2008年03月09日

OCEAN BB

水中ロボットの第一人者、浦 環氏は、スタティック(静的)な海の情報、写真ではなく、ダイナミックな海の情報・映像をお茶の間に届ける、
海の上でどこでもブロードバンド(OCEAN BB)」を提唱しています。

OCEAN BBが実現すれば、お茶の間に居ながら、
「大海原に昇る朝日や夕日を見たり、入港する船のブリッジから港や陸地を見たり、逆巻く荒海を見て気持ち悪くなり(笑)、神秘の海底をリアルタイムで目のあたりすることができる」
と述べています。

現在、外洋を航行する船舶からの衛星通信手段は、インマルサット衛星を利用した電話やFAX、データ通信に限られており※、外洋の船内からの高速インターネット接続には、やはり独自の通信衛星が必要のようです。

先日のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故についても、海上ブロードバンドが普及していれば、多くの人にもっと身近で胸に迫る出来事として感じることができたのではないかと思います。

※「沖合でも高速ネット通信・シンガポールが設備」 (日経新聞3/7)
 シンガポールでは沖合15キロメートル内に高速無線ブロードバンドを 導入。世界で初めて海上インターネットの利用ができるようになるという。
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2008年02月06日

「宇宙」と「音楽」の親和性とロボットの代表曲

NHK特集で、スペースシャトルの宇宙の目覚め「ウェイクアップコール」を取り上げていました。

ジョン・レノンの「イマジン」や、ルイ・アームストロングの「イッツ・ア・ワンダフル・ワールド」、ヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」など、普段聞きなれている多くの曲が、スペースシャトルや青い地球をバックに流れると、格別な印象を与えます。

無限に拡がっていく「宇宙」に流れる「音楽」は、水を得た魚のように、生き生きと感じられます。

それにひきかえ「ロボット」と「音楽」はどうでしょう。

「ロボット」から連想できる「音楽」は、アトムのテーマやイエローマジックオーケストラの曲など、とても限定的で、
「ロボット」を代表する曲は、ありません。

やはりカクカクと動くリズム感のなさが、致命的なのかもしれません。
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2007年12月05日

血液検体搬送ロボットシステム

(つづき)
2007国際ロボット展で併催された「第3回韓日サービスロボットワークショップ」。

松下電工の北野幸彦氏が無軌道自動走行ロボットの事例について講演しました。

松下電工はこれまで病院内で薬やX線フィルムなどを運ぶ「HOSPI」や、愛・地球博で屋外清掃を行う「SuiPPi」を開発。
2006年10月からは生体臨床検査(病院などから届けられた血液)の搬送を自動で行う「血液検体搬送ロボットシステム」をユーザ企業の工場で稼動させています。

「血液検体搬送ロボットシステム」は、「障害物回避」と「無軌道自律走行」の技術をベースに、血液検査検体の受け取りから自動分析装置へのセッティング、さらには検査後の回収など群制御コンピュータで、最大10台のロボットにより搬送業務を行うシステム。
自動充電で24時間連続運転も可能だそうです。

稼動後1年間、大きなトラブルもなく、ユーザからの評価も高いようですが、その要因として、
・メーカとしての信頼性
・機器の安全・安心
・顧客ニーズでの開発

を挙げています。

また、
・毎日、経営の必需品として使ってもらえること
・導入後、満足して使ってもらうためのメーカとしての覚悟
・価格を含んだユーザとのディスカッション

の必要性を述べています。

そしてなにより、
切実なニーズを持っている顧客とコンタクトし、価格、納期、課題などについてユーザとよく話し合い、毎日使ってもらえる「商品」とすること
の重要性を強調していました。

