてユーザとの共同開発(※)に持ち込むこと。清掃ロボットの実用化でこれまでいろいろな「賞」をいただいているが、当社単独での受賞は一度もない』

富士重工業の清掃ロボットは、サービスロボット分野の数少ない成功例ですが、ここにくるまでに15年の月日を要しています。
(つづく)

※エレベータ連動ビル清掃ロボットシステム及びオフィスエリア清掃ロボットシステムは、住友商事との共同開発。連結式搬送ロボットシステムはツムラとの共同開発。サービスエリア清掃ロボットシステムは、NEXCO中日本との共同開発。


戦士の顔 (2007.12.3.)

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2010年11月15日

ロボットの水平展開

先日行われた「次世代ロボットビジネスフォーラム」。

現在販売されているパロや清掃ロボットの現状、また、パナソニックのロボット事業化などについて、担当者から発表がありました。
印象に残った言葉を中心にご紹介します。

はじめに、セラピー用ロボットのパロ。(←「パロ」の項参照)

『富山県で生産されているパロは、現在世界30ヶ国で約1700体が販売されている。
デンマークでは100ヶ所以上の高齢者施設で活用され、セラピストにパロの利用方法やメンテナンスの仕方等を学ぶパロの免許制度も導入した。

パロはそれ自体にセラピー効果があるとはなっていないが、パロと接することで人は精神的な安らぎを得ることができる。それはこころの豊かさを提供するということ。
歴史や文化に根ざしたところ(富山県)で生産し、こころの豊かさという主観的な価値をもつことは付加価値につながり、そのことが安易な価格競争に落ち入ることを回避する。

今後は、福祉先進国であるデンマークと最先端の福祉機器(ロボット)のある日本が組むことで、互いの強みを生かして、他のヨーロッパ諸国に水平展開していきたい』

日本同様高齢化が進むデンマークですが、移民受け入れには消極的。そのため、機械導入による介護の負担軽減に取り組んでおり、日本のロボットメーカーにも積極的にアプローチしています。

パロやHAL福祉用(←「HAL福祉用」の項参照)に続き、ロボリア(← 「ロボリア」の項参照)や、
先日発表のあったパーソナルモビリティ「STAVi」なども導入されていくのかもしれません。
(つづく)


本当に海を越えるのか、ロボットベンチャー (2008.5.2)
背に腹と懐具合と体力に応じて (2008.6.19.)

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2010年11月01日

アイディアはシンプルだが、効果的で強力なロボット

先日アメリカで発表された、なんでも掴めて、操作できるロボット

砂のような粒子が液体に似ている性質から、固体へと変化する「ジャミング転移」現象(※1)を利用して、事前にモノの形状がわからなくても(※2)、細いペンから、水の入ったコップ、やわらかい生卵まで持ち上げることができます。

生卵のようなデリケートなモノを持ち上げる場合、圧力が弱ければ落ちてしまうし、強すぎればつぶしてしまいます。このロボットは生卵全体を適切な圧力で掴み、持ち上げることができるのです。

人間の生活環境下でロボットを動かすために、日本ではロボットが扱いやすいハンドルなどを開発する「ロボットのためのユニバーサルデザイン」の研究が行われています。

これはロボットの「指」(ハンド)の形状に合わせてモノをデザインするというアプローチで、これはこれで非常に現実的な手法だとは思いますが、このアメリカのロボットのような、形状がわからないなら、わからないなりになんとか対応させてしまおうという、なんとも力づくな逆転の発想が素晴らしいと思いました。

まったく、「アイディアはシンプルだが、効果的で強力」です。

(※1)粉体は密度が低い場合は流動するが、密度が高くなると流動性を失い、固体のようになる
(※2)粒子を詰めた袋がモノに密着すると、粒子間の空気を掃除機で吸い取り、モノの輪郭に沿った形で固定される

参考 WIRED VISION(2010年10月27日)

逆転の発想の遺伝子 (2007.4.10)
本当の想像力 (2009.5.24)
テクノロジーを用いて大きな問題を解決する (2010.10.15)
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2010年07月27日

熱中症対策ロボット

猛暑の日が続いています。熱中症で倒れる人も多く、テレビでは連日熱中症への注意を呼び掛けています。

とはいえ、猛暑だろうが、酷寒だろうが、外で仕事をしなければならない人はたくさんいます。
中でも、駐車場の案内や道路工事の誘導、交通量調査などは、思わずご苦労さまと声をかけたくなるほど、過酷な環境で仕事をしなければならないことも多い。

家庭用掃除ロボット「ルンバ」や、爆弾処理ロボット「パックボット」をヒットさせたiRobot社の前社長は、ビジネスとして成り立つロボットの条件として、3つのD、
すなわち “ DULL、DARTY、DANGEROUS ” が重要と述べています。

炎天下、寒風下のときだけでもいいから、自分たちに代わって作業をこなすロボットが登場してくれないか、そう思いながら作業する方もきっと多いことでしょう。

やはりロボットは、人に役立つ道具であってほしい。


ロボットの3Dとアンダーウォーター (2008.10.14)
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2010年07月22日

ロボットの「規制仕分け」

政府は年内にも経済活性化のためにさまざまな規制措置を見直す『「規制仕分け』を実施するようです。

「規制仕分け」では、規制の必要性を主張する官僚側と、規制撤廃を求める民間企業などの双方を集めて議論するとのこと。

これまで多額の開発費を投入しながらサービスロボットの普及が進まず、市場が立ち上がらない理由として、開発者側から主に以下の点が指摘されてきました。

1.安全性が確保されていない
2.価格が高い(普及価格ではない)
3.ロボットならではのアプリがない

そして、
4.規制が多く、手続きが煩雑

先日、政府の総合科学技術会議は、「高齢者・障害者の生活支援技術開発」を科学技術の重要施策8分野のひとつとして重点的に進めていくことを決めました。

「規制仕分け」では、ロボット普及の阻害要因となっている事項(公道走行、介護保険、電波、輸出など)についても、当然、取り上げられることになるでしょう。

「規制仕分け」を機に、少しでもサービスロボットの普及が進めば良いと思いますが、それは、ロボットが普及しない「言い訳」がひとつ少なくなることを意味するわけで、ロボット開発者はそのことを、よくよく肝に銘じておく必要があります。

参考 蓮舫行政刷新担当相の記者会見 (2010年7月20日)

「事業仕分け」、傍聴しました。 (2009.11.17)
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2010年02月07日

ホッとする存在としてのロボット

北海道大学の進化生物学の研究者によると、働きアリを「よく働くアリ」と「ほとんど働かないアリ」に分けて、別の集団にシャッフルしても、一定の割合で「働き者」と「怠け者」に分かれるのだそうです。

これは、働きアリも疲れて休息するので、「働かないアリ」がいることで、働き方に差がでるよう誰も働かなくなる時間を減らし、安定した労働力を保つ集団維持の仕組みなのではないかとみられています。

組織としての会社も社員全員が優秀というところは少なく、10人いれば、そのうちの3人が利益を産み出し、5人は可もなく不可もなく、2人がたいした仕事をしていないという感じでしょうか。

会社にとって優秀な社員が人間としてできた人物であるかは別で、優秀である分自己主張も強くなり、人間関係がギスギスしがち。そんな中、たいした仕事をしていないと思われている社員が「潤滑油」となって、会社がうまく回っているケースは多いものです。

「あの人がいるとホッとする」という存在は、組織として重要です。

なにかにつけゆとりのなくなってきている世の中で、具体的に役に立つわけではないけれど、人とコミュニケーションできる「ホッとする存在としてのロボット」の需要は大きいと思いますが、タスクが明確でないだけに技術的には高度で、まだまだ当分は「ホッ」とする前に「イラッ」としてしまう?