(つづく)
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2007年10月12日

みつびし印のない大型科学技術プロジェクトは、ない

横浜でセミナーに参加した際、三菱みなとみらい技術館に立ち寄りました。

入り口でWAKAMARUがお出迎え。
館内は交通、海洋、宇宙、環境、エネルギー、技術探検について、実機・模型、パネルなどで分かりやすく紹介されています。

改めて日本の大型科学技術プロジェクトの多くに三菱重工が関わっているということがわかります。

館内の3Dシアターで、『進め!ナノテク医療隊:Dr.ミライ&ロボ!』を観ました。

物語は未来の病院を舞台に、研修医ミライがチームメイトの医療ロボット・ハマーと力を合わせて、実習用ロボットのがん治療に奮闘するというストーリー。

10分ほどの作品ですが、エンターテイメント作品として、非常によく出来ており、お勧めです。

ちなみに作品に登場する放射線治療は、ホウ素中性子補捉療法※というもので、三菱重工は高い精度でがん患部に放射線を照射できる装置の開発に取り組んでいるのだそうです。

モニターや展示物に「調整中」の張り紙が目立つことと、コンパニオンのおねえさんが、あまり愛想がないのが気にはなりましたが、日本科学未来館よりコンパクトな分、日本の科学技術を端的に理解できる気がします。

やがて、月周回衛星「かぐや」や、新しいジェット旅客機「MRJ」も紹介される日がくるでしょう。


※ホウ素中性子補捉療法は、あらかじめホウ素化合物を患者に投与しておき、がん細胞に取り込まれたホウ素と外部から照射された熱中性子線とで起こる核反応により生じる粒子線により、がん細胞のみを選択的に退治する治療法。
現在は研究用原子炉からしかこの熱中性子線を得ることができないため、加速器による熱中性子線照射が研究されており、将来的には病院での治療が期待されている。
(三菱重工ニュースリリースより)
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2007年09月07日

産業ロードマップ、「売れるロボット」への道標

(つづき)
技術、学会(アカデミア)の戦略が練られた後は「出口」、ビジネス成功のための戦略が必要になります。

昨年立ち上がったロボットビジネス推進協議会の活動を支援することも念頭に、経済産業省は「産業ロードマップ」の作成を始めるようです。

ビジネスの場合はなにより、具体的に「売れる」ことが肝心。

民生用ロボット分野での成功事例がほとんどない現状で、どのような産業ロードマップを作成していくのか。
ユーザと共に商品開発をするメーカーも多くなってきましたが、本当にRTを必要としている分野がいったいどれくらいあるのか。
まだまだ高額な民生用ロボットを導入したユーザは本当に満足しているのか。

知能化、標準化、安全性などロボットを取り巻く多くの難題を超えて、「売れる」ロボットの事例をひとつでも積み重ねることが当面必要でしょう。
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2007年08月09日

個人輸入、もうひとつのダビンチ

薬事法の販売承認を受けていない「手術支援ロボット」を使って保険の診療報酬を不正に請求したとして、厚生労働省は大阪や名古屋の6つ病院などに対し、過去の請求分の返還に向けた調査を始めました。

これまでに約1350件の不正請求が判明したそうです。

この「手術支援ロボット」とは、内視鏡や鉗子などをロボットアームで遠隔操作して腹部や胸部の手術を行う「ゼウス」と「ダビンチ」、コンピューター制御のカッターで人工関節用の穴を骨盤などに開ける「ロボドック」の3種。

国が承認していないロボット機器を勝手に手術に使って、しかもそれを患者の保険診療報酬として請求したのはけしからんということなのですが、
米国製のダビンチ(da Vinci)は1997年に開発され、すでに世界で10,000を超える手術症例があり、世界で約600台が販売されています。

しかし、日本では、販売が承認されていないため、東京医科大学など4つの病院に数台が納入されているに過ぎません。

いわば、まだ「個人輸入」している状態です。

これは高度医療の治療機会の喪失と格差を生じさせるだけでなく、世界との医療格差につながる恐れがあります。
実際、最先端医療を安価な金額で受けられるインドの病院で手術を受ける欧米患者が増加しています。

術中MRI手術システムなど高度先端医療を手がける東京女子医科大学先端生命医科学研究所の村垣善浩氏は、「日本がこの分野で遅れをとることのないよう医療機器の開発と一層の医師の技術水準の向上、そしてなによりロボット手術に対する国、国民の意識の改革が必要だろう」と述べています。

参考 : 読売新聞(7月5日、27日)

インテリジェント手術室 (07.2.5)
外科領域のF1と先端医療格差 (07.2.6)
日本の一番のアキレス腱 (07.3.11)

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2007年08月06日

レスキューロボット実戦配備 中期5ヶ年計画

テムザックのレスキューロボット「T―53援竜」が、新潟県中越沖地震で倒壊した倉庫のがれきを除去する様子がTVニュースで流れました。

長年、多額の研究費をかけながらレスキューロボットの実用化は一向に進んでいません。

今回はデモンストレーションとしての意味合いが強いとはいえ、T―53援竜は車両ナンバーを取得し、一般道路を走行することで被災地に駆けつけました。

そして実際の被災地で活躍する初めてのロボットとなりました。

もちろんロボットが人命救助に貢献するまでにはまだまだ長い道のりですが、こうした事例を積み重ねることで、現場での認知や必要性が高まってくるかもしれません。

とはいえ、実際問題として、各地の消防署がいつ起きるかわからない災害に備え、高額なレスキューロボットを購入するというのは、費用対効果の面から難しい。

そのため、平時においては、床下点検やシロアリ駆除などに使用するといった研究がなされていますが、どうなのでしょう。

地震は国の災難。レスキューロボットを国土防衛という見地から、あるいはテロ対策支援システム「装備品」として、防衛予算で計画的に整備するという話には、ならないのでしょうか。

参考 : 能登半島地震と、遠い夜明け (07.3.26)
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2007年07月13日

新エノスイが求めるRT

以前、新江ノ島水族館にお邪魔して、バックヤード(水槽の裏側)を拝見する機会がありました。

水槽の裏側の狭い通路には幾重ものパイプやケーブルが走り、足組みが作られた水槽上部にはいくつものライトがぶら下がっています。
そして海洋生物の飼育、水槽の内側につくコケ取り、冷たい水槽の掃除など、ほとんどの作業は人手で行われていました。

先日、川崎で行われたロボットビジネス協議会のセミナーで、新江ノ島水族館支配人の堀一久氏は、水族館で求められているロボットシステムの活用として以下の点を挙げています。

・ エサ、薬添加機能
・ 水温調節機能
・ 水質殺菌機能
・ 水質ろ過循環機能
・ 飼育水浄化機能(取水、排水)
・ 証明設備、受変電設備保守機能
・ 苔取り

上記の「課題」をロボット技術(RT)で「解決」するRTソリューションビジネスが求められています。
しかし、問題はコストと合理性。
ロボットシステムとして稼動した場合、現在の人件費に比べて果たして高いのか、安いのか、手間がかかるのか、かからないのか。

ビジネスとしての成功が真剣に問われています。
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2007年07月08日

宇宙トイレの活用法

NASAはロシア製の宇宙トイレシステムを1900万ドル(約22億8000万円)で購入する方向で検討しているようです。

ロシア製の宇宙トイレは排泄物から水を再生することができ、下水処理装置とほぼ同じ機能を備えた処理装置。

先日開催された「第2回宇宙ロボットフォーラム」。

「国際宇宙ステーションを利用したロボット関連研究の地域連携」の具体例として、中部経済局とロボット関連企業で計画している「宇宙トイレ」が紹介されていました。

そこで開発された「宇宙トイレ」を地上での介護・福祉分野に、「人間の尊厳を保持する排泄処理システム」として応用できないか、今後検討していくようです。

現在、「きぼう」実験棟(JEM)で実験・開発した技術を地上で活かすさまざまな方法が模索されています。

JAXAはこれまでも宇宙で開発された素材・要素技術をスピンアウトして新たな収入源にしようとしていますが、いまひとつ効果が上がっていません。

なので、「宇宙トイレ」が介護・福祉分野に活用されればすばらしいことと思いますし、それがNASAをはじめ、世界各国の有人ロケットに標準装備されるようになれば、いいですね。
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2007年07月05日