参考 : 読売新聞 (2009年11月28日)
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2010年02月04日

瞬間速度70km、平均時速50 km以上で走れるヒューマノイド

アメリカの大学の研究チームが発表した試算によると、人類が走って出せる速度の限界は、平均時速にして約50 km(秒速14m)、瞬間的には約69キロ(同19.3m)だそうです。

速く走れば走るほど、地面をける力より、接地時間を短くすることが難しいため、この数値になったようです。

ジャマイカのウサイン・ボルト選手の陸上100メートルの世界記録9秒58は、平均時速約37.6 km(秒速約10.4m)、瞬間時速は40 km台半ば。

ロボットの特徴のひとつに「人間の能力を超える」ということがありますが、(漫画「エイトマン」の時速3000kmというのは置いといて)将来「瞬間速度70km、平均時速50km以上で走れる」ことが二足歩行型ロボット(ヒューマノイド)の目指すべき数値になっていくのかもしれません。

ちなみに現在、二足歩行型ロボットの最高速度はトヨタが開発したロボットの時速8km (ASIMOは6km)です。

参考: 時事通信 (2010年1月26日)

別次元のロボット (2008.8.23)
日本の文化としての二足歩行ロボット (2009.7.23)


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2009年04月18日

人工物の飽和とロボットテクノロジー

幸福度88位、自殺者年間3万人。国民総悲観国家になってしまった日本に希望ある未来の可能性はあるのかをテーマにしたシンポジウムが開催されました。

特別講演をした前東京大学総長で、三菱総合研究所理事長の小宮山宏氏は、20世紀とは異なる21世紀のパラダイム(ある時代に支配的な物の考え方・認識の枠組み)として、

・知識の爆発
・有限の地球
・高齢化する社会
・人工物の飽和

を挙げ、100年に一度といわれる今回の金融危機も、先進国の高齢化による需要の減退が大きな原因のひとつと独自の見解を述べています。

小宮山氏は以前より環境・エネルギー問題と超高齢化の進展という日本のマイナス要素を社会システム変革のチャンスに変えていくという「世界の課題解決先進国・日本」の役割の重要さを説いてきました。

今世紀半ばには先進国はもちろん中国やインドなどでも人工物の飽和状態、つまり車や土木建築物をはじめとするあらゆるモノが身の回りにあふれ、同時に進展する世界的な超高齢化により、需要の減退が起こると予想しています。

そんな未来社会では、工業型製品(ニーズ型)にかわり、知識型製品、つまり商品のコンセプトやデザイン、専門知識、ブランドなど、快適さや癒し、心地よさ、感動、達成感などの人間の欲求を満たすウォンツ型が主流になります。

シンポジウムでは、今後あらゆる産業が知識型になることを踏まえ、製造業が向かう先として、

・不可能を可能とするような革新的先端技術製品
・高級ブランド
・機能ではなく情緒面の欲求に応える感性商品
・自分にとって特別な商品
・機能回復型商品

を挙げ、特に繊細な感性と先端技術が融合するハイテク感性商品は日本のもっとも強みとなるとしています。

なんだ、それはロボットテクノロジーのことじゃないか。

実際、2050年におけるもっとも大きなインパクトとなる科学技術は、ロボット技術と生命科学としています。
(つづく)


人類とテクノロジーと人工物観 (2008.3.26)
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2009年03月06日

ロボット村の天気

昨日開催された「JAXA産学官連携シンポジウム

シンポジウムでは、世界で4番目の人工衛星打上げ国であり、衛星打上げ累計個数世界3位の日本が、宇宙開発利用の国際競争力では世界第7位であり、中国、インド、カナダにも及ばないという評価結果を紹介していました。

また、パネルディスカッションでは、「宇宙村」と自嘲する宇宙機器開発メーカーや宇宙利用サービス企業が日本の宇宙開発利用の現状を天気に例え、

「停滞前線はぬけたが寒冷前線は居座ったまま」(NEC)
「曇りからちょっと陽がさした (韓国の地球観測衛星受注)」(三菱重工)
「どんよりとした曇りから薄日(海外の通信衛星の受注) 」 (三菱電機)
「三寒四温。春の兆しは少し見えるが、まだ寒い」(日本スペースイメージング)
「晴れから曇り。海外メーカーに価格面で競争できない」(スカパーJSAT)

果たして、「ロボット村」の天気は ・・・
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2009年01月29日

階層で防御する

(2009年1月20日のつづき)
ロボットの誤動作、予期せぬ起動、安全関連部の不具合などの「技術的要因」で起こるリスクの低減を図ったとして、では「人的要因(ヒューマンエラー)」によるリスクはどう回避すれば良いのか。