ロボットメーカーが鞍替えを決断する日

先日、ボーイング社は今後20年間の商業航空機の市場規模が2兆8000億ドル(336兆円)にも上るという独自の市場調査結果を発表しました。

ボーイング社によると2026年までに2万8600機の新しい商業航空機が生産され、その内訳は、
90席未満のリージョナルジェット 約3700機
90〜240席の小型旅客機 1万7650機
200〜400席の中型旅客機 6290機
400席以上の大型旅客機が960機

地域別では全需要の36%がアジア太平洋地域で、
北米が26%、欧州が25%、南米・アフリカなど13%
になると分析しています。

現在、三菱重工が開発を進めている国産初の小型ジェット旅客機は、90席未満のリージョナルジェットと240席未満の小型旅客機カテゴリーの2種類。
また川崎重工業は、防衛省次期輸送機「CX」を民間機に転用し、貨物航空機市場に参入すると発表し、ホンダもビジネスジェット市場で「ホンダジェット」の受注生産を開始しています。

経済産業省が試算している2025年における次世代ロボットの市場規模予測は、約7兆2000億円。

産業用ロボットの市場規模予測約1兆4000億円と合わせても、20年後の国内ロボット市場規模は約8兆6000億円です。

これはボーイング社の予測値、336兆円の1/40の市場規模

今後、次世代ロボットの市場がなかなか立ち上がらない状況が続けば、世界市場が約束され、裾野の広い航空機市場分野に中小のロボット関連メーカーが鞍替え決断する日も近い気がします。
(つづく)

参考 : ホンダもソニーもなく
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2007年07月02日

恐るべき子供たちに見放された日本の進むべき道

会場で配布された「イノベーション事例集」に協力したこともあり、先週末開催された「グローバル・イノベーション・エコシステム2007」に参加しました。

「グローバル・イノベーション・エコシステム(GIES)」とは、科学技術投資だけでなく、教育改革や地域レベルなど「社会システム全体」を変革することによって、イノベーションを世界規模で展開するという概念。
イノベーションが実現する様子を生態系(エコシステム)になぞらえて表現しています。

これは、安倍内閣の長期戦略指針「イノベーション25」の基本概念であり、今後のわが国が目指すべき社会システムとして、来年の洞爺湖サミットでも中心テーマとなるものです。

シンポジウムでは、講演者からある調査結果が紹介されていました。
それによると、夢を持っていると答えた子供の割合は、世界平均が65%であるのに対して、日本は35%。
日本の子供たちは、その日を楽しく暮らすことを上位に挙げており、これは子供たちの親世代が将来の夢がなく、その「いじけた」姿が影響している、と分析されていました。

ちょうど「親世代」にあたる僕としても耳の痛い話です。

こうした「子供たちに見放された日本」がイノベーションを行っていくためには、「未来の子供たちの財産・環境を奪わない」「若者たちに挑戦すべき課題(夢)を提示する」ことが大切であり、
その挑戦すべき課題とは、環境、エネルギー、南北問題、感染症対策などの「人類共通の課題」である、としています。

まったくもって同感です。

しかし、イノベーションが創造的破壊と日本の社会システム自体の変革を伴うことから、その実効には長い時間を要することが予想され、
本丸や主流から事を始めなければならない」わけですが、
講演者からは、ここ最近の「保守的思考の回帰」について懸念する言葉が繰り返し述べられていました。

大企業、公務員志望の安定指向、株主総会での防衛策の承認 ・・・

独立起業した立場から言えば、「安定」を求めることは必ずしも悪いことではありません。
でも、少なくとも「出る杭を伸ばす」、そんな社会になるよう努力しなければならない、と思うのです。
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2007年06月28日

必要なのは、宇宙日本酒

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士へ供給するための「宇宙日本食」を認証しました。

白飯、赤飯、マヨネーズ、ラーメン、サバの味噌煮、羊羹、黒飴、わかめスープ ・・・
提供するのは、日本の代表的な食品メーカー。

一方、米航空宇宙局(NASA)は2010年に完成予定のISSの施設を民間企業や米国の他省庁に開放する方針を明らかにしました。

米国が宇宙開発の方針を月や火星への有人飛行へと転換したためのようで、日本の実験棟「きぼう」の使用権を半分もつ米国が、資金獲得のために「きぼう」を外部に開放することも考えられます。

「きぼう」の建設自体、米国の都合でこれまでもさんざん延期され、数年も待たされた経緯があり、ようやく建設スケジュールが見えてきて、来年には実験もスタートできると思ったこの時期に、またかという感じですね。

JAXAの担当者はどのように感じているのでしょうか。

NASAのご都合主義に翻弄されるISSで今一番必要なのは食べものなどではなく、
酔わずにはいられない、「宇宙日本酒」のほうでしょう。

参考: 読売新聞(6月27日)

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2007年06月18日

救助用ロボット

アメリカのVecna Robotics社が米軍からの依頼を受けて研究開発中の「BEAR(Battlefield Extraction and Retrieval Robot)」は、戦場で負傷した兵士を救出する「救助用ロボット」。

You TubeでアニメがUPされています。

兵士を抱えたまま立ち上がったり、クローラーを利用して階段もスムーズに走行できるよう、開発を進めています。

Vecna Robotics社では、この「BEAR」を介護や家庭用ロボットとしても考えているようです。

とはいえ、プロトタイプを見る限り、アニメのようなロボットとして活躍するにはまだまだ時間がかかるものと思われます。

アメリカのロボットはまず軍事利用ということで開発されるため、ロボット活用の目的が明確で、スコンとぬけた感じがあり、
なにより、ロボットでしかできないことに特化させようとするところが、魅力です。
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2007年05月22日

モチベーションとヒントの場

(つづき)
当時、「お天気フェア」を見た子供たちの中には、その後、気象に関わる仕事についた人もいるかもしれません。

先日、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の施設一般公開を見学しました。

海洋調査船「かいよう」の体験乗船やカップヌードルの容器を使った加圧実験など、保有船や施設での盛りだくさんなイベントに大勢の親子連れが楽しんでいました。

しんかい6500」、「しんかい2000」の有人潜水調査船、「ハイパードルフィン」や「PICASSO」などの水中ロボットも一同に見ることができ、ロボットに興味のある人にとっても貴重な体験になったと思います。

特に水中ロボットは、何故ロボットを作り、何に使うのかという「目的」がはっきりしているので、ロボットに興味はあるけど、将来何をやりたいのかがわからないという子供たちにとっては、明確なモチベーションやそのヒントを与えるきっかけになったかもしれません。

「本物」を見、体験することは子供にとっても、また大人にとってもとても重要なこと。

全国の多くの施設が科学技術振興のための一般公開日を設けていますが、
イベントを、やったらそれで終わり、とするのではなく、参加者にアンケートをとり、スタッフからヒヤリングをして、次回に活かす努力が必要です。

「なんでこんなことをやらなきゃならないのか」と、いまだ気乗りしない一部職員の方々も、一般の人の声や反応を直接伺え、また子供たちの将来につながる貴重な体験の場と自覚して、是非積極的に取り組んでほしいと思います。
(つづく)
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2007年04月19日

宇宙を駆けるパブリシティ

先日のボストンマラソンに、国際宇宙ステーション滞在中の女性宇宙飛行士が宇宙から特別に参加。4時間24分で完走しました。

無重力で体が浮かないようゴムひもをトレッドミルに固定して、42.195キロのフルマラソンを完走したというのもすごいですが、アメリカという国はやっぱりエンターテイメントのもつ「力」をよくわかっているなぁ、と思いました。