ヒューマンエラーは、予測がつかないさまざまな要因により引き起こされており、あらかじめすべての危険を予測して、定量化し、排除することができません。

そこで、通常はまず技術的なリスク要因を排除し、その次にヒューマンエラーを取り除く方法をとります。

これは、次世代ロボットでも同じですが、もうひとつ、リスク低減を図る仕方として、多重でリスクを回避する「階層防御」という考え方があります。

「階層防御」とは、原子力発電所での事故発生のリスク回避として取り入れられている方法。
次世代ロボットで例えれば、なんらかの要因でロボットのアクチュエータが人を挟むリスクが想定される場合、挟まれた人に危険が及ばないよう、あらかじめアクチュエータを小型・軽量化しておくと共に、近接、接触などの各種センサーを使って、音や光で警告を発したり、接触センサーで緊急停止やモーターの電流を止めるなど、階層ごとに機能を独立させて、リスクを時系列で下げていくというもの。

ロボット側からのこうしたさまざまなリスク低減を行う一方、人間側も防護服を着用したり、安全教育や運動の徹底、負傷者の救命活動などの技術的なリスク要因を排除した上で、ヒューマンエラーを防止しようとする方法です。

次世代ロボットの安全対策については、来年度、具体的な指針を取りまとめていく予定。※

※ロボットビジネス推進協議会 安全対策検討部会 (部会長 池田博康・労働安全衛生総合研究所)


リスクの実績主義と絶対主義(2009.1.20)
ロボットが街に出る日(2006.1.31) 
ロボットに関するいくつかの報告書B(2007.5.9)
賞賛すべきは賞賛し(2007.8.21)
切りたくても切れない関係(2007.10.25)
血液検体搬送ロボットシステム(2007.12.5)
22年間で、83件がもつ意味(2008.3.18)
ロボット三国同盟(2008.5.29)
ロボット・オリエンテーション(2008.9.20)
電動アシスト自転車が、いく(2008.10.05)
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2009年01月25日

ヒールでいい

朝青龍が5場所ぶり23度目の優勝を遂げました。
場所前は「引退」もささやかれていただけに、本人もさぞかしうれしいことでしょう。

髷も乱れるほどのなりふりかまわぬ姿に、勝利への激しい執念と集中力、決してあきらめない強い気持ちが現れていました。

また朝青龍が出場し、勝ち続けることで、国技館は連日満員御礼の盛況ぶり。
朝青龍のさまざまな不祥事も勝てば官軍、隅に押しやられそうな勢いです。

ヒーローだけが持つ強力なパワー。
ヒールでいい、ロボット市場創出にヒーローを ・・・


情熱とストーリー(2007.10.29)
情熱と近未来へのストーリー(2007.10.31)
別次元のロボット(2008.8.23)
企業ロボットの世界観と成長物語(2008.9.24)
ロボット・リサーチの罠とスーパールーキー(2009.1.4)



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2009年01月13日

修羅場顔認識

先日、NHKで放送されていた「みんなロックで大人になった」(BBC製作)。
イギリスのバンドを中心に1960年代から現代までのロック・ミュージックの流れと社会に与えた影響を七夜にわたって紹介していました。

ブリティッシュ・ロックをずっと聴いてきた身には番組で流れる当時のサウンドは懐かしく、楽しいものでした。
そしてなにより、今では40代から60代になったミュージシャンたちの現在のカッコよさに、魅かれました。

アル・クーパー、ジンジャー・ベーカー、ルー・リード、ジョン・ライドン、オージー・オズボーン ・・・

これぞ「男の顔は履歴書」と言える強烈な顔、顔、顔 。
やりたいことをやり、数々の修羅場を潜り抜けてきた男たちの「顔」は、なんとすばらしいのでしょう。

近年、デジタルカメラの「顔認識」技術は、日進月歩ですが、
「キレイ」や「スマイル」なんかではなく、修羅場を生き抜いてきた「たくましい顔」にだけ反応するカメラも欲しい気がします。


プログレッシヴ・ロボット (2006.2.25)
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2009年01月08日