世界初(宇宙初?)の「宇宙からフルマラソン」というだけで、世界のメディアは飛びつき、日頃宇宙開発に興味のない人も注目します。しかも、参加するのは世界各国のトップアスリート、市民ランナーが出場する伝統のボストンマラソン。舞台は完璧です。

マラソンはゴールに至るまでの間、5キロごとのラップタイム、ゴールに向けてがんばるランナーの姿、完走時間など、さまざまな情報を発信することができ、なにより、42.195キロを走り抜けた「感動」を伝えることができます。

「感動」は人々の心に深く残り、共有され、やがて共鳴へと変わります。

しばし人生にたとえられる「人間くさい」マラソンというスポーツを通して、NASAは非常に効果的なパブリシティを行ったと思います。

ヒューストンの管制官も「最後の心臓破りの丘だ。その調子で頑張れ」などと激励して、イベントの盛り上げに一役かったようです。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)も予算が減らされ大変だと泣き言を言う前に、こうした費用対効果が高く、なにより生き生きとしたイベントを仕掛けてほしいと思います。

参考コラム :
バブルの扇子は宇宙で花開く (06.12.17)
同じ轍は踏まぬよう (06.11.16)

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2007年04月02日

両輪で考える癖

先日行われたJAXA(宇宙航空研究開発機構)の「ロボットが拓く宇宙開発のNEXT STAGE」。

講演したトヨタの担当者にJAXA側から熱烈なラブコール(ロボット技術&お金)がありました。担当者は困惑気味でしたが。

そのトヨタが「自動車搭載用の標準ソフトウェアを独自開発」という記事が載っていました(日本経済新聞3/29)。

現在のクルマは大量の半導体やセンサーにより、2億回/秒の演算ができる電子制御の塊であり、今後は道路側からの情報で危険を察知し、事故を防ぐ高度技術の実用化も期待されています。
現在の製造物責任(PL)法ではソフトウェアは対象外ですが、今後、外部に委託したソフトウェアの不具合によって人身事故が発生した場合、責任の所在が問われることになります。

またソフトウェア開発はマイクロソフトやインテルが得意とするところであり、
庇を貸して母屋を取られてしまったパソコンの二の舞にもなりかねません。

「標準ソフトウェアの独自開発」は、将来のロボットの姿とも重なります。

モノ作りとして、また理数教育として、とかくハード面ばかり注目されるロボットですが、ソフトウェアとの両輪で考える癖をつけていく必要があるでしょう。

参考:安全・安心 ITS を支えるセンシング技術の最新動向
参考コラム: 当たり前のものを消していくと(06.6.1)
人知を超えた複雑さ(06.5.30)
グランドチャレンジU インテルの戦略(06.1.25)
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2007年03月26日

能登半島地震と、遠い夜明け

能登半島沖で地震が起き、大きな被害を出しました。

神戸・淡路、福岡、新潟、そして能登。被災地で起きている同じような映像が今回もまた流れています。
神戸・淡路の震災時に比べれば、政府の対応も災害派遣の動きも格段に向上していると思います。また損壊したライフラインの復旧対応も進んでいるように思われます。

でも、TV映像で見る限り、情報収集ロボットが空中から活動しているとか、ロボットレスキュー隊がすばやく現地に到着したという情報は、ありません。

2002年に発足し、これまで国からの様々なプロジェクト予算を獲得し、レスキューロボットを「研究」している特定非営利法人国際レスキューシステム研究機構のホームページにも、何ら情報はありません。(3月26日午前7時現在)

ロボットが客寄せパンダではなく、現場で実際に役立つまで、あとどれくらいの数の震災を経験しなければならないのか。
そして今回もまた「要素技術の研究」ということで終わるのか。

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2007年03月05日

それでもボクはやってやる

(つづき)
「それでもボクはやっていない」(周防正行監督)を、観てきました。

この映画を観て思ったのは、証拠もない人の言葉を信じることの難しさ。
映画の後半、
『「真実は神のみぞ知る」というけれども、少なくともボクは真実を知っている。ボクはやっていない』
という主人公のセリフがありますが、先に発表された「イノベーション25中間とりまとめ」の中の「20のイノベーション代表例と技術評価」という項目にも、
本当に実現するの? と思う事例(P49)が挙がっています。

特に、
「東京−成田15分、東京−大阪50分。
リニア新幹線技術により、東京から成田への移動が15分、東京から大阪への移動が50分で可能になる。世界でもリニア新幹線が採用され、世界の距離はさらに短縮される」

その技術的実現時期は、2011年。
実際の利用可能時期を、2021年としています。

リニア新幹線は、未来の乗り物として僕が小学生の頃からさんざん取り上げられてきた科学技術。
またかよ! というのが、率直な気持ちです。

これまでの数十年間、技術開発者たちはきっとこう言われ続けてきたはずです。
「実験はもういい加減やってきたんだから、それより一体、いつ実現するの?」
当然ですね。やはり長すぎます。

でも彼らはきっとこう思っているに違いありません。

「それでもボクはやってやる!」
(つづく)

参考コラム :
ハワイまで3時間  (06.7.16)
50年後のエネルギー (06.9.3)
ロボット普及の前倒し (06.10.24)
千葉県に住む不思議ないきもの (1/18)



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2007年02月06日

外科領域のF1と先端医療格差

(つづき)
脳組織そのものにできる悪性の「グリオーマ」(神経膠腫=しんけいこうしゅ)は悪性度により、グレードT〜Wにわかれ、腫瘍部分を多く切り取るほうが生存率も高いことがわかっています。

しかし、周囲の組織に広がるグリオーマは、正常組織との境界線があいまいで、周りの組織も一緒に切り取ると、言語障害や身体マヒになる可能性があります。
そのため、これまでは思い切った切除ができないことが多かったようです。

東京女子医科大学の「術中MRI手術システム」は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けて、「脳腫瘍完全摘出システム」として開発されました。

「術中MRI手術システム」は多額の経費がかかることから、「外科領域のF1」とも呼ばれ、世界各国で技術開発競争が行われています。

現在、悪性グリオーマに対しては術中MRIをはじめ、ガンマナイフ治療や遺伝子治療などさまざまな先端治療法が試みられていますが、それらの設備が整った病院はまだほんの一部。

最先端治療を受けられるか、手術経験豊富な執刀医に出会えるかで生死が分かれる「先端医療格差」が、ますます懸念されます。

一部引用 : 日経新聞 1/28及び2/4 医療欄
参考 : 取材「術中MRI手術システム

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2007年02月05日

インテリジェント手術室

2月4日の日経新聞・医療欄「脳腫瘍治療法編」に、東京女子医科大学の先端治療が紹介されています。
日経の記者と一緒に僕も手術現場を拝見しました。

磁気共鳴画像装置(MRI)を中心に多くのカメラや機器類が配置された20畳ほどの手術室は「インテリジェント手術室」と呼ばれ、患者に関するあらゆる情報を一元化できるようになっています。

一番の特徴は、MRIを手術前に撮るだけでなく、手術中にも撮影すること。
その画像は10分程でモニターに映し出され、術前と変化がないか、腫瘍の取り残しがないかなどをその場で確認できます。

実際、当日の現場では術中MRIにより患者が出血をしていることがわかり、スタッフはモニターで確認しながら冷静に対処していました。

またリアルタイムに示されるメスの位置から、手術が計画どおり進んでいるか、腫瘍をどこまで摘出したかなどを「手術ナビゲーション」で確かめたり、言語機能や運動機能周辺の腫瘍を切り取る場合は、電極に刺激を与え、モニター上でその反応を確認しながら、手術を進めていました。
(つづく)

一部引用 : 日経新聞 1/28及び2/4 医療欄
参考 : 取材「術中MRI手術システム
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