実用的ではないけど、居るだけで心が癒されるロボット

成田ゆめ牧場で昨年11月に生まれた「ウシ柄のヤギ」の名前が発表されました。

その名は「うしかちゃん」。
ホームページの写真には「お前はうしか!?とツッコミを入れてね」と書かれています。

人間によって無理やり作られたレオポンや、中国で話題になったパンダ犬などと違い、
うしかちゃんは、自然分娩でウシ柄の個体として誕生しました。

ウシ柄×ヤギという意外性。
たわいもないと言ってしまえばたわいもないわけですが、それでも多くの人の注目を集めます

うしかちゃんには、実用的ではないけど、居るだけで心が癒されるロボットのヒントがあるような気がします。

ちなみに、成田ゆめ牧場では有料でセグウェイが試乗できます。
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2008年12月22日

ロボット実用化の大黒柱につき、

(つづき)
マンチェスター・ユナイテッドの優勝で幕を閉じたFIFAクラブワールドカップ。

その大スポンサーであるトヨタは、サッカーを始め、スポーツ競技、文化芸術、環境活動など世界中のあらゆる分野、さまざまな地域の活動を支援しており、また、さまざまな分野、活動から支援を依頼されています。

ロボット分野でもトヨタへの期待は非常に大きく、日本ロボット工業会、東大IRT機構をはじめ、全国の産業振興団体などからさまざまな協力を要請され、「トヨタ頼み」の傾向は年々強まっています。

トヨタ自身もロボットを研究開発するだけの「研究所」ではなく、事業として利益を出すことが求められる「パートナーロボット部」を立ち上げ、早ければ2010年中での介護支援ロボットの実用化を明らかにしており、2009年初頭には、愛知県豊田市に建設した50m×70mのロボット専用棟に、これまで分散していた事業部スタッフを集約して、100人体制で介護・医療支援、家事支援、工場内作業支援、パーソナル移動支援の4つの領域でのロボットの開発と実用化に取り組むことになっています。

事業部の当初予算は約50億円。これまで発表されてきたパーソナル移動支援「Winglet」や施設案内「ロビーナ」をはじめ、未発表のさまざまな研究開発ロボットの中でどれが事業として成り立つか、2009年3月末を目途に精査していくことにしています。

ロボット関係者の期待と希望を一身に受けるトヨタですが、ここに来てアメリカの金融危機に端を発した世界的な景気減速で、2009年3月期の営業利益が30%減になることを発表しました。

パートナーロボット部の予算も発足当初は100億を予定していたようですが、それが50億となってしまったいきさつがあり、トヨタ本体が今年度減収減益となることから来年度の事業部予算の縮小も避けられない状況かもしれません。

それでも、ロボットビジネスが立ち上がるか否かの鍵は、大黒柱のトヨタがどれだけ踏ん張れるかにかかっています。
今のところロボットを実用化しても「事業」として収益が出るまでに一体どれくらい時間がかかるのかまったくわからないだけに、景気減速が鮮明になる中、トヨタがどのような判断を下すのか、2009年の動向が注目されます。
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2008年11月11日

案外、大事

2005年2月に「TOKYO-BAY ららぽーと」にオープンしたパンのフードテーマパーク「東京パン屋ストリート」。

全体の装飾コンセプトは、北欧の田舎町。
非日常的な環境演出と、人気パン店の食べ比べができることや、ここでしか食べられない
季節のオリジナル新作パンを目当てに、オープンから3年以上たった今も、休日は相変わらず混雑しています。

遊園地やテーマパークが長く存続するポイントは、魅力的な世界観の構築とリピーター客の確保にありますが、案外、重要な部分をなすのが、お土産品と「たべもの」の存在。

特に、そこでしか買えない、食べられない「もの」があるかないかは、その施設の魅力に少なからず影響します。

先月、「イーアスつくば」にオープンした「サイバーダインスタジオ」。

サイバーダインの研究成果をわかりやすいカタチで展開し、来場者の生の声を開発現場にフィードバックする役目も兼ね備えた施設ですが、
ロボットスーツ「HAL」というオリジナルなモノの展示はあるものの、残念ながら、そこにオリジナルな土産「物」、食べ「もの」の提供は、今のところ、ないようです。


フランス料理が得意なロボット研究者 (2006.9.11)


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